【スクさぽサポーターインタビュー♯1】幅広い学校業務に触れ、理想の教師を目指したい!

横浜国立大学教育学部に在籍し学業に励みつつ、「みん教のスクさぽ※」の現地支援サポーターとして活躍している小林舞子さん。教師を目指しているという彼女に、実際に教育現場で働いてみた感想、ボランティアと有償で子供を支援することの違い、学業との両立のコツなどについて聞きました。
※「みん教のスクさぽ」は、小学館グループとみんなの教育技術編集部が開発中のスクールサポート事業。外部のサポーターが自分の都合の良い時間に学校で教員をサポートすることができる仕組みです。
現在、神奈川県横浜市のモデル事業として検証中で、サポーターを2025年11月30日まで募集しています(検証期間は2025年12月25日まで)。興味のある方は、ぜひこちらまでご連絡ください!
【お問い合わせ先】
小学館「みん教のスクさぽ」事務局
m-sukusapo@shogakukan.co.jp
目次
「みん教のスクさぽ」の現地支援サポーターに応募した理由
子供の支援以外にも、幅広い業務をサポートできることに魅力を感じた
―「みん教のスクさぽ」の現地支援サポーターに応募しようと思ったきっかけを教えてください。
小林 大学に入学後、授業の一環として大学近くの小学校でもボランティアを経験したことがありました。現在もそのボランティアは続けているのですが、もっと他にもいろいろな学校にも行ってみたいと思っていたところ、先生からの紹介を受けて興味を持ち応募しました。


―「みん教のスクさぽ」の現地支援のどのような点に興味を持ったのですか?
小林 一番魅力に感じたのは、業務内容に「教職員の事務作業のサポート」が含まれていたことです。ボランティアで通っている小学校では、クラスに入り子供たちと一緒に活動することが主な業務内容なのですが、私は事務作業を含め、教室以外での先生方の仕事も実際に自分の目で見てみたいと思っていたんです。「みん教のスクさぽ」の現地支援では、先生方の幅広い業務をサポートできることを知り、ぜひやってみたいと思いました。
教師を目指す理由
楽しくて仕方なかった学校生活。今度は自分が楽しい学校環境をつくれる教師になりたいと思った
―小林さんは、教師という仕事そのものにも関心が高いのですね。教師を目指されているということですが、教師になりたいと思った理由を教えてください。
小林 もともと子供が好きだったこともあり、将来的には子供と関わる仕事をしたいと漠然と思っていました。そんな中で、大学受験を控え目指す進路を考えたとき、これまでの自分をふり返ってみると、私にとって小学校から高校までの学校生活はすごく充実した楽しい時間だったなと思えたのです。学校で友達と遊ぶのも、給食をみんなで一緒に食べるのも大好きでしたし(笑)。また先生とも、質問するなどコミュニケーションをとる中で、次第に距離が縮まり身近な存在になっていくのがとてもうれしかったんです。そして、私がこんな素敵な思い出をつくることができたのも、そうした環境を作ってくれた先生方のサポートがあったからなんだなと考えるようになり、今度は自分が子供たちに「学校って楽しいな」と感じてもらえるような環境を提供してあげる立場になりたいと思い、教師を目指すようになりました。
―子供たちに関わる活動に関して、他にはどのようなことをしているのですか?
小林 中学生の時に、自分が通っていた保育園でボランティアとしてお手伝いをしたことはありますが、本格的に活動するようになったのは大学に入学してからです。私は推薦入試を利用して入学したので大学受験が12月に終了したこともあり、入学するまでの期間に、外国籍の子供や留学生と日本語で会話をする日本語教育のボランティアをしていました。また大学入学後は、子供たち向けのイベントなどを学生たちで企画しています。いろいろな活動を通して、子供を様々な角度から見てみたいと思っています。
現地支援サポーターを経験した感想
短時間でも様々な業務が経験できた上、教員同士の連携の意義を間近で感じるなど新たな発見も!

―実際に「みん教のスクさぽ」で現地支援サポーターを体験した感想は?
小林 初日は、朝8時から12時30分まで、午前中だけ2年生の普通クラスを担当しました。授業中の見守りや学習で困っている子のサポート、休み時間には子供たちと一緒に遊んだりしました。
低学年は初めてだったのですが、高学年の子供たちに比べて「先生と一緒に遊びたい。お話ししたい」という気持ちが強くて、みんなとてもかわいくて楽しかったです。休み時間には一緒に鉄棒や鬼ごっこをしましたが、私も低学年の子にはまだ勝てるので、「先生すごい!」と言ってもらえてうれしかったですね(笑)。
また、宿題用のプリントの印刷や丸つけなども行いました。希望していた教室以外での事務的な業務を経験できたことはよい経験になりましたし、職員室での先生方のお仕事や、他の職員の方々との会話などを聞いて新鮮な発見もありました。印象に残ったのは、先生方の連携のすばらしさです。私はこれまで、教師が把握できる児童の範囲は、自分のクラスの児童に加え、同じ学年の子供たちくらいだろうとイメージしていました。しかし、前回「みん教のスクさぽ」でうかがった学校の先生方は、クラスや学年を超えて、ほぼ学校全体の児童のことを把握していたのです。子供たちの様子を共有するなど、教員同士がよく連携を取っているからなのだろうなと思いました。
こうしたリアルな教育現場を見ることができたことで、教師になりたいという気持ちも一層強くなりましたね。
―大変だったことはありませんでしたか?
小林 これまでも子供と関わる機会が多かったこともあり、たくさんの子供と接することに抵抗感はなく、また私は常に「自分も楽しもう」というスタンスを心がけているので、緊張もせずに初回からスムーズに取り組めたかなと思います。
ただ、クラスの中には長時間座っているのが苦手な子がいて、時々教室から飛び出してしまうこともありました。その時は私がその子を迎えに行き、担任の先生が教室に残ってクラスを落ち着かせてくれていたのですが、もし先生が1人しかいない場合、先生がその子を追いかけていってしまうと、教室には大人が誰もいなくなってしまいますよね。教室に児童だけしかいないという状況はやはり危険ですし、かといって、先生が教室に残れば、みんな教室を飛び出していった子のことが気になってしまうでしょう。いずれにせよ、クラスは落ち着かない状態になってしまうので、やはり担任の先生の目が行き届かない範囲を他の大人が見てあげるということは、先生にとっても子供たちにとっても安心感につながり、大事なことなのかなと思いました。
ボランティアとの違い
有償であることで、責任感や積極性が強まり、学びも深まる

