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新学習指導要領移行期2年目。充実した校内研修とは

2019/5/8

新学習指導要領の理念・趣旨を周知し、その全面実施に向けての改善を図っていくために欠かせないのが校内研修の充実です。移行期2年目となる今年度、どのように校内研修を充実させ高め合う教師集団をつくっていけばよいのでしょうか。

職員室

新学習指導要領時代には教師の学びも主体的・協働的に

新学習指導要領の全面実施を迎えるにあたり、校内研修の充実は欠かすことのできない課題です。それは単に、新学習指導要領が求める理念や具体策──カリキュラム・マネジメントの推進や社会に開かれた教育課程の実現、主体的・対話的で深い学びによる授業改善──を実現するため、というだけでなく、教師自身の学び方や資質向上のあり方もまた新学習指導要領時代にあわせて変わっていかなければならないという意味も含んでいます。

2015年12月の中央教育審議会答申「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について〜学び合い、高め合う教員育成コミュニティの構築に向けて〜」において「研修そのものの在り方や手法も見直し、主体的・協働的な学びの要素を含んだ研修への転換を図る必要がある」と示されているとおり(資料1)、児童生徒の主体的・協働的な学びを実現するには、教師自身の学びがまず、主体的・協働的なものに変わっていく必要があります。

新学習指導要領に向けての校内研修においては、こうした点を強く意識しておく必要があるのです。

資料1 これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について

◆国、教育委員会、学校、その他の関係者等が一体となって、学校における業務の精選や効率化、教職員の役割分担の見直しや専門家の活用、組織体制の強化、地域との連携などチームとしての学校の力の向上を図る措置を講じることによって、研修のための機会を確保することが不可欠である。
◆国、都道府県、市町村、学校等研修の実施主体が大学等を含めた関係機関との有機的連携を図りながら、教員のキャリアステージに応じ、教員のニーズも踏まえた研修を効果的・効率的に行う必要がある。
◆法定研修である初任者研修、10 年経験者研修については、実施状況や教育委員会・学校現場のニーズを把握し、制度や運用の見直しを図ることが必要である。
◆研修そのものの在り方や手法も見直し、主体的・協働的な学びの要素を含んだ研修への転換を図る必要がある。
◆新たな教育課題に対応した研修プログラムの開発・普及、研修指導者の育成、教育センターや学校内での研修体制の充実など、特に校内研修の充実・活性化を図りつつ、学校内外の研修を一層効果的・効率的に行うための体制整備が必要である。
◆教員が学び続けるモチベーションを維持するため、教員の主体的な学びが適正に評価され、学びによって得られた能力や専門性の成果が見える形で実感できる取組や制度構築を進めることが必要である。
◆研修の充実のため、独立行政法人教員研修センターがこれまで以上に積極的に役割を果たしていく必要がある。

中央教育審議会答申「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について〜学び合い、高め合う教員育成コミュニティの 構築に向けて〜」(2015年12月)より

PDCAサイクルを基本にさまざまな手法の導入を

実際の校内研修の進め方としては、PDCAサイクルを柱とした基本的な流れ(資料2)を踏襲するケースが多いことと思われます。しかし、その中で用いる研修手法については、新学習指導要領時代の学びを意識したものも積極的に取り入れていくのがよいでしょう。

【資料2】校内研修の基本的な流れ

●前年度の振り返り・次年度の課題の洗い出し
前年度の取り組みについて全教職員で振り返り、児童生徒の実態をもとに次年度に向けての課題を洗い出す。

●研究主題の設定と、年間研修計画の策定
児童生徒の実態や、学校の教育目標、新学習指導要領に向けての課題などをもとに、研究主題を設定する。
●校内研究体制の構築・整備
研究リーダーの指名、研究に関する役割分担などを明確にし、研修体制を構築・整備する。

●校内研修の実施
研修計画にもとづき、全体での理論研修や授業研究。提案授業などの実践を行う。

●中間の振り返りと改善、軌道修正
研修内容について、適時振り返りを行い、研究の方向性や手法について、見直しや修正を行う。

●研究内容の検証と評価
児童生徒の変容や授業の記録、アンケート調査などにより研究内容の検証と評価を行う。主題の設定や研修手法が適切であったかなども検証し、次年度の校内研修につなげる。


授業づくりのアイディアを自由に出し合う場ではブレインストーミングやブレインライティング、課題を分析したりまとめたりする際にはKJ法やロジックツリー、実践や体験につなげるなら5W1Hやロールプレイング、研修の場を活性化するにはファシリテーションやアイスブレイクなど、研修の目的や課題に応じてさまざまな手法を取り入れ、工夫していくとよいでしょう。もちろん、こうした研修手法の改善にあたっては、それがかえって教員の負担感増加につながらないよう配慮することも必要です。特定の教員だけに負担が偏ったりすることのないよう、公平かつ明確な役割分担を示すことが求めらます。

新学習指導要領は全面実施を迎えるところがゴールではありません。その後もまた、カリキュラム・マネジメントや授業づくりにおける課題を見つけ出し、改善を図っていくための不断の研鑽を積み重ねていくことが必要です。そうした“全面実施後”までを見通した校内研修体制を築いていきましょう。

構成・文/葛原武史(カラビナ)

『総合教育技術』2019年5月号より

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