小5らくらくUnit 7「Welcome to Japan.」⑤⑥【モトヨシ先生のスライドde外国語】
パワーポイント教材を映すだけで授業を進められる「モトヨシ先生のスライドde外国語」。今回は、NEW HORIZON Elementary English Course 5 Unit 7「Welcome to Japan. ~日本の四季ポストカードを紹介しよう」第5、6時(学習した表現を使って、日本の行事のことをALTに伝えよう!)の授業案です。本好利彰先生が作成したパワーポイント(スライド)教材1つで、外国語の授業をらくらくクオリティアップ!
執筆/福島県公立小学校教諭・本好利彰
授業提案/福島県公立小学校教諭・木田智子・佐藤有美・本好利彰
監修/拓殖大学教授・居村啓子
目次
スライドは学級の実態に合わせて修正して使いましょう
小学5年生の「NEW HORIZON Elementary English Course 5」のUnit 7「Welcome to Japan. ~日本の四季ポストカードを紹介しよう」全8時の5、6時目の授業の流れです。本時も、私が作成したパワーポイント(スライド)を使った授業を紹介します。学級の実態に合わせて修正し、活用してください。
パワーポイント(スライド)を使った授業の進め方
この記事の最後で、パワーポイントのファイルをダウンロードできるようになっています。必要な教師の発話やイラスト、音源などを挿入してあり、この資料を使うことで1時間の授業を行うことができるように作成してあります。このスライドを活用して、クリックしながら授業を進めてみてください。
- クリックでスライドを進めるだけで、スムーズに授業を行えます。
- デジタル教科書を使用する場合は、パワーポイントから切り替えてください。
目標と授業の流れ
○単元のゴール
留学生に「〇〇市のすてき」を紹介しよう。
○本時の目標
学習した表現を使って、日本の行事のことをALTに伝えよう!
【聞くこと】
●知識・技能
〈知識〉
・What do you like ~? We have ~. I usually ~. You can ~. およびその関連語句などについて理解している。
〈技能〉
・日本の四季や文化などについて、聞き取る技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
・相手のことをよく知るために、日本の四季や文化などについて、短い話の概要を捉えている。
●主体的に学習に取り組む態度
・相手のことをよく知るために、日本の四季や文化などについて、短い話の概要を捉えようとしている。
・外国語の背景にある文化に対する理解を深めるために、日本在住の外国出身の人について、短い話の概要を捉えようとしている。
【読むこと】
●知識・技能
〈知識〉
・アルファベットの活字体の大文字・小文字について理解している。
〈技能〉
・アルファベットの活字体の大文字・小文字を識別したり、その名前を発音したりする技能を身に付けている。
【話すこと】やりとり・発表
●知識・技能
〈知識〉
・What do you like ~? We have ~. I usually ~. You can ~. およびその関連語句などについて理解している。
〈技能〉
・日本の四季や文化などについてWhat do you like ~? We have ~. I usually ~. You can~. およびその関連語句などを用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合う技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
・自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、日本の四季や文化などについて、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合っている(話している)。
●主体的に学習に取り組む態度
・自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、日本の四季や文化などについて、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを話そうとしている。
・外国語の背景にある文化に対する理解を深めるために、日本文化について、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合おうとしている。
【書くこと】
●知識・技能
〈知識〉
・アルファベットの活字体の大文字・小文字について理解している。
〈技能〉
・アルファベットの活字体の大文字・小文字を書く技能を身に付けている。
○言語材料
(表現)Why do you like ~? We have ~ in 〜. What do you do on ~? I usually ~. You can ~. It’ s ~.
(語彙)季節(springなど)、形(circleなど)、遊び(campingなど)、年中行事(birthdayなど)
本時の流れ(例)
- 挨拶
- Small Talk
- 単元のゴール、本時のめあての確認
- 5ヒントクイズ
- 日本の行事を英語でALTに伝えよう。
- デジタル教科書 Let’s Listen ②
- デジタル教科書 Sounds and Letters グループ分け②③
- ふり返り
各活動の流れ
①挨拶
元気に明るく挨拶をして、授業をスタートしましょう。
②Small Talk
3時目に季節を話題にして Small Talk を行い、4時目は「好きな食べ物」を話題にして Small Talk を行いました。
4時目は、なぜ「おはぎ」が好きなのか、Why? の問いに対して、It’s sweet. などの好きな理由を児童同士でやり取りしました。本時では季節が好きな理由を、同じように Why? の問いに対して It’s ~. の形で答えます。
これまでの3、4時目の Small Talk でスモールステップを踏んでいるので、児童の大きな負担とはならずに学習を進めることができると思います。また、It’s ~. の形は本時の学習のゴール、単元のゴールにおいても児童が表現するので、Small Talk でも発話できるように意図的に取り入れてあります。
まずは、教師の自己開示を含めて、ALTと本時のやり取りのデモンストレーションを行いましょう。デモンストレーションを行ったら、児童に「どんな話をしていたかな?」と問うてみてもよいでしょう。
③単元のゴール、本時のめあての確認
単元のゴール「留学生に○○市のすてきを紹介しよう」と、本時のめあてを確認しましょう。単元のゴールに向けて、本時ではALTに日本の行事のことを伝えることを確認しましょう。再度1時目に見せた留学生からのメッセージを視聴させて、ゴールへの意識を高めてもよいと思います。
④5ヒントクイズ
教師やALTがある行事についてのヒントとなる英文を5文伝えます。それらのヒントを参考にして、児童が答えを考えます。学習形態は個人・ペア・グループで行えます。実態に合わせて判断しましょう。
例えば、行事の「ハロウィーン」が答えとなる出題をするとします。ヒントは次のようにします。
We have this event in fall.
