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4年3組学級経営物語(12)

2019/9/6

学級経営物語タイトル

9月①「充実の二学期」にレッツ・トライだ!

文/濱川昌人(よりよい学級経営を考える大阪教師の会)
絵/伊原シゲカツ

4年3組担任の新任教師・渡来勉先生……通称「トライだ先生」の学級経営ストーリー。ダレている子、心が疲れた子、自信のない子…、先生はだれ一人見過ごさない。元気を出して、みんなでよりよい学級をつくっていこう! 少しだけパワーアップした新任教師、渡来勉先生が、愛と情熱で「充実の二学期」にレッツトライだ!

<登場人物>

トライ先生
トライだ先生(渡来勉/わたらいつとむ)
主人公。教職1年目。教師になる熱意に燃えて、西華小学校に赴任。 やる気とパワーは人一倍あるものの、時には突っ走り過ぎるのが玉にキズ。しばしば飛び出す口癖から「トライだ先生」と 呼ばれるようになる。4年3組担任。
イワオジ
イワオジ先生(大河内巌/おおこうちいわお)
教職20 年の経験豊富な学年主任。4年1組担任。一見いかついが、 温かく見守りながら的確なアドバイスをしてくれ、 頼れる存在。ジャグリングなど意外な特技も。
ゆめ先生
ゆめ先生(葵ゆめ/あおいゆめ)
教職3年目。4年2組担任。新採のトライだ先生を励ましつつも一 歩リード。きまじめな性格で、ドライな印象を与えてしまうことも。音楽好きでピアノが得意。

目標を決めよう!

「先生は、みんなの成長をもっと支援できる教師をめざす! 個人の努力も、学級全体での頑張りも全力で支える。みんなも…」

窓の外には大きな入道雲、久しぶりの教室。

熱く語る渡来勉先生が、子どもたちに学級目標を指し示します。 *ポイント1

「『レッツ トライだ 4年3組!』を実現するため、まず自分が頑張ることを決めよう。そして、学級全体で頑張ることもしっかり話し合おう!」

*ポイント1

♢学級目標に関すること

学級目標を立てること、掲示物をつくることで、子どもたちは満足しているのかもしれません。もっと意識できるようにするには…

・ 学級目標を立てたときの思いや願いを振り返り、もう一度みんなで考える場をもちましょう。

・学級目標に近づくために、歌をつくったり、係の仕事の見直しをしたり、みんなで一緒にできるようなゲームをしたりしましょう。

・ 学級通信などを活用し、保護者とともに子どもたちの成長を見守ることも大切です。

頷く日焼けした顔。

その中に空席が2つ…。リュウとマリの席です。

じっと見つめる先生。

その時、ドアが静かに開きました。遅刻したマリが、不機嫌そうに教室に入ってきたのです。

さあ、二学期にトライだ!

「マリちゃん、初日から遅刻ね。…大丈夫?」

「リュウが欠席したんだってな…」

放課後の職員室、大河内巌先生と葵ゆめ先生が連続で質問。

ドンと胸を叩き、少しだけ咳込む渡来先生。

「各々指導を続けています、お任せください!」

「頑張れよ! 個別指導は、集団育成の基盤だ」

熱意溢れる渡来先生を見て、嬉しそうな主任。

「はい! 夏のぶらり旅で学びました。戦国時代の名将の人材育成法を。人は城、人は石垣…」

「でも…」

葵先生が、発言を遮ります。

「二学期は大変よ。とくに去年は…」

心配そうな主任の様子に、慌てて元気を元気を出す葵先生。

「今年は大丈夫です! 学級づくり頑張っていますから!」

個別指導(その1) ~マリの場合~

両親ともに仕事優先の家庭、孤独な夏休みを過ごすマリ。生活時間はメチャクチャです。

夏休み後半、渡来先生はマリに電話しました。

「…で、なんでトライだが電話してくんのよ!」

電話の向こうのマリの渋面が、伝わります。

「マリ、先生のこと信頼してくれてるかい?」

「はぁ…、いきなり何よ!」

長い沈黙の後、「ウン」と短い返答。

「遠足の時、面倒くさいキャラの私を本気で心配してくれて嬉しかったよ」

その言葉に、単刀直入に切り返す渡来先生。

「…じゃあ聞いてくれ。先生は、マリの生物時計を修理したい。だから特別な指導を行うことにした」

「…え?」

混乱するマリに、続けて話します。

「これから毎朝、毎晩、先生が家に電話をかける。マリが、規則正しく生活できるようになるまで…。大丈夫、ご両親の了解はもらっている」

生活改善を目指した、マリとのホットラインの開始です。でも、なかなか進展はありません。

受話器を持ったまま眠るマリ。鳴っても気付かぬマリ…。ただ、電話を無視したり拒否したりは、一度もありません。

マリとの毎日の会話が、心の絆を少しずつ太くしていきました。

(9月②につづく)

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『小四教育技術』2017年8月号増刊より

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