気持ちのよいあいさつを習慣付ける指導ポイント
学校生活のなかで、子供たちは気持ちのよいあいさつをしているでしょうか。日々のあいさつのしかたを子供たちと一緒にふり返り、気持ちのよいあいさつができるように習慣付けていきましょう。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・山本恭兵
目次
教師が率先して手本を見せる
あいさつには、相手とのコミュニケーションの入り口であると同時に、相手を尊重するという意味があります。相手にあいさつをし、相手のあいさつを受け入れるということは、すなわち「あなたを大切にしますよ」というメッセージなのです。あいさつの意味を理解する機会をもつことで、子供のあいさつへの姿勢も変わってくるでしょう。
そのうえで、教師が率先して子供たちに元気にあいさつをしましょう。低学年の子供にとって、教師は真似したくなるモデルになります。手本となる姿を示していきましょう。
入り口で元気にあいさつ
あいさつを習慣付けるには、決まった場面であいさつをするようにすることが必要です。朝登校したときに、入り口で元気にあいさつをしてから教室に入るようにしましょう。みんなで続けることで、「入り口で元気にあいさつ」という習慣が付き、あいさつへの抵抗が薄れます。
その次は、身近な友達とのあいさつが自然にできるようにしていきましょう。隣の席や同じ班の友達と、気持ちよくあいさつができるように呼びかけます。
学級内の友達と自然にあいさつできていれば、それ以外の保護者や地域の人ともあいさつができるようになっていきます。
日ごろから子供に声をかけるだけでなく、「○○さんのあいさつは目を見てくれて、とても気持ちがいいね」と具体的にほめたり、「○○先生が気持ちのいいあいさつで喜んでいたよ」と第三者の声を紹介したりして、あいさつが上手にできる子供を認めていくことも有効です。子供たちの日常のよい姿をどんどん認めて、あいさつに対して前向きになるようにしていきましょう。
楽しみながらポイントを意識できるように
あいさつの習慣が身に付いてきたところで、あいさつをする際にどんなポイントを意識すればよいか、子供が考えられるようにしましょう。
例えば「あいさつの花」として、「あいての目を見て」「いりぐちで」「さきに」「つづけて」のように、あいさつのポイントを覚えやすく模造紙で掲示し、できたらシールを貼っていくようにします。シールが増えていくと、だんだん大きな花ができてくるので、子供たちは意欲をもってあいさつに取り組むことができます。それと同時に、大切にしたいポイントを自分から意識することができます。
教師がただ言い聞かせるのではなく、楽しみながら続けていき、習慣化できるようにしていきましょう。
イラスト/佐藤雅枝
『教育技術 小一小二』2020年10月号より