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2学期を終えて<探究のすすめ方・小1&小3アドバンス(統合版)>

連載
探究のすすめ方 中学校・高等学校 方法論編
連載
探究のすすめ方 ~小学校・中学校・高校対応~

四天王寺大学教育学部准教授

仲野 純章

早いもので、もう2学期も終わり、冬休みを迎えようとしています。終業式を明日に控える中(本記事執筆時点)、1年生のベーシックアドバンスを指導されている茨木恭子先生、そして3年生のアドバンスを指導されている渡邊紀志江先生を訪ねました。小学校の探究学習についてどのように向き合っていらっしゃるか、改めてお話を伺いました。今回は、その内容を1年生・3年生統合版記事としてお伝えします。

社会科を中心とした「教科」を意識しながら社会・実生活の中にある多くの情報を整理・再構成して、自分なりに思考・発信していく力を育てる授業「アドバンス」。
本連載では小学校の探究学習の実践例として、独自の探究的な授業カリキュラムを実践している奈良育英グローバル小学校の取り組みを紹介しています。同校では、1年生の探究的授業を「ベーシックアドバンス」、2年生から4年生までは、これを発展して「アドバンス」と呼びます。

執筆/四天王寺大学教育学部准教授・仲野純章

年末行事関連のイラストが描かれた黒板

「発表が楽しい」1年生の教室で起きていること

まず話題に上がったのは、1年生の変化です。「最近は、とにかく発表するのが楽しくて仕方ない、という雰囲気になってきました」と茨木先生は話します。その理由は、いわゆる「先生にほめられるから」ではありません。発表したことに対して返ってくる、友だちの反応。「えー!」「なんで?」「すごい!」「それ知ってる!」といった声です。そうした驚きや質問、笑い声そのものが、子どもたちにとっての喜びになっているのです。

発表する → 反応が返ってくる → それがうれしい。この循環が回り始めると、発表は「がんばるもの」ではなく、「やりたいもの」になっていきます。そのために教員が意識しているのが、「どんな発表にも何かしらの反応が返る空気」をつくること。正解・不正解ではなく、「聞いてもらえた」「受け取ってもらえた」と感じられる場が、探究学習を支える大切な出発点になっていることを感じさせられます。

「相手に伝える」へと視点が動き始める3年生

一方、3年生では少し違った成長が見られます。渡邊先生は、「1・2年生の頃は『話したい!』という気持ちが前面に出ていましたが、3年生になると『相手に伝える』という意識がはっきりしてきました」と語ります。「自分が何を言いたいか」から、「相手は何を知りたいだろうか」へ。視点が自分から他者へと移っていくこの変化は、探究学習においてとても大きな意味をもちます。調べたことや考えたことを、どう整理すれば伝わるのか。発表は、思考を磨くための装置としても機能し始めているようです。

探究指導を進める上での、正直な悩み

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