6年生の朝ボランティア活動実践のポイント
卒業に向けていろいろなことに取り組む3学期。やる気に満ち溢れ、朝の時間に余裕がある6年生を中心にボランティア活動に取り組んでみましょう。
執筆/福岡県公立小学校校長・野口博明
目次
朝ボランティア(朝ボラ)で育つ力
学年研修会での話合い
1つのクラスだけで取り組むのではなく、6年生として学年で実践していきます。
話し合うこと
- 朝ボラでめざす子供の姿
- 朝ボラの内容と教師のかかわり方
- 継続するための手立て等
話し合ったことを管理職に相談したり、職員会議で提案したりすることで、他の先生たちからも、活動している6年生の支援や評価をしてもらえるようになります。
朝ボラの内容
学校周りのごみ拾い
①活動内容
- ごみ袋と火ばさみを持ち、学校周辺の歩道に落ちているごみを集めます。
- 燃えるごみと金属ごみを分別しながら集めます。
【燃えるごみ】紙くず、たばこの吸いがら等
【金属ごみ】飲料の空き缶
【プラスチックゴミ】ペットボトル、ビニル袋
②活動の魅力
- ごみを集めることで、学校の周りがきれいになります。
- 周りの人が活動している子供たちを見ることで、ごみを捨てる大人が減ってくるかもしれません。
③継続の手立て
- 学校の外に出るので、教師が1人つくようにしましょう。先生と一緒に活動することで子供たちの意欲も高まります。
- 地域の人たちから、お礼の言葉を子供たちにかけてもらうと、自己有用感が高まります。
外掃除
①活動内容
- 松葉ほうきで落ち葉を集めながら、きれいに模様を入れます。
- 草むしりをして、正門周りをきれいにします。
- 砂場をスコップで耕します。
②活動の魅力
- 朝、外がきれいになると、みんなが気持ちよくなります。
- 砂場で遊ぶ人たちが遊びやすくなります。
③継続の手立て
- 集めた落ち葉をコンテナに入れていくと、その量をみて達成感が感じられます。
- 石庭の庭造りを目標にすると、きれいに入れた模様を見て、友達に自慢したくなります。
- 低学年からきれいになった砂場のお礼をもらうと、毎朝の砂場耕しの労がねぎらわれます。
挨拶運動
①活動内容
- 正門で校長先生と一緒に、朝の挨拶をします。
②活動の魅力
- 毎朝続けることで、全校の挨拶がよくなっていきます。
- 地域の人たちも返事をしてくれるようになります。
③継続の手立て
- 挨拶の指導をすることで、挨拶する楽しさがわかってきます。
- 啓発ポスターを掲示したり、手づくりののぼりを持って活動したりすると、挨拶がぐんとよくなります。
朝ボラの指導
基本的に教師も子供たちと一緒に活動します。そうすることで、子供たちの意欲が継続され、活動の評価や改善につながります。
また、教師と子供との関係、子供同士の関係にもプラス効果が期待できます。
朝ボラの評価
活動を継続している子供たちの中で、相互評価したり、学級会で話し合ったりして、ボランティア活動で優れた実績を積んでいる子供を表彰しましょう。
朝ボラの発展
下級生と一緒に活動
朝ボラは6年生から始めていくとともに、一緒に登校している下級生や縦割り活動でつながりのある下級生に声をかけて、一緒に朝ボラに取り組んでいくようにしていきます。
中学校との連携
中学校の生徒会と連携し、朝の挨拶運動に定期的に参加してもらいます。
- 教師が管理職に相談する。
- 小中学校の担当教師で話し合う。
- 実践する。
活動の記録を次の5年生に渡す
朝ボラの記録やノウハウについてポートフォリオにまとめたものを卒業前に5年生に届けます。次の6年生は早い時期から朝ボラに取り組むことができるようになります。
イラスト/高橋正輝
『教育技術 小五小六』2021年1月号より