イワオジ先生、教師力を見せつける!【4年3組学級経営物語18】

12月①に「今年のしめくくり」にレッツ・トライだ!
文/濱川昌人(よりよい学級経営を考える大阪教師の会)
絵/伊原シゲカツ
4年3組担任の新任教師・渡来勉先生……通称「トライだ先生」の学級経営ストーリー。活動過程をしっかりふり返り、客観的に評価して改善する。その取り組みが、輝く未来につながる。さあ、よりよい明日を目指して「今年のしめくくり」にレッツ・トライだ!
目次
<登場人物>

主人公。教職1年目。教師になる熱意に燃えて、西華小学校に赴任。 やる気とパワーは人一倍あるものの、時には突っ走り過ぎるのが玉にキズ。しばしば飛び出す口癖から「トライだ先生」と 呼ばれるようになる。4年3組担任。

教職20 年の経験豊富な学年主任。4年1組担任。一見いかついが、 温かく見守りながら的確なアドバイスをしてくれ、 頼れる存在。ジャグリングなど意外な特技も。

教職3年目。4年2組担任。新採のトライだ先生を励ましつつも一 歩リード。きまじめな性格で、ドライな印象を与えてしまうことも。音楽好きでピアノが得意。

大和川くん(大和川強/やまとがわつよし)
西華小学校にボランティアで手伝いにきている教育学部生。小学生時代、イワオジのクラスで、イワオジに憧れて教師をめざす。ルックスがイワオジに似ていることから、クラスメートから「小イワオジ」と呼ばれていた。
イワオジのいない「チーム4年」

「えーっ、イワオジ休みなの」
「先生、かわいそう…」
師走の朝、1組では風邪でダウンした大河内巌先生を心配する声が続いています。説明に来た渡来勉先生が、ドンと胸を叩き励まします。
「今日は先生がフォローする。心配ご無用だ!」
しっかり者のカオリが、キッパリ答えます。「私たちは大丈夫ですよ!」
「みんなで協力するから!」続くタケシの発言に、全員が大きく頷きます。
「予定を伝えてください!」ケンタの一言で、全体が学習モードに切り替わりました。
『えっ…、でも凄いなぁ』。感心する渡来先生。
「では、1時間目は国語のプリント学習。2時間目は葵先生の音楽。3時間目は作文。題名は『今年をしめくくろう!』か。へぇ、難しそうだなぁ」。主任からの連絡を板書しながらつぶやく渡来先生に、「大丈夫!」「みんなで教えあうよ!」と口々に答える子どもたち。
傍の学生ボランティア、大和川強くんが熱い口調で囁きます。「担任がいない時に学級経営の真価は判る、とイワオジに教わりました。ホント凄いですね!」
今月からボランティアを始めた、教育大学の熱血三回生。大河内先生の教え子の押しかけ弟子は、教室全体を見回し満足そうに頷きました。