小4社会「まちなみを守り生かす川越市」指導アイデア
執筆/埼玉県公立小学校教諭・堀祥子
編集委員/文部科学省教科調査官・小倉勝登
目次
目標
蔵造りのまちなみを保護・活用している川越市について、川越市の位置や自然環境、人々の活動や歴史的背景、人々の協力関係などに着目して調べ、その特色を考え、川越市では、人々が協力し、特色あるまちづくりや観光などの産業の発展に努めていることを理解できるようにするとともに、学習問題の解決に向けて意欲的に追究しようとする態度を養う。
学習の流れ(8時間扱い)
問題をつくる(3時間)
○ 埼玉県の歴史ある建物を保護している地域の位置や名称を調べる。
〇 川越の2枚のまちなみの写真を比較し、読み取ったことを基に学習問題をつくる。
<学習問題>
川越のまちなみは、だれが、どのようにして蔵づくりのまちなみに変えたのでしょうか。
○ 学習問題に対する予想を考え、学習計画について話し合う。
追究する(4時間)
○ 年表から蔵づくりのまちなみになるまでのできごとを調べる。
○ 蔵づくりのまちなみの様子について調べる。
○ 地域の「蔵の会」の会長さんから、まちなみを保存するための取り組みやその思いを調べる。
○ 市のガイドラインや市役所の人の話から、まちなみを守るためのきまりについて調べる。
まとめる(1時間)
○ 学習してきたことを基に、地域の人や市役所の人たちの取り組みについてまとめる。
導入の工夫
同じ位置で撮られた現在と過去の2枚の写真の順序を問い、比較することで、あえて古いまちなみにつくり直したことを考え、学習問題をつくるようにします。
第1時
埼玉県の特色ある地域の位置や名称を調べます。
第2時
2枚の写真を比べて、どちらが古い写真でしょうか?
①は車が走っているわ。電線もあるわね。
②のほうは、人力車が走っているし、建物もさらに昔っぽいね。
どちらが、昔なのかな。
実は、①の写真が今から40年ほど前の写真です。
昔は、看板があったけれど、今はないね。
①と②の間に、何かあったに違いない。
今のほうが蔵や人力車もあって、タイムスリップしている感じだね。
どのようにして、この蔵づくりのまちなみをつくったのかな。
問題をつくる(2/8時間)
イラスト/横井智美、佐藤雅枝
『教育技術 小三小四』2021年1月号より