It’s in October.
It’s fun.
You can get snacks.
You can enjoy costumes.
教師(ALT)は、ゆっくり繰り返しながらヒントを出していきましょう。
ポイントは、1文のヒントを2回ずつ伝えることです。スライドを使って文字も提示しますが、1回目は音声のみでゆっくりと、2回目はスライドを提示してゆっくりと伝えるとよいと思います。これはまずは英語を音でしっかり聞いてほしいこと、そして2回目では文字にも慣れ親しむことを目的としています。実態によっては、文字を提示する前や文字の入ったスライドにイラストを付け加えるなどして、3段階の提示にすることもできます。
ここで扱う5ヒントクイズの行事は、次の⑤の学習で扱わない行事にするとよいでしょう。スライドにはハロウィーンとクリスマスを入れてあるので、活用してください。
この活動は、次のメインの活動につなげるために行うものです。児童は、どんな英語の表現を使えばよいのか、これまでの学習を復習することにもつながります。
⑤日本の行事を英語でALTに伝えよう
単元のゴール「留学生に○○市のすてきを紹介しよう」に向けて、本時ではALTに日本の行事を伝えることを学習のめあてとしています。ALTのちょっとした「演技力」も必要になるので、事前にTTの打合せをしっかり行っておきましょう。
日本語の行事・イベントの名称のカード(データはダウンロードできます。A4に印刷してラミネートしておくとよいですね)をたくさん黒板に貼っておきます。以下の写真を参考にしてください。
教師はALTに、まず、黒板に貼ってある行事やイベントをすべて知っているか尋ねます。ALTは、カタカナの行事やイベントなどは読んで理解できるような演技をします。しかし、「花見」のような漢字で書かれている行事やイベントの場合は、全部は読めないから、行事がどんなものなのかが分からないというような演技をしてもらいます。そして児童に「この行事(イベント)は何? 教えて!」と問いかけます。ここに、児童が英語を使ってALTに伝える「必然性」が生まれます。
これは、外国語の指導で大切とされている「場面設定」です。児童は、いつも英語を教えてくれるALTに、これまで学習してきたことをフル活用してなんとか伝えようとします。自分たちが考えた英語が「伝わった!」と感じたときに、児童は自己の成長をふり返ることができると思います。
上記の流れを英語で進めるには、以下のように行ってみてはいかがでしょうか。
黒板に、行事のカードを春夏秋冬の順で貼っておきます。
We have many events and festivals in Japan. Do you know all of those events and festivals?(黒板に貼ってある行事を指さしながらALTに聞きます)
I know this one. This one says “ハロウィーン”. Halloween!
That’s right.
But, I don’t know this one.(「花見」を指さして)
I know the first kanji. This means “flower”, right? And this says “ハナ”.
ALTが一生懸命に漢字を読もうとする姿に、児童たちはうなずきながら聞こうとすると思います。ここでは、「日本語があまり話せないALT」というように設定しています。私は日頃からALTには「流暢に日本語が話せるとしても、なるべく児童とは英語で話してほしい」と伝えています(もしALTが日頃から児童と日本語でコミュニケーションをとっている場合は、漢字は苦手という場面設定にすると、うまくいくのではないでしょうか)。
But, the second one. I don’t know. What is this kanji?
み!
O.K. So, this is ハナミ? What is ハナミ? What kind of event is this?
ALTが花見について教えてほしいって言ってるね。どうやって伝えればいいかな。グループで考えてみましょう!
ここで児童に、「花見」がどのようなイベントなのかを英語でALTに伝えられるようにするにはどうするかをグループで思考させます。
私が行った授業では、ルールを1つ設定しました。すでに他のグループが出した表現は使えないというルールです。全てのグループが “We have this event in spring.” “We have this event in spring.”…………と同じ表現で伝えてしまったら、ALTには「春にあるイベント」という1つのヒントしか伝えることができません。グループが5つあるなら、5つの違う表現を児童から引き出したいところです。なので、ヒントの表現は先に発表したもの勝ちとしました。
グループでの話合いをスタートしたら、表現を考えたグループは挙手させ、まず教師だけでそのグループの考えた表現を聞きます。教師がOKと判断したら(他のグループから出ていない表現かどうか)、全体に「春のイベントっていう表現が出ました!」と大きな声で伝えます。ALTは日本語が分からない設定なので、大きな声で日本語で伝えてもOKです(笑)。そうすることで他のグループは、「春」を使った表現以外を考えなければならなくなります。また、挙手したグループは2個目の表現も考えてもらいます。
教師は、児童の考えた表現をメモしておき、各グループの発表時に意図的指名をしましょう。つまり5つの表現の発表順を教師は意図的に考えて決めます。花見であれば It’s in April. や We have this event in spring. などをはじめの方で発表させ、You can enjoy eating bento under the beautiful trees. のような表現を考えたグループは最後の方で発表してもらうようにすると、ALTが徐々に理解していく様子も伝えることができます。ALTは、各グループの発表を聞き終えたら、全部のグループの表現を再度言いながら、「『花見』が cherry blossom viewing であることが分かった!」という演技をします。そして児童にThank you!と伝えます。
ALTに伝える行事は、教師側で事前に決めておきましょう。私は、他には「花火大会」「大みそか」「七夕」などを入れておき、児童にどう伝えるかを考えさせました。
「花火大会」であれば、ALTにこう言ってもらうようにしました。
I know the first kanji, this means flower. And the second one is fire. So, flower fire festival? What festival is this?
