小2国語「どうぶつ園のじゅうい」指導アイデア
教材名:「どうぶつ園のじゅうい」(光村図書 二年上)
指導事項:C読むこと ア・オ
言語活動:ア
執筆/千葉県公立小学校教諭・石井桃子
編集委員/前・文部科学省初等中等教育局教科調査官・菊池英慈、千葉大学教育学部附属小学校副校長・大木圭
目次
単元で付けたい資質・能力
①身に付けたい資質・能力
本単元ではこれまでの学習で培ってきた「順序に着目して大体の内容を捉える力」を発揮させることに加え、「わけを表す言葉に着目して読む力」や「文章の内容と自分の経験とを結び付けて感想をもち、表現する力」を育みます。
②言語活動とその特徴
「へえ! 知らなかった」「え? なんでだろう」「わあ! すごいなあ」など、説明的な文章を読むことを通して味わうことができる驚きや感動を子供に実感してもらいたいものです。また、子供は文章を読みながら、こうした思いを少なからずもっているだろうとも思います。
本単元では、「『どうぶつ園のじゅうい』を読んで、じゅういさんの仕事の工夫を紹介しよう」という言語活動を設定します。しかし、この言語活動を直接的に投げかけるだけでは、文章そのものを正確に捉えることが難しい子供や、考えたことを表現することに戸惑いを感じる子供がいることでしょう。
そこで、単元を大きく二つに分け、前半では時間的順序を追いながら文章を読む活動を、後半では読んで感じたことを表現する活動を仕組んでいきます。
単元の展開(12時間扱い)
主な学習活動
第一次(1~4時)
◎学習の見通しをもつ。
・動物園の獣医について知っていることや知らないことを発表し合い、学習の課題をつかむ。
・教師の範読を聞き、初発の感想を書く。
【学習課題】どうぶつ園のじゅういさんのしごとのくふうをしょうかいし合おう。
第二次(2~8時)
◎時間を表す言葉や獣医さんがしたことに気を付けて本文を読む。
・動物園の獣医がいつ、どこで、どんな仕事をしているかを読む。
→アイデア1
・時間ごとに、獣医の仕事の内容と工夫を読む。
→アイデア2
第三次(9~12時)
◎獣医の仕事のなかで、特に心に残った仕事を紹介し合う。
・最も心に残った仕事を選び、その理由を考える。
・身の回りのことと比べて、考えたことをまとめる。
→アイデア3
・考えたことを発表し合う。
アイデア1 獣医さんの一日の時間割をつくらせる
まずは、獣医さんがいつ、どこで、何をしているかを読んでいきます。子供にとって身近な「時間割」をベースにした表にまとめていくことで、一日の「時間の順序」や「仕事の内容」を意識して読むことができます。
しかし、必要な部分だけを見付けて読むことに難しさを感じる子供がいるかもしれません。その場合には、教師があらかじめ「時間の順序を表す言葉」や「教科書の挿絵」を用意しておき、それを探しながら読み、表をつくっていくようにするとよいでしょう。
全体で整理し、確認することも大切ですが、一人ひとりが自分のペースで読む時間を十分に確保してあげたいものです。
▼ワークシート例
アイデア2 獣医さんになりきって、インタビューに答えさせる
次は、一つ一つの仕事のしかたや工夫を読ませていきます。「どんな工夫があった?」「どうしてそんなことをしているの?」と教師が尋ね、子供が答えていくという方法も一つのやり方としてあります。
イラスト/横井智美
『教育技術 小一小二』2020年9月号より