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「おびき」をキむワヌドに再発芋する 䌝説の教垫 倧村はたの囜語授業づくり # 生埒ずの䌚話から生たれた「ほめこずばの研究」

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倧村はた
連茉「倧村はたの囜語授業づくり」バナヌ

日本教育史䞊突出した実践を展開し、没埌20幎を経た今も䌝説ずしお語り継がれる囜語教垫、倧村はた。珟圹時代の教え子であり、その逝去の二日前たで身近に寄り添った苅谷倏子さんが、今、改めお倧村はたの囜語授業づくりの「凄み」を語る連茉です。今回のテヌマは、単元孊習「ほめこずばの研究」です。

執筆苅谷倏子(倧村はた蚘念囜語教育の䌚理事長事務局長)

「集める」ずいう暮らし方

䌝説の囜語教垫ず呌ばれる倧村はたは、その暮らしの日垞に「こずばの材料を集める」ずいう習慣が圓たり前のように根付いおいた。なにも専門的、本栌的な「教材」ず限ったこずではなく、たずえば優れた蟞曞の線纂者が垞にこずばにアンテナを立おお過ごすのずほが同じような密床で、こずばの実態、こずばず人の暮らしの実際の姿を、興味接々で芋぀づけ聞き぀づけ、集め぀づけおいた。「取材」ずいっおもいいかもしれない。本はもちろん、新聞のコマ挫画から店頭で亀わされる䌚話たで、集めれば集めるほど、気づくこず、考えたいテヌマ、新たな知芋は蓄積し、こずばの䞖界の興味深さや豊かさは増す䞀方だったず思う。テレビを芳おいおも、商店街でも、通勀の途䞭でも、ふっず目や耳に入るこずばの新鮮な䞀瞬は、子どもたちを率いおこずばに぀いお考える契機ぞず぀ながっおいった。それは理論から出発しお発想するよりも倚様性や意倖性、新鮮さをもっおいお、よほど頌りになった。そしお、こずばを育おる人ずしお新鮮で倚様な材料を持぀こずは、そのたた教宀をいきいきずしたものにする、ずいう珟実に裏打ちされた実感があった。これは、䌝説の倧村はた囜語教宀から受け止めたいこずがらの䞀぀だろう。

倧村は著曞の䞭でこういう蚀い方をしおいる。

「いい題材に出䌚うには、ずっず぀づけお興味をもっお求めおいるずいうこずが倧切ではないかず思いたす。網がずっず匵っおあるので、ある日の材料がひっかかりたすけれど、ひっかかる瞬間に合わせお網を匵るずいうこずは、たずできないでしょう。」
「網の目が粗くおは、ずらえたものも粗いだろうず思いたす。」

ある日、網にかかった心躍るようななにかは、い぀わらざる喜びず共に教宀で披露され、生埒を惹き぀ける。このこずは、おそらく囜語教育ずいうゞャンルに限ったこずではないだろう。理系でも、歎史や瀟䌚ずいった分野でも、もちろん倖囜語などでも、決たった内容の孊習ずいう固い枠組みの䞭に新鮮な空気を呌び蟌むのは、教垫がその手で集めおきた、教垫本人も嬉しくなるような「ずっおおきの材料」が加わる時なのではないだろうか。それを倧村は「今日の新鮮な䞀滎が必芁」ずいう蚀い方で䌝えようずしおいる。

生埒も集める人になる

ずっず網を匵るこずの苊劎ず倧切さ、だからこその収穫の喜びず手ごたえを知っおいる倧村は、その実感をもずに、生埒たちにも「集める」こずを促した。たずえば新しく知ったこずばを集める、奜きなこずばを集める、読みたい本を集める、新刊曞の広告を集める、ふず気になった衚珟を集める、奜きになれないこずば、問題だず感じるこずばを集める、䜜文の題材を集める、広告に躍る倖来語を集める、自分のテヌマを決めおそれにた぀わるあれこれを集める  そんなふうに、倧村教宀の生埒はよく䜕かを集めお過ごした。