「大みそか」であれば、わざとらしく “I know this kanji. This one means big! So, this is……ダイミソカ?” とALTに言ってもらいましょう。自分の授業では、児童の間に笑いが巻き起こりました。そこで教師が How do you read this? と児童に問うと、児童が “おおみそか” とすぐに答えてくれました。
このグループで学習する児童の様子を、自校化した評価規準の「話すこと」で評価しましょう。
⑥デジタル教科書 Let’s Listen ② (P68)
登場人物のさくらとエミリーが、日本の行事についてのクイズを出しています。そのヒントの英語を聞いて、児童が答えの行事名を書く活動です。
教科書の答えには4枚の写真が選択肢として載っています。私はこの問題を「聞くこと」の評価問題としたので、以下のようなワークシートを作成して答えを児童に書かせてから回収しました。同じように行う場合は、ワークシートをダウンロードして音声のみを児童に聞かせて行ってください。
⑦デジタル教科書 Sounds and Letters グループ分け②③(P91)
教科書に載っている Sounds and Letters の問題です。手の動かし方で、小文字の書き方を4つのグループに分けています。本時では r や n, m などの上下の動きが中心の文字「トランポリングループ」と l や t, f などの下へ向かう動きが中心の文字「かわら割りグループ」を扱います。教科書を開いてしまうとどんな文字か分かってしまうので、はじめは教科書を開かずに行います。まずはモニターにパワーポイントを提示します。
Look at the screen. Let’s do No.2 “トランポリングループ“.
Look at the first one with blue. It starts from here.(赤い点から空書きを行います)
What is this alphabet? Talk with your friends, please.(数秒考える時間を与えます)
What is the answer?
r!
That’s right. “r” is in the トランポリングループ.
How about this yellow one?
と言って次の問題へ進みます。
教科書を開かせて「トランポリングループ」の文字を見てなぞるよりも、児童に文字が何であるかを考えさせ、ペアで話し合ったり教師とやり取りしたりすることもできるので、ぜひ行ってみてください。残りの問題と次のかわら割りグループも同じように進めてみましょう。
⑧ふり返り
本時の学習をふり返り、全体で共有しましょう。
本時の学習は、児童のグループ活動によっては時間がかかるので、第5~6時の2時間で行うことも考えられます。実態に合わせて行ってください。
本時の学習を2時間に分ける場合は以下のようにすることもできます。
<5時目>
①挨拶
②Small Talk
③単元のゴール、本時のめあての確認
④5ヒントクイズ(ハロウィーン)
⑤日本の行事を英語でALTに伝えよう。(花見・花火大会)
⑥デジタル教科書 Sounds and Letters グループ分け②③
⑦ふり返り
<6時目>
①挨拶
②Small Talk
③単元のゴール、本時のめあての確認
④5ヒントクイズ(クリスマス)
⑤日本の行事を英語でALTに伝えよう(大みそか・七夕)
⑥デジタル教科書 Let’s Listen ②
⑦ふり返り
※パワーポイントでは、6時目のスライドが非表示になっています。適宜表示に変更して活用してください。
居村啓子(いむらけいこ)
拓殖大学外国語学部英米語学科教授。言語学博士。児童図書出版社、児童英語教育機関勤務、立教大学異文化コミュニケーション学部助教、上智大学言語教育研究センター嘱託講師を経て現職。2020年よりNHKラジオ「小学生の基礎英語」講師を務める。研究テーマは「子どもの第二言語習得」、「フレーゾロジー」。
本好利彰(もとよしとしあき)
福島県公立小学校教諭。福島県小学校・中学校・千葉県小学校教諭を歴任。また地区外国語教育推進リーダーを務める。2018年より拓殖大学外国語学部で「小学校英語教育入門」を担当。2021年東京書籍アドバイザー。 2023年より東京書籍の会員制教育情報サイト「東書Eネット」にて実践事例、指導技術などを連載中。
パワーポイント(スライド)ダウンロード
5年Unit7-3パワーポイント(65スライド)、ワークシート(2点)
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構成/浅原孝子 イラスト/畠山きょうこ・やひろきよみ・横井智美 アニメーション/鶴岡信治 歌・チャンツ/本田有紀子