やってみよう! みんなでつくる集会活動
集会活動は、 「楽しい」だけではなく、「なんのためにやるのか」しっかりと目的をはっきりさせることが大切です。「みんなでやってよかった」と思える集会活動にするポイントを紹介します。
執筆/東京都公立小学校主任教諭・栁生実華
目次
よりよい集会にするために ~計画~
集会活動は、もちろん楽しくなくてはなりません。しかし、よりよい集会にするために、学級会で話し合い、準備して行うのですから、「楽しい」だけではなく、「なんのためにやるのか」しっかりと目的をはっきりさせることが大切です。みんなでどんなことができるのか内容や工夫を話し合い、準備して実施し、ふり返る中で、「みんなでやってよかった」と思えるものにしていきましょう。
お互いをもっとよく知るために
普段あまり関わりがない友達のことをよく知ったり、友達の意外な一面を知る集会を開きましょう。集会の時間だけは、自分が呼ばれたい名前を名札にしておき、お互いを特別な呼び方で呼び合ったり、準備のときのグループを工夫したりすることで、友達との距離が近付いたり、今まで気付かなかった友達のよさを発見したりできるきっかけになるかもしれません。
お互いをもっとよく知る集会(例)
- 係の発表会
- 得意技大会
- ○○コンテスト など
季節の行事を取り入れる
四季折々の季節が感じられる集会を開きましょう。準備の段階で、教室の飾りを季節のものにしたり、季節にちなんだ歌を歌ったりなど、工夫してみるのも楽しいですね。
ただし、子供たちの実態に応じてクリスマスやハロウィン、七夕などの行事には配慮が必要です。
季節の行事を取り入れた集会(例)
- サマーフェスティバル
- 〇組スポーツ大会
- オータム祭り
- お正月パーティーなど
所属意識・連帯意識を高めるために
一緒に過ごしてきた学級の仲間だからこそできる集会を計画するのもよいですね。学級オリジナルのルールを考えたり、お揃いの手作りバッジなどを作って身に付けたり、円陣を組んで、全員でコールを行ったりしても盛り上がります。
所属意識・連帯意識を高める集会(例)
- 〇組ジャンボすごろく大会
- 巨大迷路〜○○をさがせ〜
- 〇組思い出パーティ など
他にも、行事との関連や他学年との交流を意識した集会を考えるのもよいでしょう。「なんのためにやりたいのか」「集会活動を通して、どんなクラスになりたいのか」を意識して、活動を考えることが大切です。
三年生から、集会で「何をするのか」話し合って決めることを積み重ねていくことで、四年生では、オリジナルの工夫やルールを話合いの中で決められるようになります。「またやりたい」と思えるような集会活動を子供たちと考えて計画し、準備していきましょう。
よりよい集会に向けて ~準備~
集会当日をよりよいものにするためには、しっかりとした準備が欠かせません。
準備のポイント
- 一人ひとりに役割があること
- 何を準備したらよいのか明確であること
どんな準備をしたらよいのか、そのためにどんな役割があったらよいのかを、教師が一方的に決めてしまうのではなく、子供たちと一緒に考えていくことも大切です。子供たちの実態に応じて、「今までにやった集会でどんな役割があった?」「こんな担当も必要かもしれないね」などと質問や助言をするのもよいでしょう。
準備のポイント役割(例)
- はじめの言葉・おわりの言葉
- 司会
- 飾り
- ルール説明
- プログラム
準備の段階では、教師は進行状況を確認し、しっかりと準備できているかを見守ります。
「○○さんのおかげで、スムーズに準備できているね」と子供たちが気付かないようなよさを発見して、声をかけることも重要な役割です。
また、「早く準備が終わってしまった担当は、まだ終わっていない担当を手伝おう」と呼びかけ、協力することの大切さを学べる機会にしていきましょう。
よりよい集会に向けて ~ふり返り~
集会が終わったら、必ずふり返りましょう。
計画や準備のときに見付けた互いのよさや、自分ががんばったところに目を向けさせてふり返るとよいですね。
もしも、集会でうまくいかないところがあった場合には、「どうしてうまくいかなかったのかな」「次はどうすればよかったかな」と声をかけて、次に生かせるようにします。
次に生かすためのヒント
- 時間通りに進行できなかった
→次はタイムキーパーをつくろう。 - ゲームでけんかになってしまった。
→けんかになってしまった原因を考えて、ルールを決めよう。
集会のときの様子を写真に撮っておき、いつでも思い出せるように教室に掲示しておくのもよいですね。積み重ねていくことで、「前回よりもこんなことができるようになった」「クラスとして成長した」と感じられるようになります。
まずは、やってみよう!
中学年は、友達と一緒に何かをやる楽しさを味わうことができる年齢です。
中学年のうちに、クラスみんなで楽しめる集会活動をたくさん行うことで、高学年になると「クラスだけではなく、学校全体で楽しめるものにしたい」という気持ちが芽生えていくことでしょう。
はじめは子供たちだけではうまくいかないこともあるかもしれませんが、まずはやってみることです。
特別活動の中では、普段の授業の中では見られない子供たちの関係がたくさん見られるはずです。集会活動における子供たち同士の関わりから、お互いのよさや課題を見付けたら、学級経営にも生かしていけるとよいですね。
イラスト/山本郁子
『教育技術 小三小四』2020年7/8月号より