集める、ずいうこずは、やろうず思えば少しず぀でも実行できるし、目に芋える圢で成果が積みあがるから、達成感も埗られた。勉匷しなさい、よく考えなさい、ずいう指瀺よりは、〇〇を集めおみようず蚀われる方がよほど明るく受け止められた。収集ずいうこずは、䞀床味わいを芚えるず楜しいものだ。クラスを率いる倧村自身が根っからの「集める人」だったからこそ、生埒の収集を芋守る人ずしお最適だった。芋守られながら、励たされながら、䞀緒に喜び合いながら、倧村教宀の生埒たちも「集める人」ずしおがんばった。そしおしばしば生埒の集めた資料は、優れたプランの元で新しい単元の材料ずなり、魅力的な研究そうだ、倧村教宀の生埒は自分たちのやっおいるこずを、「研究」ずいう意識でずらえおいたに結晶しおいく、それを構想するのは倧村の埗意ずするこずだった。倖から䞎えられた敎然ずした既補品の材料で孊ぶのずは、たったく別の味わいが、教宀に生たれた。

倧村がこずばの材料や教材を集めるために倧事にしたスチヌルのキャビネット。台に40個の匕き出しがある。これを台、蚈80の匕き出しを持っおいたが、あっずいう間に集めた材料ははみだし、郚屋は資料を収めた茶封筒だらけずなった。このキャビネットは筆者に譲られ、筆者の自宅に眮かれおいる。
倧村がこずばの材料や教材を集めるために倧事にしたスチヌルのキャビネット。台に40個の匕き出しがある。これを台、蚈80の匕き出しを持っおいたが、あっずいう間に集めた材料ははみ出し、郚屋は資料を収めた茶封筒だらけずなった。このキャビネットは筆者に譲られ、筆者の自宅に眮かれおいる。
倧村がこずばの材料や教材を集めるために倧事にしたスチヌルのキャビネット。台に40個の匕き出しがある。

「ほめこずばの研究」その着想

さお今回、取り䞊げるのは、1974幎月に卒業を控えた䞭孊幎生が取り組んだ「ほめこずばの研究」ずいう単元だ。この単元は、前幎春、いよいよ高校進孊を䞀幎埌に控えおいろいろ心配もし始めた新幎生ず倧村の䌑み時間の䌚話から始たったずいう。進孊の際の資料ずしお䞭孊校から指導芁録ずか内申曞などず呌ばれるような曞類が甚意されるが、その䞭に䞀行、担任がこずばで蚘入する人物評定ずいう欄がある、ずいう話が出お、次のような䌚話が亀わされたそうだ以䞋は党集『倧村はた囜語教宀』第巻より。

倧村略ひず蚀曞くこずになっおいるんですよ。空欄にしおおくこずはいけないずいうこずになっおいるんです。

◯ がくなんか、ずっおも、いろんなこず、曞かれおいるず思う  ・

〇 そんな、䞀぀䞀぀のこず、曞くんじゃないんでしょう

倧村 たさか。略ほんずうにひず蚀ですよ。それに、そんなずころに、䞀生にかかわるようなたずいこずを、だいたい曞かないものですよ。「気が匷いな」ず思えば「しっかりしおいる」ず曞くし、「少し気が匱いな」ず思えば「やさしい」ず曞く。ですから、そこはだいたいがほめこずばになるんです。

このこずばが、みんなの関心を呌び起こした。「私の短所をほめこずばで蚀うず」「がくをほめこずばで蚀っおください」ずしばらく賑やかであった。

話題が話題を呌んで、「わたしたちは、自分のこずをどういう人ず蚀われたいものだろうか、どういう人ず蚀われたらうれしいだろう」ずいうこずになった。

〇 おもしろい人。

〇 おもしろい、なんお蚀われたいの

〇 みんなを明るくする人よ。

〇 そういう堎合はいいけれど、前にね、先生から、おずなはね、ちょっず倉わっおる、ぞんな人だず思っおいる人のこずを略「おもしろい方です」っお蚀うずいう話をきいたこずがあるよ。

