小6理科「月と太陽」指導アイデア
執筆/大阪府公立小学校首席・西岡賢一
編集委員/文部科学省教科調査官・鳴川哲也、大阪府公立小学校校長・細川克寿
目次
単元のねらい
月と太陽の位置に着目して、これらの位置関係を多面的に調べる活動を通して、月の形の見え方と月と太陽の位置関係についての理解を図り、観察、実験などに関する技能を身に付けるとともに、主により妥当な考えをつくりだす力や、主体的に問題解決しようとする態度を育成します。
単元の流れ (二次 総時数 6時間)
◆一次 月の様子(2時間)
① 昼間の月を観察したり、図書資料などで調べたりして、月の様子について知る。
物の影は太陽の反対側にでき、時間が経って太陽が動くと影も動いたね。
月は三日月や満月のように、日によって形が変わって見えたね。
太陽も月も地球と同じように、球の形をしているんだね。
太陽は自ら光っているんだね。月は、自分では光っていないんだね。
月がいろいろな形に見えるのは、どうしてかな?
これまでの月や太陽についての学習を振り返るとともに、昼間に見える月を観察することで、月の見え方についての興味・関心を高める。また、二次で各自が月を観察することになるので、一次では、観察の仕方を指導しておくとよい。
◆二次 月の形の見え方(4時間)
① 月の形の見え方が、どのように変わっていくのかを調べる。
夕方に見える月の形と太陽の位置を、数日間、同時刻で観察する。
月は、いつも同じ側が光るのかな。
月の形の見え方は、毎日変わっていくね。
できるだけ多くの機会を設けて、子供が直接月を観察するようにすることで、月の形の見え方についての問題を見いだすことができるようにしたい。また、そのような機会を通して、天体に関する興味・関心を高めることができるようにする。
夜間の観察の際には、保護者の協力を得るなどして、安全を第一に考え、事故防止を徹底する。
② 月の形の見え方がどうして変わっていくのかを、モデル実験を行い、仕組みを調べる。【活動アイディア例】
③ モデル実験でわかったことを基に、数日後の月の形の見え方などについて推測する。
三日月は、太陽と月の方向が近いから、太陽が沈むのと同じくらいに月も沈む。だから、夕方の西の空に見えるんだね。
朝方に見える月は、太陽が昇る前に見えるから、夕方、見える三日月とは、反対の形をしているんだね。
単元の終わりに期待される振り返り
月は太陽の光を反射して、輝いているんだね。
月の形の見え方は、月と太陽との位置関係で変わるんだね。
私は、月の形の見え方が、これからどのように変化していくのか、わかってきたよ。
いつも当たり前にあると思っていた月だけど、月の形の見え方に、こんなきまりみたいなものがあったなんて、すごいね。
活動アイディア
~資質・能力の育成を目指して!~
月の形の見え方について、時間的・空間的な見方を働かせながら、モデル実験を行うことを通して、月の位置や形と太陽の位置との関係について、より妥当な考えをつくりだす力といった資質・能力を育成しましょう。
授業の展開例
イラスト/高橋正輝、横井智美
『教育技術 小五小六』2019年9月号より