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夏休みに強化しよう!「教師の英語力」をつける3つの近道

2019/6/18

英語の授業を想像する先生

漠然と勉強しても効果は見えづらいですが、例えば発音に絞って毎日練習すれば、短期間でもかなり上達したと感じられます。授業で求められている英語のレベルをつかみ、夏休みを利用して、英語力を磨いてみましょう。

執筆/神奈川県横須賀市立公立小学校教諭 長沼久美子

ピンポイントの対策で不安を取り除こう

英語の授業に関するアンケート調査を実施したことがあります。英会話ができない自分に教える事ができるのか、不安に思う声が聞こえてきました。そして多くの先生が、英語の発音に自信がもてず、そこがネックになっていることが分かりました。

これから始まる小学校英語は、「話す」「聞く」が中心。英会話ができなければいけない、きれいに発音しなければならない等、思ってしまいがちです。しかし、授業で使うフレーズは限られており、実際は、簡単な英語しか使いません。それをしっかりと理解して、ピンポイントで対策をすれば、不安を取り除くことが可能です。

今回は、夏休みを使って授業で生かせる英語力を伸ばすために、3つのポイントを紹介します。

  1. 中一・中二の英語を振り返る。
  2. それっぽい発音を身に付ける。
  3. クラスルームイングリッシュをチェックする。

「9月からの英語の授業、ちょっと楽しみ」そんなことをイメージしながら、取り組んでみてください。

1 中一・中二の学習を振り返る

小学生に聞かせる内容として、難しい英語はふさわしくありません。では、どのようなレベルならよいのでしょうか。実際には、中学1年から2年程度と言われています。

CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)という、語学レベルを客観的に測る枠組みがあります。低い方から、A1、A2、B1、B2、C1、C2の6つのレベルに分けられており、近年は日本でも、語学レベルを測る指標として使われています。中学卒業程度でA1上位レベル(英検3級程度)、高校卒業程度では、A1上位レベルからA2下位レベル(英検準2級程度)に到達している割合が多いとされています。

CFER
CFERのレベル図

小学校英語は、一番難しい六年生の内容でも、A1の下位レベル程度(英検5級程度)。このように考えると、私たちが昔習った中一、中二程度の英語の簡単なフレーズや文章を使って授業を進めることができます。

中一中二レベルを思い出すために、本やでドリルを買ってきて取り組む方法があります。不安に思うほど難しくないことが分かります。また、NHKのラジオ番組(基礎英語)を聞いたり、子ども向け英語番組を視聴したりすることは、おすすめです。

先生と子どもが英語で会話している様子

2 それっぽい発音を身に付ける

英語には日本語に存在しない音がたくさんあることをご存じでしょうか。日本で生まれて日本語に囲まれて生活している私たちには、聞き取れない音が使われています。聞き取れない音は、発音で意識できません。そのため、日本人が英語を話すと、どことなくたどたどしくなってしまうのです。

しかし最近の研究では、誰でも、何歳からでも、聞き取れない音を聞くことができるようになると言われています。言い換えるならば、発音できない音を発音できるようになるのです。

発音にはきまりがあります。それを知れば、それっぽい発音を身に付けることができます。具体的には、口の形、歯の位置、舌の位置、息の量、のどの振動などです。それぞれの働きを理解して、それが実際にできれば、きれいな音になります。

「apple」の「a」の発音のしかたは、にっこり笑うように口を横に開け、あごを下げて、口の前の方で「エ」の直後に「ア」と発音する。
<a>の発音のコツ

まずは、AからZのアブクド読み(単語の中で読むようなアルファベットの文字の読み方)を練習してみましょう。Aのことを「エイ」と言いますが、それは名称であり、Aの音ではありません。AからZの音を並べたアブクド読みを練習するだけで、発音に対する苦手意識を少し減らすことができます。

アブクド読みは、チャンツを利用する方法もあります。「A says『a』『a』 apple」などのチャンツを聞いたことはありますか? 『a』『a』の部分の音がAの音です。様々な学習教材で紹介されているチャンツなので、ぜひ、練習してみてください。私は、松香洋子先生が提唱されている『フォニックスチャンツ』(mpi)というCDつきブックを使って練習しました。

また、生活の中に英語の聞き取りの機会や声に出す機会をつくることも練習になります。

例えば、自分の好きな洋楽を「聴いて」「歌う」ことは、楽しく発音を身に付ける近道です。王道ならビートルズやカーペンターズもよいですし、ディズニーの映画音楽をクラスの子供たちと一緒に聞くのもよいですね。

ポイントは、まずは歌詞カードを見ずに何度も聞くことです。何度聞いてもわからない部分をなんとか聞き取っていくことを楽しみましょう。文法的に考えれば絶対に入っているはずの前置詞が聞こえてこない……ということにも、だんだん慣れて納得できるようになってきます。声に出せるようになったら、どんどん一緒に歌っていきましょう。リトル・マーメイドの『アンダー・ザ・シー』などは、速い曲ですが韻を踏んでいて楽しく歌うことができますよ。

その他、NHK-Eテレの英語番組「えいごであそぼwith Orton」などを録画して毎日観ることもお勧めします。

3 クラスルーム・イングリッシュをチェックする。

授業中の教師の指示に当たる英語表現をクラスルーム・イングリッシュと呼びます。

例えば、Stand up.(立って)、Sit down.(座って)、Pass your paper to the front.(プリントを前に渡す)、Make groups of three.(3人組をつくって)、Time’s up.(おしまい)です。授業の度に使う表現なので、一度それっぽく発音できるように身に付けてしまえば、かなり英語の授業に対する自信につながります。

これらは、文科省から各校に届いている研修ガイドブックで「教室で使う英語」として扱われています。夏休みに一度チェックしてみましょう。

英語の授業は、全部が英語でなければいけないわけではありません。少しずつ、自信を持って発音できる英語を増やしていけばよいのです。

この夏休み、ちょっとした時間を使って、中一・中二の内容を復習してみたり、英語の発音の仕組みを調べてみたりしながら、英語の授業力向上に向けた準備、がんばってください。

教室で使う英語例
最初は誰ですか
Who's first?
Who will go first?
やりたい人はいますか
Any volunteers?
あなたの番です
It's your turn.
You're next.
答えがわかった人はいますか
Who knows the answer?
質問はありますか
Do you have any questions?

イラスト/本山浩子

『小五教育技術』2018年7/8月号より

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