保護者対応は、連絡帳・電話でこまめなやりとりを!
保護者との信頼関係を築くためのポイントを紹介します。
執筆/東京都公立小学校教諭・谷平真佑子
目次
連絡帳には必要最低限のことを
担任としては、クラスの保護者とは特にこまめに連絡を取り合い、情報を共有しておきたいところです。
連絡手段として主に挙げられるのが、連絡帳か電話です。連絡帳は担任と保護者が毎日目を通すため、互いに連絡を取り合えます。例えば、「手紙が一枚足りなかった」、「学芸会の日程は○日でしょ
うか?」などと連絡が来れば、それらに対応した返事をすればよいのです。
ただし、友達関係や指導そのものについての質問があった場合は、「ご連絡ありがとうございます。放課後お電話します」とだけ、私は連絡帳に書いています。その理由は二つ。
一つ目は、子供にかける時間を多く取りたいからです。子供が帰るまでには連絡帳を渡さなければならないので、そのことばかり考えて長々と時間を割いて返事を書くよりは、その時間を子供と接する時間にしたいからです。
二つ目の理由は、文字よりも直接会話したほうが自分の思いや考えが伝わるからです。
問題が大きければ、電話よりも直接会って話をすることが望ましいでしょう。また、それらの判断は自分だけでなく、学年主任の先生や校長先生などにも必ず相談します。
文字に残すのは事実のみ
とはいえ、最近は共働きの家庭も増え、電話に出られない保護者もいます。実際私も、「文書での回答をお願いします」と言われたことがあります。
それは「友達と喧嘩をして先生も交えて話したが、自分の子供は納得していない」というようなことでした。そのときには、話合いの内容を端的に短く記載しながら、さらなる対応についてと謝罪の言葉を述べました。
保護者には子供の言葉で話が伝わるので、事実と異なることや誤解が生じることもあります。誤解があれば、正しいことを伝えなければなりません。しかし、「私は○○さんが納得したと思いました」、「○○さんは××のように感じていたと思います」といった事実かはっきりしない感情面については書かないほうがよいでしょう。
ていねいな対応が信頼につながる
大きなケガや友達とのトラブルなど、急用の場合は特に電話で伝えましょう。「今日××がありましたので、お家でもお話を聞いてあげてください」など、些細なことでも電話をかけると、ついでに家庭での様子を聞けることもあり、さらなる情報共有にもなります。
いずれにせよ、連絡帳でも電話でも、ていねいかつ真摯に対応していけば、それが今後の信頼関係にもつながっていきます。
イラスト/山本郁子
『教育技術 小三小四』2020年6月号より