〇 でも、ナヌモアのある人、ずいうこずもあるんでしょ。

〇 明るい人、です。

〇 あず、やさしい人、です。

〇 あら、「やさしい人」は「気の匱い人」ず蚀うこずでしょう先生

倧村 いえ、そういうこずもある、ずいう話ですよ。ほんずに「やさしい人」が、もちろんありたすよ。

〇でも、ほんずにやさしいず぀い  。

私はこの子どもの蚀いかけた意味がよくわかった。そしおこの雑談から、䞀぀の孊習を展開したいような、それができそうな気持が湧いおきお、胞の高鳎りを感じた。子どもたちは、なお次々ずいろいろのこずばを出しおいる。略

こうしお、生埒たちの「こう蚀われたい」ず思う奜きなほめこずばを䞭心に、「ほめこずばの研究」ずいう単元が立ち䞊がったのだった。

党集から匕甚した䞊蚘のやりずりは、録音ではなく、おそらく倧村の蚘憶から曞き起こされたものだ。非垞に耳のいい、そしおこずばを蚘憶に刻む力に優れた倧村であったから、この䌚話はかなり実際に近いものだったず思われる。

ここに芋えるのは、こずばをめぐっおちゃんず目が芚めおいる人たちの正盎な、く぀ろいだ、心からのやりずりだ。本気で話す気のない、建お前や圹割䞊の決たったセリフのような䌚話ではない。たずえば、「ちょっず倉わった人のこずを『おもしろい方』ずいうような蚀い方をする」ずか、「やさしい人は『気の匱い人』ずいうこず」ずか「ほんずにやさしいず぀い  」ず蚀い淀むなど、こずばにしっかりず目ず心が向いお、考えようずしおいるこずがわかる。こういう姿勢を、倧村は立ち話の䞭でも生み出しおいたこずがよくわかる。こずばに関しお、倧村はフランクであり、正盎だった。それが囜語教宀を䞋支えしおいたこずがよくわかる。

そしお、こうした流れが教宀党䜓に共有され、「ほめこずばの研究」のいわば生きた「おびき」になった。「おびき」はこのようにふず生たれるものでもあった。

「ほめこずば」を集める

こうしお構想された「ほめこずばの研究」ずいう単元のため、倧村は倏䌑みの宿題ずしお「ほめこずばを集める」ずいう課題を出した。日垞生掻の䞭から、自分がこうほめられたらうれしい、あの人をほめるのにこのこずばがぎったりだ、ずいうような衚珟を集めおいく。甚玙を準備しおおいお、気づいたずきにさっずメモを取るようにする。倧村教宀で鍛えられお幎生になっおいれば、䞀぀の課題を持っお「集める」姿勢になるこずはできたはずだ。ただ、残念ながら40日ほどの倏䌑みの間、生埒たちは䞀堂に䌚する機䌚はなく、䞀人䞀人で動くしかない。教宀で「集める人」どうしで亀流したり、励たし合ったり、刺激し合ったりするこずはできなかった。もっず倧事なこずずしお、ボスである倧村の期埅の県、芋守り、励たす姿はそばになかった。それは倧きなマむナスになっただろう。それでも生埒たちは、宿題を無芖するわけにもいかず、「ほめこずばを集める」ずいう課題があるこずをどこかで意識し぀づけ、アンテナは匵っおいたこずだろう。

アンテナが立った時点で、たずえそれが倏䌑みゆえに少し遊び惚けたアンテナであったずしおも、気にしおいるずいうだけで、こずばの芋え方は埮劙に倉わっおくる。これは、他のどの課題であった堎合でも同じこずだが、「集める人」には「集めおいなかった時」ずは違うものが芋えおくる。そしお、集めれば集めるほど、埐々に目が利くようになる。集めるのがどのような察象であっおも、䞀旊、目が向き、集めるずいう姿勢に立ったずたんに察象は背景から埐々に浮き䞊がっお芋えおくる。気にしなかったずきずは別物に倉容する。そしお、集める人は少しず぀芋る目が育ち、新たな着県点が育ったりしお、䞀぀成長するのではないか。

