失敗しない!「新年度スタート0日目〜始業式までの準備」完全ガイド

一年の計は“0日目”にあり! 新しい学年が発表される4月1日から子供たちを迎える始業式までのわずか5日間、ここでどこまで準備できるかが新年度の学級経営の手綱を握る鍵となります。あらゆる仕事が集中する怒涛の日々ですが、初動で「失敗しない」ためのノウハウを詰め込んで、埼玉県公立小学校の紺野悟先生が効率良く準備を進める技を伝授します! 1日ごとに何をすべきか、ダウンロードしてすぐに使えるテンプレートの活用法とともにステップバイステップでお届けする完全ガイド。何から手を付けてよいのか不安を抱える新任の先生はもちろん、ベテランの先生にも意識的に確認する機会となる情報満載です。着実な準備で安心して学級開き当日を迎えましょう!
執筆/埼玉県公立小学校教諭・紺野悟
目次
怒涛の5日間!「失敗しない」効率化の手引き
いよいよ新学期が近づいてきました。3月に終了式を終えた後、教師は怒涛の日々を迎えます。1週間で学校の備品や教室、職員室の机を片付け、同時に異動される先生方との別れを惜しみ、4月に提案する資料を作成します。4月1日になると、新しい学年が発表され、1週間で準備を済ませて、始業式で子供たちを迎えます。
始業式に至るまでの1週間は、控えめに言って怒涛です。4月1日から会議や準備で使える時間は多くて5日程度。その期間で、子供たちを迎えるための教室準備はもちろん、校務分掌などの学校全体を動かす仕事も同時に行います。どんなに超人でも、効率良く取り組んでいかないと終わりません。
そこで、新年度0日目の4月1日から始業式までにどのように仕事を進めていくのか、私が経験してきたことをもとにして「失敗しない」という視点で解説していきます。(私の著書『実は学級経営の成否にかかわる極小で極上の技術』(明治図書出版)も併せてお読みください!)
なお、今回もイラストを同僚のRemi先生に描いてもらいました。併せて、読んでいただければ幸いです。
4月1日(新年度0日目、始業式まで5日)

①やることリストを3つに分類する
まずは始業式までの短い期間で効率よく仕事を進めていくために「やることリスト」が必須です。SNSや書籍で様々な方が作成したやることリストをもとに、3つの観点で分類します。このひと手間が仕事をずいぶんとスムーズにしてくれます。
A 学年、学校で行う仕事
職員会議、入学式準備や学年の行事など、1人で進めることができない仕事です。個人の仕事よりも優先される業務ですので、忘れていたでは済まされません。とくに校務分掌で与えられたタスクは、自分で管理して進めていかないと学校全体に影響を与えかねません。
B 学級担任の仕事
教室準備、給食当番表の作成など、学級担任としての仕事です。教室へ行かないとできなかったり、1人で考えたりする必要があります。
C 頭を使わない作業
プリントの印刷、数を数える、配信予約などの作業系の仕事です。掃除などもこれにあたります。とくに、始業式までに整えておかなければならない書類はたくさんあります。
Aはチームで、Bは個人で行う仕事です。Cはメンバー構成ではなく、仕事内容で分類しています。ですので、30分あればBの仕事が、5分あればCの仕事ができると捉えることができます。学年主任が示してくれたやることリストに「A」「B」「C」と振り分けるだけでOKです。

【ダウンロード】4月学年初めのやることリスト
(全58の「やること」を網羅した分類&チェックリスト。記事の最後でダウンロードできます。)
②1学期に使う注文を午前中に済ませる
漢字ドリルや計算ドリル、テストの注文をできるだけ早めに行います。考えてみてください。全国どこの学校もこの時期に発注し、学校に届けてもらいます。4月1日は、それができる最も早い日です。ということは1日遅れるだけで、到着が始業式に間に合わないなんてことも結構あります。
そこで、学年が決まった早い段階で注文をします。できれば午前中です。
こうすることで、ドリルについている復習ページ、テストに付録で付いてくる「◯年生の復習」プリントは、初日から取り組むことができます。どうしても時間がなければ、漢字ドリルだけでも1日の午前中に済ませます。
③教室に最低限の荷物の準備をする
初日のうちに、自分が割り振られた教室で最低限の準備をします。「最低限」がポイントです。例えば、次のようなものです。
- 机と椅子の数を確保する
- はさみとペン(教科書配付で使用する)
- ごみ袋をセットする
- 提出ボックス(雑巾や書類を回収する場所)
もしも翌日から感染症で始業式まで休まなくてはならなくなったとしても、これだけ置いておけば初日は何とか過ごせる、という状態にするのです。とくに、子育て中の先生は、子供が熱を出して休まなくてはならない、なんてことはあり得ますし、介護がある先生も何があるか分かりません。だからこそ、初日のうちに、最低限使うものだけは用意しておきます。こうすることで、何か不測の事態があったときでも1日目だけはどうにかなります。
4月2日(始業式まで4日)

