小5社会「私たちの生活と森林」指導アイデア
執筆/東京都公立小学校主任教諭・清水隆志
編集委員/文部科学省教科調査官・小倉勝登、東京都大田区教育委員会統括指導主事・木下健太郎
目次
目標
我が国の国土の自然環境と国民生活との関連について、森林資源の分布や働きなどに着目して地図帳や各種の資料で調べてまとめ、国土の環境を捉え、森林資源が果たす役割を考え表現することを通して、森林はその育成や保護に従事している人々の様々な工夫と努力により国土の保全など重要な役割を果たしていることを理解できるようにするとともに、国土の環境保全について自分たちにできることを考えようとする態度を養う。
学習の流れ (6時間扱い)
問題をつくる(2時間)
○ 資料から関心をもち、森林の分布や森林の働きについて知る。
○ 疑問を基に学習問題を立て、学習計画を立てる。
〈学習問題〉
日本の森林は、誰がどのようにして守っているのだろう。
追究する(3時間)
○ 林業の仕事や、林業に従事する人々の工夫や努力などについて調べる。
○ 森林環境税やナショナルトラスト運動、木づかい運動など、森林を守る国や県、市民の取組について調べる。
○ 日本の森林や林業が直面している課題について調べる。
まとめる(1時間)
○ 学習問題について自分の考えをまとめる。
○ 日本の森林を守るために、自分たちに何ができるか考え、話し合う。
導入の工夫
「山の植林活動で大漁旗が掲げられている」という児童にとって意外な資料を活用することで、森林の働きに対する興味を高めます。
1時間目:森林の分布や森林の働きについて知る
森林の面積や分布について捉えた後、本資料を提示します。
なんで山に漁師の大漁旗があるのだろう?
何かを植えているように見えるけど、それと関係があるのかな?
別の資料には、「森は海の恋人」って書いてあるよ。木があることで、何か海に役立っているのではないかな?
4年生で木は水を蓄えるって学習しました。
森林はどのような働きがあるのでしょうか。
木があることで養分の多い水が海に流れて、魚が育つようになるのですね。
森林は動物のすみかになったり、木材になったりします。その他にも、土砂災害を防ぐ、酸素を作る、地球温暖化を防ぐという働きもあるのですね。木ってすごいな。
2時間目:疑問を基に森林の保護について学習問題を設定し、学習計画を立てる
2枚の写真を比べて気付いたことを基に、疑問に思ったことを発表しましょう。
手入れをしているかしていないかで全然様子がちがいますね。
誰が手入れをしているのだろう?
何か工夫があるのではないかな。
問題をつくる(2/6時間)
手入れが行き届いている森林と、荒れてしまっている森林の写真を比べ、森林を守ることについて話し合い、学習問題をつくります。
学習問題 日本の森林は、誰がどのようにして守っているのだろう。
まとめる(6/ 6時間)
学習問題について自分の考えをまとめ、森林や林業の課題を踏まえ、日本の森林を守るために、自分たちにできることについて考え、話し合います 。
問いの工夫
イラスト/横井智美、栗原清
『教育技術 小五小六』2021年2月号より