保健の学習と関連させた 学級活動(2)「感染症の予防」のポイント
子供たちが健康で安全な生活を送れるよう、新型コロナウイルス感染防止指導の充実を図ることが求められています。学級活動(2)は年間指導計画に沿って、意図的、計画的で組織的な指導が大切です。体育主任や保健主事、養護教諭などと連携して学校全体で取り組んでいきましょう。
執筆/福岡県公立小学校教諭・那須孝之
目次
保健の学習との関連
第6学年の保健「病気の予防」では、上のような内容をもとに指導に当たります。「病気の予防」で学習する内容と、実践的な活動を通して自己の課題の解決を図る学級活動(2)の内容との関連を図り、効果的に指導に当たるようにしましょう。
事前の活動
アンケートの実施
- これまでに感染症にかかったことがありますか。それは、どんなものですか。
- 感染症を予防するために、日ごろから取り組んでいることはありますか。
などの質問に対して、記入させます。
本時
①つかむ(実態や現状を把握する)段階
まず、アンケート1の結果を提示し、多くの子供が感染症にかかった経験があることについて話し合わせます。その後、アンケート2の結果を提示し、予防するために日ごろから取り組んでいる子供が少ないことに気づかせます。そこから、どのようにすれば感染症を予防することができるのだろうかという問いを生み出させます。
感染症の予防について話し合い、自分に合った方法を決めよう。
①つかむ
これまでに感染症にかかったことがあるのに、日ごろから予防のために取り組んでいないのはどうしてか考えよう。
インフルエンザやかぜにかかってしまったことはあるけれど、日ごろから予防するために取り組んでいることはできていないな。
②さぐる(原因を追求する)段階
どのようなときに感染症にかかったことがあるのか原因を探っていきます。原因を明らかにして解決する必要性を感じさせるために、話し合わせましょう。
②さぐる
どんなときに感染症にかかってしまっているのだろう。
周りにかぜをひいている人がいたな。
手洗い、うがいをしっかりしていなかったなあ。
付箋紙を活用して原因を分類整理しながら、小グループで話し合う活動を取り入れましょう。感染症にかかった原因について、グループで共通理解を図ることができるようにします。
③見つける(解決方法を話し合う)段階
感染症を予防することができるように、事前に調査してきたことをもとに話し合わせます。
③見つける
感染症を予防するには、どんなことに気をつければいいのだろう。
手洗いは時間をかけてしっかりとするといいよ。
日ごろから、早寝早起きをしたり、しっかり食事をとったりするといいね。
話し合ったことを全体で交流して、黒板に整理します。その後、養護教諭に子供たちの考えた方法について価値づけをしてもらいます。
また、保健の学習との関連を図り、感染症を予防する方法について説明してもらいながら、出された考えをグループ分けしましょう。
感染症を予防するには、消毒や殺菌などで病原体の発生源をなくしたり、手洗いやマスクなどをして病原体が体の中に入ったりするのを防ぎます。また、運動や食事、睡眠をとるなどして体の抵抗力を高めることが必要です。
④決める(個人目標を意思決定する)段階
見つける段階で話し合ったことをもとに、自分に合った取り組みたいことを決めさせます。
その際に、どんな場面で、何を、どのように行うかなど、具体的な個人目標となるようにしましょう。
④決める
感染症を予防するために、自分が取り組むことを決めよう。
自分の原因は、何だったかな…。
外から帰ってきたときや食事の前などには、必ず時間をかけて手洗いをするようにしよう。
板書例
事後の活動
まず、1週間程度実践させ、ペアやグループで振り返りを行い、お互いの頑張りや成果を認め合わせます。
その後、継続して実践したり、新たな目標を意思決定したりするための助言を行いながら、子供の活動を価値づけていきます。
学級便りなどで活動の様子を紹介し、家庭との連携して、日常生活での意識化を図るようにしましょう。
イラスト/横井智美
『教育技術 小五小六』2020年9月号より