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一問一答を脱する「話す・聞く」の指導法とは【先生のための学校】

連載
久保齋の「先生のための学校」

学力研 先生のための学校校長

久保齋

授業は「話す・聞く」で成り立っています。よい授業をするには、うまく話せる子を育てなければならないのです。授業の中で多くの子どもが意見を出し合ったとしても、お互いの意見を踏まえた上での発言でなければ、それは教師と子どもの一問一答の対話に過ぎず、よい話合いとは言えません。目指すべきは一問多答の活発な意見の交換でなくてはならないのです。

学力研「先生のための学校」校長・久保 齋

執筆/「先生のための学校」校長・久保齋

子供たちの発言をつなぐ

「話す・聞く」という学習能力は、あくまでも一人ひとりの子供たちに備わった個別の力です。しかし、授業という行為の中では、個々の学習能力の発揮が自分自身を豊かにするだけにとどまらず、友達に学びの材料を与えたり、友達を励ましたりする力をもちます。

しかし、子供たちは、自分の発言がクラスを励ましたり、クラスの学びを豊かなものにしたりしていることには無自覚です。また、友達の発言にどれだけ自分が励まされ、教師の発言よりもはるかに多くの知的刺激を受けているかにも、まったくと言っていいほど無自覚です。

授業を司る教師の最も大きな仕事の一つは、

《すべての子供に、自分の存在そのものが、自分の学習能力の発揮が、自分の学習能力の伸長が、クラスの友達に及ぼしている計り知れないパワーとなっていることを自覚させる》

ことに尽きます。これができれば、クラスの学習規律は格段に飛躍し、できる子もできない子もキラキラ輝き出すのです。

この計り知れないパワーを子供たちに自覚させるために、教師は子供たちの発言をつないでいきます。

「○○くんの発言は△△さんの発言に刺激されたんだね」とか、

「○○さんの意見は△△くんとは違う見方だね」とか……。

教師の評価、価値づけによって子供たちを励まし、つなげる行為は「話す・聞く」指導の一里塚です。

《ネタどりの技》で一問一答感を脱する

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