伴走を振り返る~若手支援で生まれた問いを考え続けたい~【連載|若手が育つ! センパイのための伴走力トレーニング #6】
大ベテランの先生でも、実は初心者マークがついてしまうかもしれないこと、それは、若手教員の育成かもしれません。初任者指導担当の経験を持ち、地域の垣根をこえて様々な教員から相談を受けている森万喜子先生は、「若手育成の基本は、その人が持っているよさを客観的な立場から認める、ユニークな点などに興味を持って聞くこと」と言います。どんな教員にも、理想や意欲はあります。それを引き出すためにできることは、上からの「指導」ではなくフラットな「伴走」。それは人手不足の教育現場で教員の離職を防ぐためにも、センパイ教員の大切なスキルです。

執筆/元北海道公立中学校校長・森 万喜子
目次
1年を振り返って
この連載も6回目を迎え、今回で一区切りといたします。初めて教員になった、学校のスタッフになった、そんな若い人たちを、やりがいをもって幸せに働く学校の大人になってもらうために、どう支援していくか。この問いは、自分の「いきる」「まなぶ」「はたらく」を問い直すものになりました。
今回は、そんな1年を振り返り、今、私たちはどこにいるのか、これからどこに行くのかを確認したいと思います。
世の中の時間・学校の時間の差を意識する
世の中の変化はとても早く、特に生成AIを筆頭に、テクノロジーの進化をキャッチアップするのが大変、と感じる昨今です。社会の状況を見ても、少子高齢化、労働人口の減少など、還暦を迎えたからリタイアして悠々自適……なんて過去の話になりました。理系の人材の圧倒的な不足、終身雇用制の終焉など、私たちが若い頃には予想もできなかった未来が、今目の前にあります。
世の中が急流のような時間の流れであることと比べると、学校の時間の流れは比較的ゆったり。最上川と信濃川くらい違う。学校の中にある目の前の忙しさは否定しませんが、世の中の変化に対応して今までやってきたことを見直すとか変えることには抵抗感があるように見えるのですが、いかがでしょう。
私たちが伴走した初任者の方々は、これから何十年も働きます。もちろん途中で別の職種に転職する方だっているかもしれませんが、私たちは、急流の流れもしっかりと見ながら「今までこうだった」にとどまりそうな学校の今の不具合を、見直し手直ししていかなければならないのですよね。
