小2国語「一学期つまずきポイント」は、こうしてサポートしよう
長文の音読でつっかえたり、漢字をなかなか覚えられなかったり……。二年一学期の国語で、「つまずきやすいポイント」を取り上げ、克服するための指導ポイントやアイデアを、特別支援スペシャリストの先生が紹介します。
執筆/特別支援教育アドバイザー・山田 充
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やまだみつる 特別支援教育士スーパーバイザー・特別支援教育士資格認定協会理事。37年間教員を務めた後、広島県廿日市市教育員会特別支援教育アドバイザーとして活躍。著書に『学びにくい子への「国語・算数」つまずきサポート』(明治図書出版)など多数。
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目次
見逃さず、ていねいに「つまずき」を解消!
二年生の一学期は難しい学習が少しずつ増え、それに伴い、つまずきやすいポイントも増えてくるので、見逃さず、ていねいな指導が大切です。低学年は、学力の基礎をつくる大切な時期です。学習への苦手意識を生まないように、楽しくつまずきを解消したいですね。そこで今回は、二年生が一学期につまずきやすいポイントを取り上げ、楽しみながら克服するための指導ポイントやアイデアを紹介します。
【国語】つまずきポイント①「長い文章の音読でつっかえる」
音読がうまくいかない要因は、さまざまです。考えられる要因に、ていねいにアプローチすることが大切です。今回は、「長い音読」に着目します。長い音読は、集中力・注意力の持続が不可欠。長くなると文字の変換、区切り目の判別、単語の認識といった、音読に必要な要素の解析を持続することが難しくなっていくことが一つの要因となります。集中力や注意力の持続がサポートの視点です。
指導ポイント
文章の長さを意識させないように、分割して音読
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まずは、「短い文なら音読できる」という子の支援前提で考えます。長くなると持続が難しいのですから、「読む範囲」を視覚的に限定して読ませるようにしましょう。1文のまとまりだけが、視覚に入るようにします。例えば、「スリットの入ったしおりで、読む部分だけが見えるようにする」「下敷きやカードなどで、見える部分を数行程度になるように調整する」などを試してみましょう。1文読めたら、その都度しっかり評価します。その後、1回深呼吸をしてから仕切り直して、続きを読みます。少しずつ、集中して読める量を増やしていくとよいでしょう。
【国語】つまずきポイント②「漢字が覚えられない」
漢字が覚えられない要因は、本当にたくさんあります。ここでは、二年生の漢字の初期の段階に表れる要因を紹介します。漢字をえるためには、形・読み・意味の三つを習得することが必要です。形と読みは頭に入るが、意味が分かりにくいために覚えられないということがあります。意味を意識して指導することが、支援につながります。
指導ポイント
漢字指導に絵を取り入れる
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漢字を指導する際に、絵を提示して、「どんな漢字か分かる人」という発問から入るとよいでしょう。象形文字からの成り立ちが説明できる漢字なら、そこから入ってもいいかもしれません。まず、絵から意味を考える、その後に形や読みを学ぶようにすると、漢字への興味が湧き、苦手な子でも意味が覚えやすくなります。
イラスト/みながわこう
『教育技術 小一小二』2021年6/7月号より