11月の荒れ防止! 一つの工夫で明るいクラスに
6月と同じく、11月も学期の中だるみの時期です。大きな行事も重なると子供たちが落ち着かなくなり、喧嘩や怪我が増え、クラスの雰囲気が悪くなってしまいがちです。そんな11月の荒れ防止のために、役立つ工夫を紹介します。
執筆/東京都公立小学校教諭・谷平真佑子
目次
やり方にひと工夫加える
学校に毎日通い、ただ学習して友達と生活することのくり返しだけであれば、子供たちも飽きてしまったり、中だるみの要因になってしまったりします。
ここで押さえたいポイントが、ほめることと新鮮さです。「ほめる」ことは容易に想像ができると思います。しかし、教師側がただ個別にほめたり、全体でほめたりするのではなく、ひと工夫することでより効果が上がります。
「新鮮さ」とは、全く新しいことをやるという意味ではなく、やることは同じでも、そのやり方や方法にひと工夫を加え、新鮮さを感じさせるということです。例えば、クラスで何か目標をつくると、士気を高め直すことにもつながります。
下の写真は、みんなのよいところを付せんで貼った「りんごの木」という取り組みです。
子供たちが友達のよいところを見付け、りんご型の付せんに書いていきます。声かけはしますが、強制ではなかったので、友達のよいところを見付けた人が書いてりんごの木に貼っていくことにしていました。りんごがいっぱいになったら付せんを画用紙に貼り替え、いつでも今まで貼られた付箋をまとめて見られるようにします。
このようにすると、友達同士でよいところを探し合おうという気持ちにもなりますし、「こんな一面もあるのだ」という友達への新たな発見や会話のきっかけにもなります。
子供の関係性に注目する
個別にほめたり、みんなの前でほめたりするだけではなく、よいところを友達同士で見付け合って掲示するなど、ほめ方一つにもいろいろな方法があります。
お互いによいところを認め合いながら明るい雰囲気づくりを目指し、11月の荒れ防止に努めていきましょう。
また、子供たちの関係性に気を配り、しっかりと見ていきたいところです。普段からもそうですが、荒れやすい11月は特に注意して子供たちを見とるようにしましょう。休み時間の過ごし方や友達関係など、小さな変化を見付けることで、事が大きくなっていくことを防ぐことができます。
『教育技術 小三小四』2020年11月号より