ためしに、この連茉を読んだあなたには、今から二日間でいいので、身の回りの「ほめこずば」を本気になっお集めおみおいただきたい。おそらく読者の倚くは教員をなさっおおいでだろう。そしお、教育の䞖界では「ほめるこず」は倧切なこずずされ、実際に䜕かに぀けおは子どもをほめおいらっしゃるに違いない。けれども、どんなこずばでどんなふうに、どんなタむミングでほめおいるか、それをはっきりず意識するこずはあたりないのではないだろうか。䞖の䞭で䜿われおいるほめこずばは、意倖に倚いのか、少ないのか、ありきたりのものにしか出䌚わないのか、予想以䞊にほめこずばは身近にあるのか、圹立たずのほめこずばもあるのか、䞀芋ほめこずばに芋えなくおも実際には確かにほめおいるずいうこずばもあるのか。どんなこずばが盞手の心にしっかりず届くのか。玙を䞀枚甚意しおほめこずばを虚心に集めおいくうちに、おそらく少しず぀、自分の䜿うほめこずばの有り様になにがしかの気づきや感慚を持たずにはいられないのではないだろうか。「集める」ずいうこずにはそういう䜜甚がある。だから、倧村はたは生埒たちによくいろいろなモノを集めさせ、時間もかけ、「励たす」「楜しみに芋守る」ずいう゚ネルギヌも泚ぎこんだ。「集める」こずで自ら気づくこずがきっずあるからだ。「集めおいない人」にはわからないものをい぀の間にか埗おいく。

幎生の孊期に、いよいよこの単元の実践が始たる。 生埒たちによるほめこずばの収集に、倧村も少し加えたずいうが、

「網矅しようずはしなかった。これは専門的な、孊問的な研究ではなく、こずばに぀いおの関心を高め、こずばに察しおの感芚を鋭くするのが目的だからである。略ずにかく、みんなの生掻のなかで拟ったものでないず、その語の感じがずらえられおおらず、それを説明しお理解させるようなこずばでは、今床のこの研究はできにくいからである」。 (前掲曞より)

この目的意識や察象、方法の絞り蟌みはいかにも倧村はたらしい。専門的な研究でないこずを明確に芋極め、目的にちょうどいい圢に確かに据えおいる。そこには足りないずいうネガティブな意識も、未熟ずいう無念さもなくお、目の前の生埒たちにちょうど適しおいるこずぞの安心が倧事にされおいる。

「ほめこずば」を分類敎理する

集たったほめこずばは、倧村ず囜語係の手によっお分類され、そのうち䞀定以䞊の数の集たった皮類だけを取り䞊げるこずにした。時間の郜合䞊、たたグルヌプ線成の郜合䞊、党郚取り䞊げるこずは無理だからだ。その皮類は次の通りだ。

第矀 努力しおいる はりきっおいる がんばっおいる ファむトがある 打ちこんでいる 熱心だ の鬌 勉匷家 努力家 がんばりや 䞀生けんめいやっおいる

第矀 りこうだ 賢い 頭がいい さえおいる 鋭い 勘がいい きれる 聡明 頭の回転が速い ぬけめがない 目から錻に抜けるようだ

第矀 たくたしい 匷い しっかりしおいる たのもしい 頌りになる 勇気がある 勇敢だ 根性がある りっぱだ

第矀 明るい ほがらかだ 明朗だ おもしろい 陜気だ たのしい 愉快だ 快掻だ 晎れやかだ にぎやかだ

第矀 やさしい あたたかい 芪切だ 思いやりがある 枩和だ 穏やかだ 人間味がある

第矀 元気だ は぀ら぀ずしおいる 掻発だ いきいきしおいる 機敏だ 掻動的だ はきはきしおいる おきぱきしおいる 掻気がある

ちなみに扱わなかったものは次のようなグルヌプだ。

 気品がある 䞊品だ しずやかだ 瀌儀正しい 行儀がいい

 たじめ 誠実 䞀生懞呜

 玔真 すなお 善良 玔粋

 あいそがいい かわいい 愛きょうがある かわいらしい 人圓たりがいい

 気持ちのいい きさく さっぱりしおいる

ランダムに集められたものを分類するずいう䜜業は、必ず興味深いものになり、思考の敎理を進める䞊で有甚なものだ。倧村はさたざたな単元でそれを䜓隓させおいる。しかしこの単元では時間的な制玄などからそこに重きを眮くこずはせず、囜語係ず倧村ずで別途枈たせおいる。このあたりも実践の敎理の仕方ずいう点で朔い決断ず蚀えそうだ。

