小4社会「東京都(都道府県)の様子」指導アイデア
執筆/東京都公立小学校主任教諭・栁沼麻美
編集委員/文部科学省教科調査官・小倉勝登、東京都教育庁指導部義務教育指導課・秋田博昭
目次
目標
我が国における東京都の位置、都全体の地形や主な産業の分布、交通網や主な都市の位置などに着目して地図帳や各種の資料で調べ、白地図などにまとめることを通して東京都の様子を捉え、東京都の地理的環境の概要や47都道府県の名称と位置を理解できるようにする。

問題をつくる
日本地図や写真から読み取ったことを基に、東京都の地理的環境について話し合う。 (1、2、3/8時)
導入のくふう
地形、産業、交通網などに着目できる写真を提示し、自分たちの暮らす地域との共通点や相違点を話し合うことで、「東京都には、いろいろな姿がある」「ほかの県と比べてどのような特色があるのだろう」という問いをもち、主体的に追究できるようにする。
第3時
(第1、2時では、我が国における東京都の位置や47都道府県の名称と位置に関する学習を行う。)
これらの東京都の写真を見て、どのようなことを感じたのか話し合ってみましょう。

高いビルがたくさんあり、人もたくさんいます。東京都のどのあたりなのかな。
山や島もあるね。東京都はどんな地形をしているのかなと思いました。
空港があるのですね。東京都の交通の様子はどうなっているんだろう。
東京都にはビルもあれば畑もあるんだね。東京都は、どのようなところだと言えるのか調べたいです。
学習問題
『私たちが住む東京都はどのようなところなのだろう』
学習の流れ(8時間扱い)
問題をつくる(3時間)
- 東京都の大きさや形、位置等を調べる。
- ほかの道府県の大きさや形、位置や特産品などを調べる。
- 都内の各地の写真を見て、東京都とはどのようなところなのかを話し合う。
[学習問題]
私たちが住む東京都はどのようなところなのだろう。
↓
追究する(3時間)
- 東京都の地形を調べる。
- 東京都の土地利用や主な産業の様子を調べる。
- 東京都の交通網や主な都市の様子を調べる。
↓
まとめる(2時間)
- 調べたことを白地図(リーフレット)にまとめ、東京都の特色(地理的環境の概要)を考える。
- 白地図(リーフレット) を紹介し合い、東京都の特色についての考えを交流する。
まとめる
調べたことを白地図(リーフレット)に整理し、東京都の特色(地理的環境の概要)をまとめる。 (7、8/8時)
話合い活動のくふう
「私たちが住む東京都はどのようなところだろう」という学習問題に対して、自分が考えた東京都の特色をまとめた白地図を用いて、グループで説明し合うことで、東京都の地理的環境の概要をより深く理解できるようにする。
第8時
白地図を使いながら、東京都にはどのような特色があるのか、自分の考えを発表しましょう。

東京都は島も多く、海が広いと言えると思います。なぜならば…
東京都は鉄道や高速道路で全国各地とつながっています。また、ここにある東京港や羽田空港は世界の国々ともつながっています。
考えを書かせる際には、東京都の特色として特に伝えたいと思ったことを、理由とともに表現させることが重要です。
話合い活動で友達の考えを聞いて、自分の考えが広がったり深まったりしたことを書くことは、自分の考えを再構成することにつながる大切な活動です。
単元づくりのポイント
★47都道府県への関心を高める・立体地図などを活用する
本単元では、自分たちの生活している都道府県の地理的な位置を調べるとともに、47都道府県の名称と位置についても学習する必要があります。そのため、クイズなど活動を工夫して、子供の興味・関心を高めることが大切です。
また、地図帳だけではなく、立体地図などを活用することで、子供が見たり触れたりして実感した土地の高低などを白地図にまとめ、説明する活動などを通して、地形や土地利用の様子を捉えるようにしましょう。その際には、方位や地図記号など、第三学年で学習したことを想起させることも大切です。
イラスト/横井智美
『教育技術小三小四』2019年4月号より