憧れと思いやりがキーワードの異年齢交流活動

元東京都公立小学校校長

清水弘美

学校だからできる、異年齢交流活動。「人からこうされるとうれしい、楽しい」という体験を通して、気持ちのつながりが生まれるような異年齢交流活動になることを目指しましょう。

文/東京都公立小学校校長・清水弘美

異年齢交流
撮/大庭正美

隣接学年を使って楽しい関わり方を体験

異年齢交流活動の中でも、隣接学年の交流はつながりが深くなります。隣接学年を使って、楽しい関わり方を体験してみましょう。

例えば、6年生から5年生へのサプライズ・プレゼントです。5年生が宿泊学習などの学校行事に出かけたとき、6年生が5年生の教室を掃除したことがあります。たいてい出発する日は慌しく、教室が散らかりがちです。そこで、6年生はサプライズ・プレゼントを思いついたというわけです。

その他には、6年生が「行ってらっしゃい」の横断幕を掲げたり、黒板に「お帰りなさい」のメッセージを書いたりするというアイディアもあります。そうすると、今度は5年生が、6年生に対してお返しをする活動が生まれるようになります。

さらには、5年生が自分たちを真似して掃除をすることを見越して、掃除道具の入ったロッカーの扉を開けると、「ありがとう」のメッセージが現れるというしかけを6年生がつくったこともあります。

遠足や社会科見学など学校行事があるたびに、そのような楽しい活動が見られるようになります。人からこうされるとうれしい、楽しいという体験をする習慣をつくる1つの方法です。

6年生と1年生は蜜月の関係

6年生が1年生のお世話をする活動も、よく行われている活動です。6年生から1年生までで構成される異年齢の班の組み合わせは、6年間変えない方が望ましいと思います。一緒に過ごす時間、回数を増やすことによって、より深くつながる異年齢交流活動を行うことができるからです。

例えば、6年生が修学旅行に出発する日には、1年生はいつもお世話になっている相手の6年生それぞれに、てるてる坊主をつくって贈るという出来事が起きたことがあります。

気持ちのつながりが生まれるような、異年齢交流活動を目指しましょう。

異年齢交流
撮影/金川秀人

『教育技術 小五小六』2019年6月号より

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