【相談募集中】通級の教諭によって教室が混乱してしまいます
教室支援に来る通級担当の教諭が独自の判断で指導するので、かえって混乱してしまうと「みん教相談室」に相談が寄せられました。この悩みに教育アドバイザー・多賀一郎先生は、人間関係を円滑に保ちながら状況も改善する打開策を教えてくださいました。
目次
Q.通級の先生が支援に来ると、独自の判断で指導してしまいます
私立の学校で小学2年生の担任をしています。通級に通っている子が2名、ほかにも問題行動のある子たちがいます。通級の先生の専門性が疑われます。
本やネットからとった指導をし、実態に目を向けない。教室支援に来ると頼んでいない子に指導するが教材研究もしていないためか、自分の使用する言葉を使って教えるため児童が混乱してしまう。こんな毎日がとてもストレスになります。
(マンゴー先生・60代女性)
A.お願いモードで、こちらが望む形に誘導しましょう
これは、毎日がストレスになりますよね。イラつくことと思います。
「こんな支援者なら、いらない。」
と叫びたいところでしょう。
しかし、あなたのその思いも相手に伝わっていって、さらに関係が悪化するかも知れません。そうなったら、イライラどころか、教室に反目する二人の教師が入っているという異様な状態になりかねません。
難しいことではありますが、少し譲歩して、通級の先生のすることを認めてみるのはどうでしょうか。
あなたから見れば、足りないところだらけだと思います。でも、クラスの子どもたちのために、少しでも良い環境になるように考えていきませんか?
「ネットからとった指導をし、実態に目を向けない」のは、困ったものですが、少なくとも、ネットから学ぼうとしているのだと考えて、一言
「ありがとう」
と、言ってはどうでしょうか。
頼んでない子どもを指導することは、はっきり言って迷惑ですよね。でも、それだけやる気があるととらえてみるのはどうでしょうか。
「ありがとう、でも、こっちの子どもをお願いします。」
と、言ってはどうでしょうか。
精神的に難しいことだとお考えなら、具体的な方策も考えましょう。
通級の子どもと行動に注意しなければならない子どもをピックアップして、記録カードのようなものを作るのです。これは、公の記録とは別です。
そして、それをその先生に確認してもらい、一緒に記録していきましょうと伝えます。時間を見つけてその子たちについて二人で記録してもいいですし、相手に書いてもらってそれについて話し合うとかでもよいでしょう。
そうやって、できるだけその先生が「その子たち」だけに集中するように持っていくのです。できれば、子どもの話をしているときに、
「次はこうしてください。」
と、こちらからお願いするのです。他の子どもたちに手を出させないように、するのです。
「自分の使用する言葉を使って教える」のも、困ったものです。それについては、やはり、子どもについて話し合う時間に、こちらから
「こう、話してくださいね。」
と、教えてしまえばいいのです。
いずれにしても、その先生の問題行動を指摘していたのでは、反発を生むだけになるかもしれないので、子どもについての話をする機会を作って、それを通じて、
「ちょっとこのことをお願いします。」
と、お願いモードで、こちらが望む形に持っていくようにしましょう。
多賀先生による回答はいかがでしたでしょうか。クラスを円滑に、そして先生同士の関係性にも影響が及ばない、“お願いモードの声かけ”を取り入れてみては。ほかにも、みん教相談室に届いた応援教諭との関わり方についての記事も併せてご覧ください。
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