小3算数「あまりのあるわり算」指導アイデア(1/8時)
執筆/福岡県公立小学校教諭 ・前川恭平
編集委員/文部科学省教科調査官・笠井健一、福岡教育大学教授・清水紀宏
目次
本時のねらい
本時1/8時
問題場面を図で表す活動を通して、わり算には余りがある場合があることに気付き、余りのあるわり算の意味や表し方を理解することができる。
評価規準
余りのあるわり算について、図を用いて考え、立式することができる。(知識・技能)
問題
1:りんごが12こあります。1ふくろに3こずつ入れると、なんふくろできますか。
2:みかんが13こあります。1ふくろに3こずつ入れると、なんふくろできますか。
1の問題は、12÷3=4で、4袋です。
2の問題はできますか。
13÷3だと思うけど、計算できません。
なぜ計算できないのですか。
3の段のかけ算九九の答えに13がないからです。
それでは、13÷3をどのようにして計算したらよいか、考えていきましょう。
※本時は、みかんを○で表した図(丸図)で表して、余りのあるわり算の意味を考えさせていきます。今まで学習した余りのない除法(12÷3)と、余りのある除法(13÷3)を比較させることで、本時のねらいを明確にしましょう。
学習のねらい
丸図を使って、みかんのふくろが何ふくろできるか調べよう。
見通し
丸図を使って考えていきます。どのように書きますか。
みかんは13個だから、〇を13個かきます。それを3個ずつ囲んでいきます。
自立解決の様子
A つまずいている子
問題場面を図で表すことができない。また、3つずつ囲むことができていない。
B 素朴に解いている子
問題場面を図で表し、みかんの袋が4袋できることに気付いている。
C ねらい通り解いている子
問題場面を図で表し、みかんの袋が4袋でき、余りがあることに気付いている。
学び合いの計画
自力解決の後は、ペアで考えを交流していきます。各自の図を基に、この場面がどうなっているか確認していきます。
1の問題と2の問題の違いを視点として話し合わせて、2の場面で生じる余りに話合いを焦点化していきます。
ノート例
全体発表とそれぞれの考えの関連付け
全体で図と式の関連付けをしていきます。また、誤答を提示することで、余りの意味を確実に理解させていきましょう。
3個ずつ囲んでいくと、4袋できました。 そして、1個あまりました。

【誤答提示】
3個ずつ囲んでいくと、4袋できました。 そして、1個あまりました。

今まで学習してきたわり算と、2で考えたわり算との違いはなんでしょう。
2のわり算には、余りがあることです。
そうですね。ところで、先生は答えが5袋だと思うんだけど(誤答提示)、これでもよいでしょうか。
5袋はおかしいと思います。問題に「3こずつ入れる」と書いてあるので、1個だけしか入っていない袋は数えてはいけません。
そうですね。3個より少ないとき、袋に入れてはいけませんね。この1個を余りとして、2の場面を、13÷3=4あまり1 と表します。
※以下、余りのあるわり算の式や 「わり切れる」と「わり切れない」の意味について確認する。
学習のまとめ
わり算で、あまりが出るときがある。
評価問題
あめが14こあります。1ふくろに5こずつ入れると、なんふくろできますか。丸図をかいて考えて、式と答えを書きましょう。
本時の評価規準を達成した子供の具体の姿
- 丸図を使って場面を正しく表すことができている。
- 式を「14÷5=2あまり4」、答えを「 2ふくろできて、4こあまる」と正しく記述している。
感想
余りのあるわり算の計算のしかたについて知りたい。
イラスト/小沢ヨマ・横井智美
『教育技術 小三小四』2020年9月号より