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いじめを未然に防止する 教師の視点と指導のポイント【子供の個性と能力を最大限に引き出す 学級経営の極意Ⅲ③】

連載
子供の個性と能力を最大限に引き出す 学級経営の極意Ⅲ
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埼玉県東松山市教育委員会教育長職務代理者

稲垣孝章
子供の個性と能力を最大限に引き出す 学級経営の極意Ⅲ バナー

子供の個性と能力を最大限に引き出すためには、教師はどのような指導をしていけばよいのでしょうか。学級経営を長年、研究・実践してきた稲垣孝章先生が、全15回のテーマ別に、学級の中で個々の子供の力を伸ばしていく方法について解説します。第3回は、いじめ問題への対応について解説します。

執筆/埼玉県東松山市教育委員会教育長職務代理者
 城西国際大学兼任講師
 日本女子体育大学非常勤講師・稲垣孝章

「いじめ問題」への対応は、喫緊の教育課題です。現代のいじめは、パソコンやスマートフォン等の介在により表面化しにくく、見えにくいものとなっている現状があります。教師は、いじめはどの子供にも、どの学校でも起こり得るものとして、また、誰もが加害者にも被害者にもなり得るものであることを十分に認識して指導する必要があります。

そこで、「いじめ問題」を理解し、積極的に対応するにあたって、次の3つのキーワード「いじめの構造の理解」「いじめの心理の把握」「指導上の配慮点」でチェックしてみましょう。

CHECK① いじめの構造を理解しよう

平成25年に制定された「いじめ防止対策推進法」第三章第十五条「学校におけるいじめの防止」には次のような記載があります。

「学校の設置者及びその設置する学校は、児童等の豊かな情操と道徳心を培い、心の通う対人交流の能力の素地を養うことがいじめの防止に資することを踏まえ、全ての教育活動を通じた道徳教育及び体験活動等の充実を図らなければならない」

いじめは、「意識的」かつ「集合的」に行われます。その関係は、「いじめる側」と「いじめられる側」の2者関係だけの成立ではないことを、子供たちが理解できるように指導することが求められます。

「いじめの構造」を踏まえた指導を行います

「いじめの構造」には、「いじめる側」「いじめられる側」以外に、次のような立場があることを、子供たちが理解できるように指導します。

・いじめの行為を、周りではやし立てたり面白がったりする「観衆」としての立場
・いじめの行為を、周辺で見て暗黙の了解を与えている「傍観者」としての立場
・「傍観者」の中から意思をもって、いじめの行為を抑止する「仲裁者」としての立場

学級集団の中に、正義が正義として通る雰囲気を醸成し、子供たちの中から「仲裁者」が現れるような学級経営を推進していきましょう

CHECK② いじめの心理を把握しよう

「いじめる側」の心理には、子供の不安や葛藤、劣等感や欲求不満などが潜んでいることが少なくありません。これらの心理を把握することは、いじめの対応への方向性を示唆するだけでなく、その視点で子供を見取ることによりいじめの未然防止にもつながります。

教師は、子供たちの心に寄り添い、まずは「いじめられる側」の子供の現状と心理状態を把握し、徹底していじめられる側の子供を守り抜く姿勢を示すことが指導の根幹です。いじめの対応には、誰の心にも潜む対人関係による「いじめる側」の心理があることについても理解しておく必要があります。

いじめにあった子に「先生は何があっても必ずあたなを守るからね」と伝える男性教師

いじめる側の心理を確認して適切な指導をします

いじめ問題の対応には、学級集団としての支持的な雰囲気を醸成したり、共感的な態度を育成したりできるような学級経営が求められます。まずは、次のような対人関係における「いじめる側」の心理を確認しておきましょう。

・「心理的なストレス」を解消しようとする心情からの行動
・「遊び感覚やふざけ意識」としての行動
・集団内の「異質な者への嫌悪感情」からの行動
・「ねたみや嫉妬感情」からの行動
・いじめの被害者となることへの「回避感情」による行動 など 

CHECK③ 指導上の配慮点

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