情報爆発&お部屋作戦で究極自学できあがり!【動画】

連載
森センの「自学がグーンと上手になる大作戦」【動画】

関西学院初等部教諭

森川正樹

森センの「自学がグーンと上手になる大作戦」

自分が調べたことに、疑問を持ったり共感したり反発したり憧れたり……。そうやって調べてノートにまとめていくうちに思考力が付いていくのが自学! 好きなことを調べてまとめていくのは、すごく楽しい! え!? 究極の自学なんてできるのかって……!? いやいや、コツをつかめば誰でも…低学年の子どもでも作れます! 自学の達人「森セン」こと森川正樹先生が、究極の自学ノートを完成させるコツを伝授! 今回は、究極の自学に迫る2つのコツを紹介します。

動画の最後には、保護者の方・指導者向けのポイント解説もあります。学校や家庭で子どもたちといっしょに動画を見て、自学で学ぶ力を伸ばす場づくりをしていきましょう。

情報爆発作戦を実例で解説!

「自学が上手になる大作戦」シリーズ。第2回は、誰でも簡単にスゴイ自学を作ることができる「情報爆発作戦」「お部屋作戦」の二つを紹介します。

一つめは「情報爆発作戦」。

K賞の吉村直歩さんの「日本について」という作品を見てみましょう。

日本について

真ん中でめくれるようになっています。開いてみると、中はほぼすべて字で埋めつくされています!

日本について(見開き)

日本のあらゆること、例えば時代のことや文化の事、世界との違いなど、多くの情報で埋まっていますね。文字がたくさん詰まっている自学は、それだけでも「頑張ったな!」ということが伝わってきます!

そして、右ページ下のところには、感想欄がしっかりととってあります。 自分の考えたことや思ったことを書くことは、とても重要。調べてまとめるだけでもよいのですが、自分の感想を入れるのはさらによいと思います。


次はS賞・柏木蒼大さんの作品「新しい・過去の魚たちの大激戦が始まる!!」これも、情報、文字、調べたことで自学全体が埋まっています。

新しい・過去の魚たちの大激戦が始まる!!

何を書くか考えたり悩んだりしているより、もう、調べたことや考えたことを所狭しとガンガンと入れ込んでいく! これが「情報爆発作戦」です!

お部屋作戦を実例で解説!

二つめはお部屋作戦。記事を内容ごとに分けるという方法です。

でんぷんのひみつ

S賞・河村董さんの作品「でんぷんのひみつ、発見!!」。

各情報ごとに「お部屋」に区切って、タイトルをつけています(「お部屋」は、囲みの枠線のことです)。離れて見ても、お部屋に分けられているのがはっきり分かり、とても読みやすい自学になっています。


S賞の山本朱翼さんの作品「古墳について」。

こちらも、きれいにお部屋に分かれています。記事をお部屋に分けることにより、とても見やすくなっていますね。また、文字だけでなく、きれいなイラストを効果的に入れているため、よりわかりやすい自学になっています。

古墳について

「情報爆発作戦」「お部屋作戦」ポイントのまとめ

情報爆発作戦は、とにかく情報爆発させること。調べたことや考えたことをどんどん入れ込んでいくことが大切です。

お部屋作戦は、記事をお部屋のようにきれいに分けること。分けてまとめることで、とても読みやすくなります。

保護者の方・先生向けの指導のポイント

情報爆発作戦のポイントと指導の手立て

情報爆発作戦のポイント
・たくさんの情報をぎっちり詰め込む!
・余白を残さない!
指導の手立て・指導言
・「白いところは残しません」
・白いところを指さして確認!
・書くことがなければイラストや写真を!
・クイズを入れるのもGood!

子供たちに「白いところを残さない」と指導します。

「白いところはないかな? あったら指で押さえてごらん」と言って、白いところがあれば、そこを埋めるように教えてあげてください。文章を増やすことが難しい場合は、その部分にイラストを描いたり、クイズを入れたり、余白を残さないというアドバイスをします。

「情報爆発作戦」で、たくさんの情報を詰め込んで見た目がぎっしりしていることで、すごく頑張ったという満足感がもてるのもポイントです。

お部屋作戦のポイントと指導の手立て

お部屋作戦のポイント
・内容ごとに枠で囲む。
・読みやすい! 伝わりやすい!
指導の手立て・指導言
「お部屋を数えてごらん 」

こどもが自学を見せに持ってきた時に、「お部屋を数えてごらん」と言ってみましょう。はっきりと数えられない子には「次の自学は、お部屋で数えられるように書くといいね」と言ってあげるとよいでしょう。


自学は、一回一回で完結型の活動です。 書いたものを消して書き直したり、やり直させることをすると、子どもはやる気をなくしてしまいます。「次回は、お部屋を数えられるようになったらいいね」というようにして、こどもたちの意欲を引き出してあげられるような言葉がけが大切です。

この記事の内容を動画でご覧いただけます。子どもにもわかりやすい内容なので、ご家庭や学校で子どもたちに見せてあげてください。
森川正樹先生

森川正樹(もりかわまさき) 兵庫教育大学大学院言語系教育分野(国語)修了。教師塾「あまから」、読書会「月の道」を主宰。国語科の実践に力を注ぐ。令和2年版学校図書国語教科書編集委員。著者に『小学生の究極の自学ノート図鑑』(小学館)『熱中授業をつくる!子どもの思考をゆさぶる授業づくりの技術』(学陽書房)など。
森川正樹の”教師の笑顔向上”ブログ」で、日々の教育関連情報を発信中。

【シリーズ動画】森センの「自学がグーンと上手になる大作戦」のこれまでの回もチェックしましょう!
【第1回】自学”はじめの一歩”は「真ん中ドカーン作戦」でキマリ!

第2回「究極の自学ノートコンテスト」のお知らせ

今年も「めざせ、究極! 自学ノートコンテスト」を実施いたします。応募期間は、2021年9月16日~11月5日。応募方法の詳細は、下記の応募方法おしらせページをご覧ください。

第2回「自学ノートコンテスト」応募ページ

第1回自学ノートコンテストの受賞作品や審査員講評はこちらのページでご覧いただけます。ぜひ参考にしてください。

自学の実例がいっぱい! 見てまねて、自学を磨こう!
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