―小学校でボランティアとして働くのと、有償のサポーターとして働くのとでは、何か違いを感じることはありますか?
小林 ボランティアとの違いとしては、お金をいただいているということで責任感も強まり、よい意味で緊張感があるなと感じています。ボランティアの場合は、あまりよい表現ではありませんが「お世話をしてあげている」「サポートしてあげている」という意識が無意識に働いてしまいがちです。有償のサポーターの場合は、先生に任せきりにするのではなく積極的に自分から質問するようになるし、子供たちとももっとよい関わり方がないか工夫しようという意識も高まります。そうやって自分から意欲的に考えたり動いたりすることで、学べることや経験できることも多くなるのではないかと思います。
ー今後現地支援を続けていくにあたり、どんな活動をしてみたいですか?
小林 今後もできるだけいろいろなクラスを担当してみたいです。他のクラスや他学年の先生の授業を見て、それぞれの先生の実践を学びたいと思っています。また遠足や宿泊学習などの行事にも参加したいし、個人的には中学校にも行ってみたいですね。
学業との両立について
「みん教のスクさぽ」は、好きな日時を選んで働けるので、学業を優先しながら活動が可能。大学の課題は隙間時間を有効活用
-学業との両立はどのように工夫していますか?
小林 小学校でのお仕事にある程度まとまった時間を割けるように、大学の課題に関しては隙間時間を有効活用することを心がけています。まだ1年次ということもあり、授業と授業の間に空き時間がある場合が多いので、学校に行く日は、その空き時間に友達と一緒に課題を終わらせるなど工夫しています。ただ「スクさぽ」は、午前中だけ、午後だけ、など自分の都合に合わせて無理なく働く日や時間を自由に選択できるという点で、学業との両立がしやすく助かります。
-小林さんが理想とする教師像はありますか?
小林 子供の視点、大人とは違う子供ならではの感じ方といったことを大切にしてあげられるような教師になりたいです。また、子供たちからの質問にちゃんと耳を傾けたり、子供たちが分からない問題には最後まで寄り添ってあげたりしたいですね。さらに、「スクさぽ」の現地支援の経験を通じて、学校運営には教員間の連携が重要であることを実感したので、私もしっかり連携を築けるような教師を目指したいし、周囲の先生を頼りつつも、先生方から頼られるような教師になりたいと思っています。
学生が現地支援サポーターを経験するメリットとは? どんな人におすすめしたい?
教師を目指すなら、教育実習にも役立つはず。中学や高校の教師を目指す人にも教育の一貫性を学べるのでぜひ経験してほしい
―学生として学校のサポーターをするメリットをどう感じていますか? またどのような学生さんにおすすめしたいですか?
小林 教育学部の学生であれば、教育実習が必須科目となっている人も多いと思います。実習前に学校現場を見ておくことは、授業の流れや先生方の様々な対応を学ぶことができる面でもメリットが大きいと感じています。
例えば、指導案を予め作成して授業に臨んでも、本番ではやはりいろんな予期せぬことが起こると思います。学生の場合、実際にどんなことが起こるのか、どう対処するべきか想像しようとしても、自分たちが子供時代の授業を想像することくらいしかできませんよね。ただそれは10年以上も前の記憶であって、現在の子供たち、学校現場とはズレが生じていることも多いはずです。
だから、サポーターを経験していると、「授業中にハプニングがあったときに、あの先生はこういう声かけをしていた」「こういうことをしてクラスがうまくまとまっていた」など、具体的な指導法・対処法を知ることができるので、きっと教育実習でも参考になることが多いと思います。
また、個人的には小学校教員を目指していない人にもおすすめしたいです。例えば中学や高校の教員を志望している人でも、小学校の現場を見ることで教育の一貫性を理解し、その経験が、実際に教師になったときに、中学校や高校での教育に活かせることも多いのではないかと思います。ぜひ子供や学校教育に興味のある学生には経験してほしいですね。
取材・文/出浦文絵 撮影/下重修
※「みん教のスクさぽ」は、小学館グループとみんなの教育技術編集部が開発中のスクールサポート事業。外部のサポーターが自分の都合の良い時間に学校で教員をサポートすることができる仕組みです。
現在、神奈川県横浜市のモデル事業として検証中で、サポーターを2025年11月30日まで募集しています(検証期間は2025年12月25日まで)。興味のある方は、ぜひこちらまでご連絡ください!
【お問い合わせ先】
小学館「みん教のスクさぽ」事務局
m-sukusapo@shogakukan.co.jp
