保護者会は絵本でスタートして雰囲気よく〜保護者に刺さる絵本リスト〜

みなさんは保護者会で絵本を読んだことがありますか? 保護者会の始まりに、一冊の絵本を読むだけで、保護者との良い関係を作りやすい雰囲気ができるんです! 大阪府追手門学院小学校講師・多賀一郎先生に、教えていただきました。

目次
質の高い保護者会にするために
僕は「親塾」というものをしています。保護者のみなさんに、さまざまな教育の話をして、子育ての支援につなげています。比較的意識の高いおうちの方が多いのですが、その会に来られた方がときどき保護者会のことを話されます。
「行事予定を書いてある通りに読んでいくだけなのよね。行くだけの意味がないわ」
と言うようなことが話題に上がります。ただでさえ保護者会にはなかなか人が集まりません。こんなつまらないことをしていたら、保護者はますます来なくなってしまうでしょう。
特に最初の保護者会。先生も保護者も緊張しています。そんな時に一冊の絵本を読むと空気が変わります。
『おこだでませんように』

作/くすのきしげのり 絵/石井聖岳
小学館 1500円+税
一年生の乱暴者だと言われる子どもの心の動きを描いたお話です。
本人は一生懸命にしているのに、大人はそれを受け止めてはくれません。言われたことを守ろうとしているのに、大人には認めてもらえず、
「おこられてばっかりや」
そんな思いを七夕の短冊に書くのです。それが「おこだでませんように」なのです。
教師も保護者もこの絵本の子どもの叫びに、はっとさせられます。同じようなことを子どもに対してしてしまっていることに、気づかされるからです。
保護者会で読むと、お母さん方はたくさん涙を浮かべられます。
その後で、子どもの思いを受け止める話や、子どもにかける言葉についての話をすると、先生の言葉はおうちの方に伝わりやすくなります。
これこそ、あたためるということですね。