漢字はクイズやゲームで楽しく覚える!漢字指導のコツ
漢字嫌いの子にとって、ひたすら書いて覚える書き取りの授業は苦痛以外にほかなりません。そこで、ゲーム感覚で楽しくインプットできる得ワザをスペシャリストが伝授。これで明日から不人気授業が一気に楽しいモノへと早変わり!
執筆/新潟県公立小学校主幹教諭・栗林育雄

目次
低学年の漢字につまずいている五年生も…
漢字嫌いの子にとって、五年生の配当漢字に加え、四年生までに習得できていない漢字を並行して学習していくのは、とても苦痛なことです。「とにかく書いて覚えなさい」というドリル学習だけでは、ますます漢字学習が嫌いになるだけで、逆効果です。
まずは、漢字を使って遊ぶことから始め、漢字学習に対する子供たちの意識を変えることが大切です。そこから、「漢字をもっと知りたい」「もっと使えるようになりたい」という意欲を高め、漢字学習に主体的に取り組めるように支援していきます。

漢字嫌いの子にも「分かる・できる・楽しい」を実感できる漢字指導を考えることは、クラスのどの子にとっても楽しめるユニバーサルデザインの授業改善にもつながります。
クイズやゲームで楽しませよう
漢字に興味をもたせるために、まずはゲームやクイズを通して、漢字学習の楽しさやおもしろさを味わわせます。
ワザ1【漢字なぞなぞ】

問題 毎日、水がなくならないふしぎなところがあるんだって。どこかな?
答え「氵(さんずい)」と「毎」で『海』

問題 建物に人が百人も泊まれるのは、どんな所?
答え 「宀(うかんむり)」と「人」と「百」で『宿』
問題文に隠されているキーワードを基に漢字を考えるなぞなぞです。
「氵=水」や「宀=建物、家」など、漢字の部首や部分には、意味があることを再確認します。部首の意味が分かると子供たちは、
「水が谷にあるよ。何をする?」 答え=「浴」びる
「建物の中で子供は何をしている?」 答え=「字」を書く
と、自分で問題をつくるようになります。
ワザ2【ビジュアル漢字クイズ】
イラストを見て、何という漢字かを当てるクイズです。「山・川・木・日・月」などは、象形文字であるため、一年生でも親しみやすい漢字です。
ところが、学年が上がるにつれて象形文字は少なくなり、「抽象的で画数の多い漢字は覚えづらい」と感じる子供が増えていきます。
そこで、部首や部分をイラストにすることにより、象形文字のように親しめるようにします。
▼ビジュアル漢字クイズ例

▼子どもたちの考え
手で筆をもって、墨をつけている様子が【書】なんだね。
巣から鳥が落ちてきたから危ないって言って、手を差し出している場面が【護】なのか。
と漢字を部首や部分に分けて捉えられるようになります。
ワザ3【漢字しりとり】
<ルール>
- 熟語の下一文字をつないで、しりとりをしていくゲーム。
- 友達同士で交代しながら書き込む。
- 「生物(音読み)→物(訓読み)語」のように漢字の読み方を変えてよい。
- 一度使った漢字は使えない。
- 三字以上の熟語でもよい。
- 漢字辞典で調べてもよい。
<遊び方例>

先生→生物→物語→語学→学問→?