気持ちのよいあいさつについて考えよう
「子供たちのあいさつが少ない…」そんなことを悩むことはありませんか? そんなときは学活の時間を使い、授業で指導していくこともできます。
執筆/東京都公立小学校主任教諭・佐藤あすか
目次
学級活動(2)で指導する内容とは?
学級活動(2)「日常生活や学習への適応と自己の成長及び健康安全」では、学活の時間を使って、次のような内容を指導することになっています。
ア 基本的な生活習慣の形成
イ よりよい人間関係の形成
ウ 心身ともに健康で安全な生活態度の形成
エ 食育の観点を踏まえた学校給食と望ましい食習慣の形成
今回は、「ア 基本的な生活習慣の形成」の中の「あいさつ」について、具体的な指導例を紹介します。
授業までに行う準備
授業の前日までに子供たちから「あいさつ」について、簡単なアンケートをとっておきます。
アンケートの例
- 学校ですれ違う先生たちに、自分はあいさつできていると思いますか?
- 主事さんや事務の方に、自分はあいさつできていると思いますか?
それぞれ「できている」「だいたいできている」「できていない」のどれかに丸をさせる。
アンケート結果は、円グラフなどにしておくと、視覚的に分かりやすいでしょう。
授業の流れ
①本時の課題を「つかむ」
事前のアンケート結果から、自分たちは「あいさつをできている」と思っているけれど、実はできていないことを知ります。
②問題の原因を「さぐる」
「どうしてあいさつできないのか」を、みんなで考えていきます。出された意見は板書します。「自分はあいさつできる」という子にも参考として意見を聞きます。
③解決方法を「見つける」
②の「さぐる」で見えた課題について、どうしたら解決していけるのかを、班で話し合います。班ごとに油性ペンと短冊を渡しておき、解決案を短冊に書きます。短冊は黒板に貼り、みんなで共有し、たくさんの意見を知ることができるようにします。
④自分自身の目標を「決める」
③の「見つける」で見えた解決策をヒントに、今後、自分はどんなふうに「あいさつ」についてがんばっていきたいか、自分のめあてを決めます。
授業後の子供たち
授業を終えても、劇的に「すごくあいさつができるようになった!」とはならないでしょう。しかし今まで素通りしてしまっていた主事さんや栄養士さんなどにもあいさつをするなど、子供たちは少しずつ変わっていきます。そんなときこそほめてあげ、あいさつへの意欲を高めていきたいですね。
このようなカードを作るのもおすすめです。授業後の1週間程度、あいさつについて意識できているか、ふり返りができるような欄を作るのもよいですね。
授業の板書例
イラスト/山本郁子
『教育技術 小三小四』2020年10月号より