小4道徳「ブラッドレーのせいきゅう書」指導アイデア
執筆/愛知県公立小学校教諭・栁田一帆
監修/山形県公立小学校校長・佐藤幸司
目次
授業の設計図
「ブラッドレーのせいきゅう書」は、全8社の教科書に掲載されている教材です。取り扱う内容項目は、「家族愛、家庭生活の充実」です。ただ、学級には、父親や祖父母に育てられている子供、地域によっては児童養護施設で生活している子供もいるでしょう。
道徳科の授業は、子供を幸せにするために行うものです。授業で悲しい思いをする子供がいてはいけません。現代の多様な家族の形があるなかで、この教材を母親からの愛情を強調した家族愛で終わらせてしまってよいのか疑問でした。
そこで、この教材では「家族愛、家庭生活の充実」だけでなく、「感謝」まで考えさせるのがよいのではないでしょうか。「ありがとう」と言うと、自分も相手も気持ちよくなります。「ありがとう」という魔法の言葉を相手に伝えることで、周りとの関係が良好になり、自分の生活が明るくなっていくことを考えさせます。
授業の最後には、母親だけではなく、自分を育ててくれている人に感謝をすることが大切であると考えることで、授業後に全員が温かい気持ちになれます。本稿では、「ブラッドレーのせいきゅう書」の効果的な活用法について、『小学どうとく4』(教育出版)を例に挙げて紹介します。

展開の概略
1.教材「ブラッドレーのせいきゅう書」を分断して読んで考える
ブラッドレーが母親からの手紙を見る前の場面まで、子供には教科書を開かせずに教師が範読する。
「自分なら、お金と一緒に置いてあった小さな紙にはなんと書きますか」
という発問をして、次の場面へつなげる。
2.実際に業者に頼むと、いくらなのかを知り、家事をやってくれている人に感謝の気持ちをもつ
▼母からブラッドレーへのせいきゅう書の内容を専門業者に頼んだ場合
■親切にしてあげた代…15,000円/1回(ハートプロジェクト)
■病気をしたときのかん病代…6,372円/1時間(ニチイライフ)
■服やくつ代……40,900円/1年間(バンダイ)
■食事代……28万円/1年間(AIU 保険)
※( )内は参考にした会社名