「ほめこずば」をランキングする ―個人で、぀ぎにグルヌプで―

こうしお矀に分類された「ほめこずば」を材料ずしお、生埒はグルヌプに分かれ、担圓の語矀を研究するこずになった。その方法ずしおは、たずは個人個人で10個ほどの察象ずなる「ほめこずば」をじっくりず眺め、味わい、刀断しお、個人ずしおのランク付けをしおいく。どのこずばがより䞊䜍の「蚀われおみたい、䟡倀の高いものか」「どのほめこずばが奜きか」ずいう䞊べる䜜業をするのだ。小さなカヌド枚に語を曞き、机の䞊で物理的に䞊べるこずで思考を芋える圢にしただろう。そういう䜜業は考えるずいうこずを地道に、しかし着実に支えおくれる。そうやっお自分なりのランキングを䜜っおいく。気づいたこずはすかさずメモしおおく。そしお各自が自分のランキングを持ちながら、同じグルヌプの仲間ず意芋亀換をする。䞀぀䞀぀こずばを取り䞊げながら、自分の感じ取ったこずをこずばにしおいく。たずえばこんな話し合いがあったずいう。

〇「おもしろい」―これは、ほら、少し倉わっおいる人のこずをかっこよく蚀うこずばなんでしょ。

〇 そんなこずないよ。「おもしろい」は「おもしろい」だ。ナヌモアのある人のこずだよ。

〇 この詩のおもしろさはどこにあるか、ずか、ああいうのは、味わいが深いずいう意味だね。「おもしろい人」も味のある人ずいう意味じゃないか。

〇 おもしろい先生―ずいうず、味があるなんおいうより、冗談を蚀ったり、授業䞭にも䜕床も笑わせおくれたりする先生のこずじゃないか。

〇 おもしろい先生、ずいうずきは、絶察ほめこずばでしょう。さっき出た、そのなんか倉な、なんおいう意味にはならない。

〇 「おもしろい」はやっぱりほめるこずばだず思いたす。こずに、先生の堎合は、四角四面ではなくお、芪しみやすい感じ。

〇 おもしろい先生、ず続かないずきは、少し耇雑なわけね。

「おもしろい」が属する第グルヌプには合蚈10個のほめこずばがある。それをこのように䞀぀䞀぀取り䞊げながら、より奜たしいものの順に䞊べ、グルヌプずしおのランキングをたずめおいくわけだ。䞀぀䞀぀に目を留めながら考えがめぐり、比范し、刀断を䞋しおいく、その頭の動かし方自䜓がこずばの感芚を磚く実習になっおいくのがわかる。

ランキングずいう䜜業は、䞀芋ずおも単玔で、時には乱暎な刀断を匷いられるようにも思えるが、「結論が倧事なわけではない」こずをしっかり頭に眮けば、䞀぀の思考実隓ずしおたいぞん有甚であるこずがわかるのではないだろうか。䞊べお順䜍を付けようずすれば、䞀぀ひず぀を泚芖せざるを埗なくなり、さらには、自分の刀断や䟡倀芳が問われ、自分の頭の䞭を芗き蟌むこずになる。ここで忘れおはならないのは、生埒たちが既に時間ず手間をかけお「ほめこずば」を暮らしの䞭から集めおくるずいうプロセスを経おいるずいうこずだ。ある䞋地を備えた人たちの集団なのだ。突然降っおわいた課題におずおずず取り組むのずは違うはずだ。そうした䞭でさらに他の人の぀けたランキングず比べるこずによっお、自分のものの芋方やこずばの瀟䌚的偎面も芋えおくるこずになる。

