小4国語「アップとルーズで伝える」指導アイデア

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教材名:「アップとルーズで伝える」(光村図書 四年下)

指導事項:読むこと(1)イ・エ
言語活動:イ

執筆/京都府公立小学校教諭・本城脩平
編集委員/文部科学省教科調査官・菊池英慈、京都府公立小学校校長・藤本鈴香

「段落どうしの関係をとらえ、説明のしかたについて考えよう」指導アイデアのイメージイラスト

単元で付けたい資質・能力

身に付けたい資質・能力

本単元では、写真と対応した部分に注意し、段落の内容を整理しながら読む力、中心となる語や文を捉え、段落と段落のつながりを理解しながら読む力を育てていきます。

説明のしかたの工夫について考えるためには、筆者が伝えたいことをどのように説明しているのか、また、写真などの資料をどのように効果的に使っているのか、その特徴に着目する必要があります。そして、学び取ったことを活用していく学習活動を設定し、説明のしかたを考えるようにしていきます。

言語活動とその特徴

本単元では、「C 読むこと」の言語活動例「イ記録や報告する文章、図鑑や事典などを読んで利用すること」を具現化していきます。

社会見学で調べたことを「社会見学新聞」にまとめ、友達に紹介することを位置付けます。それにより、教科書教材を使って学んだ説明の工夫を自分の文章に生かすようにします。

また、他教科の学習において、本や資料を読んだり書いたりする際に、段落相互の関係や写真と文章の対応を意識して読むことができるようにします。

単元の展開(8時間扱い)

主な学習活動

第一次(1~2時)

①社会見学についての交流を基に、学習課題を設定し、学習計画を立てる。
→アイデア1 主体的な学び

【学習課題】「社会見学新聞」で自分が調べたことを伝えよう。

②自分が調べたことについての資料を学校図書館で見付け、伝えたいことを決める。

第二次(3~6時)

③「社会見学新聞」で伝えるために、「アップとルーズで伝える」を読み、写真と文章の対応を捉える。

④「社会見学新聞」で伝えるために、段落どうしの関係を捉える。
→アイデア2 対話的な学び

⑤「社会見学新聞」で伝えるために、自分の表現に生かしたい筆者の説明の工夫をまとめる。

⑥「社会見学新聞」で伝えるために、自分に生かしたい筆者の説明の工夫を交流する。
→アイデア3 深い学び

第三次(7~8時)

⑦伝えたいことが、相手により伝わるように、これまでの学習を生かして「社会見学新聞」を書く。

⑧「社会見学新聞」で自分の調べたことを伝え合い、単元の学習をふり返る。

アイデア1 他教科と関連させた学習課題を設定しよう

主体的な学び
「社会見学で調べたことを新聞にして伝えたい」という思いをもてるようにします。

説明的な文章の学習を主体的に進めていくためには、子供たちが相手意識をもって伝えたいことを見付け、分かりやすく伝えられるようにしたいという思いをもてるようにすることが大切です。

そこで、単元の導入では、社会見学で調べたことを交流し、教師のモデル文や教材文を提示することで「社会見学で調べたことを新聞にして伝えたい」という思いをもてるようにします。

また、教材文から説明の工夫を見付け、自分の説明に生かすことを意識できるようにします。

社会見学で、消防署のことを調べたね。すばやく火事の現場に出動できるように工夫されていたね。

火事が起きていないときの仕事のお話も興味深かったね。みんなにも伝えてみたいな。どのように伝えようかな。

▼教師のモデル文

教師のモデル文
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既習単元の学習を題材にして、全体の写真や部分の写真を使うなど、アップとルーズの写真を比べることを意識できるようなモデル文を提示しましょう。

アイデア2 段落構成図で段落相互の関係について話し合おう

対話的な学び
段落構成図で段落相互の関係について話し合おう

段落構成図を使って、段落相互の関係を話し合うようにします。特に、教科書教材「アップとルーズで伝える」では、対比に着目して話合いをすることが大切です。

その際に、「アップ」と「ルーズ」というキーワードやつなぎ言葉、文末表現に着目して考えることができるようにします。話合いを通して対比することで、説明が分かりやすくなることを自覚できるようにします。

▼話し合いのポイント

  1. それぞれ、これまでの学習やキーワードなどを基に段落構成について考える。
  2. ホワイトボードと段落番号の札を活用し、グループで段落構成図を完成させる。
  3. 段落構成図を考える際の根拠を書き込む。

▼ホワイトボードの例

ホワイトボードの例
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4⃣の段落では、アップで伝えられるものと伝えられないものが書かれているね。

5⃣の段落はルーズのことだね。

4⃣と5⃣の段落では、アップとルーズが比べられているね。比べると違いが分かって、分かりやすいね。

アイデア3 自分に生かしたい説明の工夫を交流しようをしよう

深い学び
自分に生かしたい説明の工夫を交流しようをしよう

教科書教材「アップとルーズで伝える」から見付けた説明のしかたの工夫について交流し、自分の「社会見学新聞」に生かしたいことを考えるようにします。

これまでに培った読みの力を具体的な言語活動で生かすようにし、子供たち自身が主体的に、分かりやすい説明のしかたの工夫を獲得することができます。

「アップとルーズで伝える」では、文章に合わせた写真を使っていたね。消防士さんの訓練の様子がわかりやすいように、写真を使って説明したいな。

火事が起きているときと、火事が起きていないときの様子を比べて記事にしてみたいな。

「このように」を使うと、調べたことをまとめられるね。段落構成を参考にして書きたいな。

「~してみましょう」と問いかけると、読む人に興味がわくね。

子供たちが見付けた分かりやすい説明の工夫は、他教科や実生活のなかで生かせるようにしていきましょう。そうすることで、この単元で付けた力をさらに確かなものにしていくことができます。

イラスト/佐藤道子 横井智美

『教育技術 小三小四』2019年10月号より

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