小5理科「雲と天気の変化」指導アイデア

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執筆/大阪府公立小学校教諭・小髙大輔
編集委員/文部科学省教科調査官・鳴川哲也、大阪府公立小学校校長・細川克寿

小5理科「雲と天気の変化」指導アイデア
写真/金川秀人

単元のねらい

雲の量や動きに着目して、それらと天気の変化とを関係付けて、天気の変化のしかたを調べる活動を通して、それらについての理解を図り、観察、実験などに関する技能を身に付けるとともに、主に予想や仮説を基に、解決の方法を発想する力や主体的に問題解決しようとする態度を育成する。

単元の流れ(二次 総時数/8時間)

◆一次 雲と天気(3時間)

①2時間後の天気を予想しよう(1回目)

2時間後の天気を予想しよう

2時間後の、体育の時間の天気を予想できるかな。

あの雲は、どの方向に動くのかな?

こっちの雲は大きいけれど、雨を降らすのかな?

②雲と天気の関係について調べよう

雲と天気の関係を調べよう

雲の動き方には、きまりがあるのかな。

予想と天気が、違ったよ。

どの雲も、雨を降らすのかな? 調べてみよう。

雲のかたちや量と天気は、関係あるのかな。

③2時間後の天気を予想しよう(2回目)

子供にとって天気は身近であるため、天気について考えてみようとはなりにくいものです。そこで、子供にとって天気が気になる運動会や遠足等の日の天気を予想する活動を行います。天気を予想することで、雲の様子や動きと天気の変化の関係を知らないことに気づき、天気の変化について調べる必然性が生まれ、一次の雲の量や動きと天気の変化について調べる活動や、二次の気象情報や雲の動きと天気の変化のしかたを調べる活動へとつながっていきます。

◆二次 気象情報と天気の予想(5時間)

① 2日後の天気を予想しよう(1回目)
② 気象情報を調べ、天気の変化のきまりを見つけよう
③ 2日後の遠足(運動会等)の日の天気を予想しよう(2回目)

二次では、雲の動きを身の回りの見える範囲だけでなく、日本全体で見たり、数日前から数日後までの時間の経過の中で見たりして、雲は、時間の経過に沿って西から東へと動くことを捉えます。また、雲の様子や気象衛星の画像、アメダスの情報を基に、雲の動きと天気の変化とを関係付けて考えることが大切です。

【単元の終わり】期待したい子供の振り返り

空の観察
単元の終わりの振り返り

西の空の雲は暗く、分厚くて雨が降りそうだね。

西の遠い所はどうなっているのかな、タブレットで調べてみよう。

西の方の遠い所は雲がなく、雨が降っていないから、明後日には雨がやみそうだね。

【単元終わりでの子供の振り返り例】

はじめは、方位を気にせずに雲の様子を見ていたけれど、西の方の空にどんな雲が、どれくらい広がっているのかを見て、天気を予想するようになったよ。気象衛星の画像やアメダスで西の方の雲や雨の様子を調べると、2日後の天気も予想できるね。

【活動アイディア】資質・能力の育成を目指して!

子供の生活と天気を結び付けて授業を行うことで、日常生活で天気を予想し、行動しようとする子供を育成しよう。

授業の展開例

◆二次(5・6・7時) 

②気象情報を調べ、天気の変化のきまりを見つけよう

気象情報を調べ、天気の変化のきまりを見つけよう

2日後の天気の予想は、難しかったよ。

何かわかれば、2日後の天気を予想することはできそうかな。

雲は動いていたから、動く向きにきまりの雲の様子がわかると、2日後の天気を予想できると思うな。

見えている雲はすぐに見えなくなったから、もっと広い範囲の雲の様子がわかると、2日後の天気を予想できると思うな。


問題

天気の変化のしかたには、きまりがあるのだろうか。


観察 天気調べ

雲の状態と天気の関係について調べる

この雲は、衛星画像では、白く薄く見えているね。

西の方は雲が覆っていて、アメダスでは雨が降っているよ。

衛星画像の雲を見ても、雨が降っているかどうかは、わからないね。

この雲は、昨日、大阪のあたりにあった雲と形が同じだね。

●空の観察と気象情報調べを通して、時間的・空間的な見方をする
観察での天気調べでは、見えている空と、気象衛星の画像やアメダスの情報とを見比べる。こうすることで、実感を伴って、雲の広がりや時間の経過による変化を捉えられるようにする。

●タブレットを、結果の共有や考察に生かす
雲の様子や気象衛星画像、アメダスの情報等をタブレットに記録し、見返せるようにする。また、考察時に気象衛星画像等に書き込みをして、雲の動きを捉えられるようにする。

●野外の観察は、安全に気を付ける
屋上での観察では、事前に屋上設備の安全を確認しておく。また、気象情報に注意し、子供に太陽を直接見ないように指導する。


結論

雲は西から東へと動き、天気も西から東へと変化するというきまりがある。


◆二次(8時)

③2日後の遠足の日の天気を予想しよう

2日後の天気を予想する

西の空は雲で暗いけど、その向こうはどうなっているのかな。

アメダスを見ると、西の方で雨は降っていないよ。

衛星画像を見ると、ここから西の遠くの方まで雲が広がっているよ。

2日後の遠足の日は曇るけれど、雨は降りそうにないね。

雲の動きを捉えるためのポイント

子供が雲の動きを捉えるためのポイントは、3つあります。

1つ目は方位です。空を観察するときの方位や、衛星画像の方位、観察シートや写真の方位、板書での方位等、それぞれの東西南北を子供は捉えられていないことがあります。そこで、方位磁針を使ったり方位を示したりして、子供が方位を捉えられるようにすることが大切です。

2つ目は学校の位置です。衛星画像では、日本列島の輪郭しか見えません。そのため、学校のある場所がわからないことがあります。そこで、日本地図上で、どこに学校があるかを常に示し、学校の位置がわかるようにしておくことが大切です。

3つ目は視点の移動です。子供が雲を観察するときは、下から見ています。しかし、気象衛星画像では雲を上から見ることになります。物を下から見るのと、上から見るのとでは見え方が違います。

また、雲を上から見るとき、子供は自分の目をはるか上空に動かして見ることになり、この視点の移動が苦手な子供がいます。そこで、どこから見ているのかを明確にし、視点を移動できるようにすることが大切なのです。

イラスト/高橋正輝、 横井智美

『教育技術 小五小六』2019年4月号より

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