小3国語「仕事のくふう、見つけたよ」指導アイデア

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教材名:「仕事のくふう、見つけたよ」(光村図書 三年上)

指導事項:知・技(1)カ  思・判・表B(1)イ
言語活動:ア

執筆/福岡県公立小学校教諭・安武亮
編集委員/前・文部科学省教科調査官・菊池英慈、福岡県公立小学校校長・松中保明

単元で付けたい資質・能力

①身に付けたい資質・能力

書く内容の中心を明確にし、内容のまとまりごとに段落をつくったり、段落相互の関係に注意したりして、文章の構成を考える力を育成します。

②言語活動とその特徴

本単元では、「興味をもった仕事について調べ、見つけた仕事の工夫を報告する文章を書く」という言語活動を位置付けます。「報告文」を書く学習は、「相手のニーズがある」「自分が伝えたいことがある」という条件下で、より有意味な学習として機能します。

そのため、単元を通じて「相手や目的」をどのように意識させるかが重要になります。特に本単元で取り扱う「調査報告文」は、第三学年の子供にとって初めて出合う文種です。そのため、単元導入時、その特質を捉える時間を十分に確保し、活動全体に見通しがもてるようにします。

また取材段階では、報告する相手や目的に合わせて「書く内容の中心の決定」「事例や内容の集材・選材」がなされているかなどを、友達との対話を通して、学ぶようにしていきます。

このように子供たちが「相手や目的に合った報告」の要素を追究するための素地をつくり、「より相手に伝わる報告文を書くには、どのような話の構成で述べるとよいのだろうか」という学習問題をもたせることが重要になります。

それが「例を挙げて書いたらどうだろう」「話のまとまりで段落を分けたほうがいいな」「この順番がいいかもしれない」など、構成を検討する姿となって表れるように、教科書のモデル文などを活用して指導していきます。

小3国語「仕事のくふう、見つけたよ」指導アイデアのイメージイラスト
イラストAC

単元の展開(12時間扱い)

主な学習活動

第一次(1時)

①教科書94~95ページの作例を読んで感想を交流し、調べて報告する文章を書くという学習問題を設定する。

【単元】ほうこくします! 私が見つけた「仕事のくふう」

②教科書94~95ページの作例を読んで、調査報告文の構成や内容について話し合う。
③報告書にまとめたい仕事を決めて、学習計画を立てる。

→アイデア1
→アイデア3

第二次(4~9時)

④⑤報告書の構成に合わせて、書くための材料を集める。
⑥教科書94~ 95 ページの作例を読んで、書き方の工夫を話し合うとともに、自分が集めた材料を見直したり、友達と見合ったりする。
⑦報告書の構成メモをつくる。
→アイデア2

⑧⑨構成メモを基に下書きを書く。

第三次(10~12時)

⑩推敲の観点を確かめ合い、活動報告書を推敲する。
⑪清書をする。
⑫活動報告書を読み合い、感想や意見を共有し、学習をまとめる。

アイデア1 学びの必然性を生み出すカリキュラム・マネジメント

学びには必然性が大切です。本単元『ほうこくします! 私が見つけた「仕事のくふう」』を設定するためには導入時に、

・「私が見つけた『仕事のくふう』」について調べる必然性
・調査報告文を書く必然性

この2つの必然性が生まれるようなしかけが必要です。そのために欠かせない視点がカリキュラム・マネジメントです。二年生生活科の学習で行った「私の町探検」を想起し、大好きな自分の町にある仕事のことを書いて伝えたい、何をどう書いたらよいか知りたいという知的好奇心を揺さぶることが大切です。

そして、本単元をその後の社会科の地域学習に生かすことを検討すると、授業の質が高まります。また、子供たちは二年生までに観察記録・報告文を書く学習をしてきています。しかし、調べたことを報告する文章を書くのは本単元が初めてです。

これから書く文章がどのようなものか分からないと戸惑ってしまうことが予想されます。そこで教科書の作例を読み、「何を」「どのような構成で」書かれているのかを話し合い、既習の観察記録・報告文と調査報告文の特徴の違いを簡単に捉えておきます。

つまり、本単元において「何を」「誰に」「なんのために」調べ、報告する文章を書くのかを子供自身が自覚し、意識を貫くことが大切です。この意識がその後の学習において、「より伝わる」報告書にするための取材の在り方や文章構成はどうあるべきかという問いを生み出すことにつながります。

▼学習問題の例

私が見付けた○○校区にある仕事の「工夫」を、クラスの友達にほうこくする文章を書こう。

アイデア2 集めた材料を選材する思考へと誘う対話の場の設定

取材シートを見直す際のポイントとして、「①相手が知りたいものに合っている」「②自分が伝えたいことに合っている」という二つの観点を学級全体で確かめます。この二つの観点を基に、お互いの取材シートを見ながら、足りない部分や不要な材料がないかを見合う場を設定します。

▼取材シートを用いた課題の共有

取材シートを用いた課題の共有

「内科や小児科など、さまざまな名前の病院があるのは確かに、その病気を治すプロに見てもらえるから、すごい工夫だね」「マスクも工夫だろうけれど驚きが小さいから、確かに4位でよさそうだね」といった対話を通して、取材シートに足りないものを書き足したり、不要なものを消したりして、必要な材料だけに整理します。

アイデア3 自覚的に自己評価を随時行い、自らの学びを問い直す場の設定

自分で書いた文書を自己評価すること、自分が文章に込めた思いが、読み手にどのように伝わっているかを確かめることは、学びの成果や価値を実感するうえで重要なものであり、深い学びにつながります。そこで、次のようなチェックリストを活用して、自己評価を行うことがよくあります。

▼チェックリスト

チェックリスト

自分が書いた文章を、客観的に自己評価することで、その単元でできるようになったことが意識化されます。また、自らが課題としていることも明確になり、問題意識をもって、書くことの学習に取り組む姿にもつながります。

この自己評価シートを単元設定時に子供とともに策定し、子供と共有し、随時見返し、自らの学びを自己評価し、計画などを見直すようにしましょう。

本単元においては「構成」が主目標となるため、「構成の在り方」を子供が自覚し続けるチェックリストを作ります。このことは、主体的に学ぶ力の育成とその評価には欠かせない視点です。

深い学びへ誘うヒント

書く相手や目的を意識して、見通しをもって書く活動に取り組んだり、友達との対話を通して、自分の考えを整理したりすることが大切です。単元の特質や文種に応じて、自己評価のチェック項目を具体的に設定することで、自らの成長と次の課題を実感させることにつながります。

『教育技術 小三小四』2020年7/8月号より

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