その埌、グルヌプ倖の人を察象に、担圓したほめこずばに぀いおアンケヌトを取り、それを集蚈し、分析し、発衚する。分析の枠組ずしおは、ランキングに男女の性差があるか、意味の狭さ広さに傟向があるか、音から来る差は認められるか、などが想定された。そうやっお぀の分野のほめこずばに぀いお研究し、発衚䌚が開かれお単元は終わっおいる。

「集める」「分類する」「䞊べるランキングする」「話し合いながら䞊べ盎す」「分析する」ずいうこの䞀連の孊習は、そのプロセスのどこにも難し過ぎるずころがなく、同時に、こずばに目を向ける䜓隓を蓄積し、感芚を研ぎ柄たし、考えを敎理する、ずいう倧事な頭の働かせ方を䞀貫しお埌抌ししおいる。そしおそのレベルの高さを、ボスずしおの倧村が目立たぬ圢でおびきし、保っおいた。

――こうやっお本気になっお考えたずきにだけ、力は぀くのだ、ず生埒が疲れた様子をみせるたびに倧村は優しい顔をしお請け合っおくれたものだ。

倧村はたの肖像

倧村はた略歎
おおむら・はた。1906明治39幎暪浜垂生たれ。東京女子倧孊卒業埌、長野県諏蚪垂の諏蚪高等女孊校に赎任。その埌、東京府立第八高等女孊校ぞず転任。すぐれた生埒たちを育おるが、戊䞭、慰問袋や千人針を指導、孊校が工堎になる事態たで経隓する。
敗戊埌、新制䞭孊校ぞの転任を決め、埌に囜語単元孊習ず呌ばれるようになった実践を展開。叀新聞の蚘事を切り抜いお、その䞀枚䞀枚に生埒ぞの課題や誘いのこずばを曞き蟌み、100枚ほども甚意し、駆け回る生埒を矜亀い締めにしお捕たえおは、䞀枚ず぀枡しおいったず蚀う。1979昭和54幎に教職を去るたで、単元蚈画をたお、ふさわしい教材を甚意し、こどもの目をはっず開かせる「おびき」を甚意しお、ひたすらに教え぀づけた。退職埌も、90歳を超えるたで、新しい単元を創り぀づけ、教える人は、垞に孊ぶ人でなければならない、ずいうこずを自ら貫いた。著曞倚数。
2005幎、98æ­³10ヶ月で他界。その前日たで掚敲を進めおいた詩に、「優劣のかなたに」がある。

筆者略歎
かりや・な぀こ。1956幎東京生たれ。倧田区立石川台䞭孊校で、単元孊習で知られる囜語教垫・倧村はたに孊ぶ。倧村の晩幎には傍らでその仕事を手䌝い、その没埌も、倧村はた蚘念囜語教育の䌚理事長・事務局長ずしお、倧村はたの仕事に孊び、継承しようずする掻動に携わっおいる。東京倧孊囜文科卒。生きものず人の暮らしを描くノンフィクション䜜家でもある。
䞻な著曞に『評䌝倧村はた』小孊通『倧村はた 優劣のかなたに』『こずばの教育を問い盎す』鳥飌玖矎子、苅谷剛圊ずの共著『フクロりが来た』筑摩曞房『タカシ 倧䞈倫な猫』岩波曞房等。

ロングセラヌ決定版
灯し続けるこずば
著倧村はた

「囜語教育の神様」ずたで蚀われた囜語教垫・倧村はたの著䜜・執筆から遞びだした珠玉のこずば52本ず、その呚蟺。自らを埋し぀぀、人を育おるこずに人生を賭けおきた倧村はたの神髄がここに凝瞮されおいたす。子どもにかかわるすべおの倧人、仕事に携わるすべおの職業人に、折に觊れおペヌゞを開いお読んでほしい䞀冊です。新曞版/164頁

https://www.shogakukan.co.jp/books/09840090

倧村はた先生の貎重な講挔動画「忘れ埗ぬこずば」倧村はた先生 癜寿蚘念講挔䌚 ぀のこずばが぀むぎ出す、囜語教育の源泉【FAJE教育ビデオラむブラリヌ】〈動画玄60分〉がこちらでご芧いただけたす。

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