①学年、学校に関わる予定は開始時間を決める
「〇〇さんが来たら学年会しよう」「▲▲さんの電話が終わったら話し合おう」。このように予定を決めていませんか? とくに、学年会の開始をいつにするか、という場面で見受けられる光景です。でもこのように日程を決めると、待っている間に、別の案件が入ったり、教頭先生から呼ばれたり、ライン引きに呼び出されたりと、やろうにもやれない事態が発生します。こうならないために、自分から時間を決めてもらえるように学年主任に聞いてみましょう。
朝、学年全員がそろった段階で、「何時からどこで学年会をしますか?」「今日の入学式準備は何時スタートですか?」と確認します。時間と場所を定めておくだけで、それ以外の時間にBやCの仕事に取り組むことができます。
例えば、10時から学年会だとします。現在、9時25分だとすると、35分間教室に行き、1つや2つ仕事を終わらせることができます。もし時間で決まってなければ、「いつからやるのかな?」と様子を伺いながら職員室で待機しなくてはなりません。もし読者の方が後輩であれば、なおさら、気を遣って自分の仕事が進まないのではないでしょうか。
同じように、お昼を食べているときに、午後の予定をお伺いしてみましょう。
②1学期の授業時数、内容を一覧にする
隙間時間に、教科書会社のホームページや年間指導計画を参考にして、1学期の授業予定を立てます。年間指導計画をそのままでもいいじゃん、と思うかもしれませんが、1枚のシートにまとまっていることが重要です。これなら手帳に挟んで持ち運べますし、ふとしたときに、これらを元に調節することが可能だからです。このとき、テストの時間も含めて時数を組みます。テンプレートを用意しましたので、皆さんの学年、学級に合わせて活用してください。

【ダウンロード】○年生1学期 学習計画テンプレート
(レイアウト調整済みで、すぐに書き込み&プリントできるExcelシートは、記事の最後でダウンロードできます。)
③引き継ぎは命に関わることから聞く
引き継ぎは大切な業務です。しかし、元担任はいろいろな情報をもっているので、伝えておかないと、と思うあまりにダラダラと長時間にわたってしまい、けっきょく重要なことを伝え忘れてしまう、なんてことが起こります。これでは本末転倒です。こうならないように、次の順番で質問していきます。
A 命に関わること:アレルギー、病気等
「アレルギー、エピペン、病気について教えてください」
「どんな配慮が必要ですか?」
新しい担任側から質問する形で行います。これにより、いちばん聞いておかなくてはならない情報を知ることができます。その後、
B 事実:トラブル、問題行動、継続する支援について
C 印象:どんな子か? どんなときに困っているか?
これらを聞いていきます。Cについては元担任の印象を元に語っていることを前提に受け取ります。
引き継ぎでいちばん大事なことは「A 命に関わること:アレルギー、病気等」です。ここに抜けがあってはいけません。ですから、まずはAだけを聞き、確実に引き継げるようにします。
4月3日(始業式まで3日)

①教室の机を確認(高さ、落書き)する
まとまった時間が取れるときに、机の準備をします。まずは、机、椅子の高さは、同じ高さにそろえておきます。時間がかかる作業ですが、時間をかけるだけの価値があります。
学習場面では、4人で班の形にしてフラットな広い机として使うことができるので、真ん中に模造紙を置いたり、パソコンや実験器具を同時に使ったりすることが可能です。子供たちの身長に合わせて高さを変えるという考え方もありますが、私の経験上、学年の標準的な高さに合わせておくことで、ほとんどの子供たちが苦労しませんでした。ですので、集団で学習するときのメリットを取ることにしています。
次に、落書きがないか確認をします。誰でも、4月に与えられた机に変な落書きがあったら気分は下がります。なぜか椅子の裏側や、机の中、足の部分に書かれていることがあります。油性ペンで書かれていたとしても、メラミンスポンジや中性洗剤で消すことが可能です。あまりにもひどい場合は、倉庫にあるものと交換します。
②「学年のねがい」(目指す学年像)を共有する
学年会で話し合うべき内容は、行事の内容や宿題についてなどがありますが、どんな姿を目指していきたいか、子供たちを育てていく願いを共有することを忘れてはいけません。学年の先生が「目指している姿」を出し合い、「どんな子供たちを育てたいか」を擦り合わせておくことは、とても重要です。もし、「学年目標は去年と同じでいいよね」とするなら、ないほうがマシです。
「目指す姿」を語り合い、イメージを共有していくことで、日常的な生徒指導のスタンス、授業の中での活動の組み方、行事に対する姿勢など、様々なことが変わってきます。「目指す学年像」を考えることは、教育活動全ての矢印を同じ方向へ向けてくれます。「やり方」はそれぞれのよさを活かして「目指す学年像」へ向かっていく。学年でそろえるとすれば、これだけで十分です。
③当番システムの大枠を作成する
子供たちが登校してくるようになると、すぐに給食や掃除などの当番活動が始まります。当番活動は「スムーズに運営されること」「全員で平等に分担すること」が重要です。子供たちと一緒に作っていくから何も考えておかない、ということもできますが、「失敗しない」という観点で考えれば、最初の大枠は必要です。私は、基本的に私が作成したシステムで1週間程度取り組んでもらいます。その後、その前の年のシステムの良かったところや改善点を話し合います。
※当番活動については、次回の記事『失敗しない!「安定した1年間を実現する学級システム」完全ガイド』(2026年3月公開予定)をご覧ください。
4月4日(始業式まで2日)

①学年の時間割一覧表を作成する

執筆者:紺野悟(こんの・さとる)
埼玉の教育サークル clover 代表。イベントを数多く企画・運営し、価値ある教育情報を広めている。共著『全単元・全時間の流れが一目でわかる!社会科 6 年 365 日の板書型指導案』(明治図書出版)他多数。新刊『3年目までに身につけたい! 実は学級経営の成否にかかわる極小で極上の技術』(明治図書出版)も好評発売中。
イラスト/Remi ISHIZUKA
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