小5国語「すいせんします」指導アイデア

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教材名:「すいせんします」光村図書

指導事項:A「話すこと・聞くこと」 ア・イ
言語活動:ウ

執筆/福岡教育大学附属小倉小学校教諭・廣口知世
編集委員/文部科学省教科調査官・菊池英慈、福岡県公立小学校校長・城戸祥次

イラストAC

単元で付けたい資質・能力

①身に付けたい資質・能力

収集した知識や情報を関係付け、目的や意図に応じ、説得力のある構成を考えて話す力を育成します。

②言語活動とその特徴

本単元には、「6年生を送る会」の5年生からの贈り物として、暗唱する詩を学級の友達に推薦するという言語活動を位置付けます。

限られた時間の中で、自分がよいと思う事物について聞き手が納得するには、聞き手が何を求めているのか、どのような内容を話せばよいのか、どのような話し方をすればよいのかを考える必要があります。

したがって、本単元でねらう「考えたことや伝えたいことなどから話題を決め、収集した知識や情報を関係付けること」(A 話すこと・聞くこと ア)と「目的や意図に応じて、事柄が明確に伝わるように話の構成を工夫しながら、場に応じた適切な言葉遣いで話すこと」(A 話すこと・聞くこと イ)を実現するのにふさわしい言語活動と言えます。

本単元では、推薦した詩が実際に聞き手に選んでもらえるように、詩を暗唱する目的や暗唱できる条件、その詩を暗唱することによるメリット、体験などの適切な推薦理由や、「始め」「中」「終わり」という構成を考え、聞き手をひきつけるように工夫して、話す力を育成します。

そのためには、推薦の理由を与えるのではなく、スピーチをVTRや文字化によって可視化したり、モデルのスピーチ原稿を提示したりして、自分たちで適切な推薦理由について考えるようにします。

単元の展開(6時間扱い)

主な学習活動

第一次(1時)

①教師が6年生に贈りたいと思っている詩を推薦するスピーチと提案するスピーチを、VTRで見聞きし、自分で6年生に贈る詩を選び、推薦するスピーチをしたいという意欲や見通しをもつ。
→アイデア1 主体的な学び

【単元】六年生におくる詩をすいせんしよう

第二次(2~5時)

②聞き手を納得させるために必要な推薦理由を話し合う。
→アイデア2 対話的な学び

③自分が推薦する6年生に贈りたい詩の推薦理由を考えて付箋に書き、スピーチの練習をする。
→アイデア3 深い学び

④カードを取捨選択し、構成を考え、スピーチ原稿を書き、スピーチの練習をする。

⑤聞き手をひきつける話し方の工夫をスピーチ原稿に書き加え、スピーチの練習をする。

第三次(6時)

⑥「6年生を送る会」の5年生からの贈り物として、5年生全体で暗唱する詩を学級の友達に推薦するスピーチをし、本単元をまとめる。

アイデア1 推薦と提案を比較する導入

主体的な学び

導入ではまず、「推薦」とは何かを理解し、見通しをもつことができるように、「推薦」と既習の「提案」を比較する活動を位置付けます。

そのためには、一過性である話し言葉を文字化して提示することが大切です。「提案」とは、解決したい課題に対して自分の考えや意見を相手に出すことです。よって、スピーチの例文は、「どうすれば、その詩を暗唱することができるようになるか」というような方法を中心に創作するとよいでしょう。

一方、「推薦」は、事物や人物が優れていると認めて、他者に薦めることです。よって、自分が推薦する詩を選んでもらうようにするためには、推薦の理由に、目的、条件、メリット、体験などが必要です。

ただし、例文には全てを盛り込まず、子供たちが「まだまだ改善の余地がありそうだ」と次時の活動の見通しがもてるように、敢えて完全ではないものを提示します。次の例には、目的と条件を取り入れています。

▼教師によるスピーチ例文

私は、「6年生を送る会」で5年生が暗唱する詩に、高村光太郎の「道程」を推薦します。推薦する理由の一つ目は、小学校を卒業して、新しい道を切り開いていこうとする6年生にぴったりの詩だからです。在校生代表の5年生が暗唱すれば、卒業する6年生は背中を押されるように感じるのではないでしょうか。

推薦する理由の二つ目は、短いということです。暗唱ということは、暗記をすることが大切ですよね。「6年生を送る」という内容にぴったりの詩でも、暗記できないくらい長い詩だと、覚えるのにひと苦労です。でも、この詩は9行からなり、覚えるのに多くの時間はかかりません。

このように、高村光太郎の「道程」は、「6年生を送る会」で、5年生が暗唱する詩にぴったりです。ぜひ、みんなで高村光太郎の「道程」を暗唱しましょう(約1分)。

アイデア2 聞き手を納得させるための推薦の理由を話し合う活動の設定

対話的な学び

展開では、下のようなワークシートを用い、聞き手を納得させるために必要な推薦の理由を話し合う活動を設定します。まず、②③に入る言葉を話し合います。②には「目的」、③には「条件」という言葉が入ります。

その上で、④に書くとよい理由を話し合います。「読んだことがあって、『僕の後ろに道はできる』というところにひかれた」などの考えであれば、「自分の体験を入れると納得させられるね」と価値付けます。

また、「1年生でもわかりやすい」など、「これを選ぶとよいこと」が書かれていれば、メリットに当たります。もちろん、④に体験や条件の二つ目が入っていてもよいでしょう。

教師は、子供の話合いから出た理由を、目的、条件、メリット、体験というように言葉で整理することが大切です。

▼ワークシート

クリックするとPDFがダウンロードできます

アイデア3 付箋を活用し、推薦の理由を考える場の設定

深い学び

付箋(7.5㎝ ×2.5㎝)に、目的、条件、メリット、体験の四つの観点で、自分が選んだ詩を推薦する理由を書きます。次時の取捨選択や構成に生かし、内容の偏りがないかを視覚的にわかるようにするために、次の書き方を確かめます。

提案理由と付箋の色
・目的…ピンクの付箋
・条件…黄色の付箋
・メリット…水色の付箋
・体験…緑色の付箋

1枚の付箋には、一つの内容を書きます。スピーチ時間は、集中して話を聞くことができる2分程度を設定します。

▼推薦理由の書き方

推薦理由の書き方

深い学びへ誘うヒント

聞き手を納得させるための推薦の理由を考えることができるように、提案理由を「目的」「条件」「メリット」「体験」とカテゴライズし、内容の偏りがないように可視化することが大切です。

『教育技術 小五小六』2020年2月号より

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