LD、ADHD傾向の生徒への指導はどうする?<中高教員の実務>
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LD やADHD傾向の生徒がいる場合は、個別支援と一斉指導のバランスをとって授業を進めることが大切です。また、チームとして保護者や外部との連携も欠かせません。
編著/小泉博明・宮崎 猛
【特集】中学校・高校教師 実務のすべて#39
クラスの中にLD傾向の生徒がいます。授業における注意点や配慮すべきポイントはどんなことですか?
学級の中にLDやADHD傾向の生徒がいる場合、その生徒に焦点をあてた授業を考え、工夫していきましょう。LDやADHD傾向の生徒が安心して学習できる環境は、どの生徒にとっても学習しやすい環境です。授業のユニバーサルデザイン化を心がけましょう。
目次
困っている子への指導のポイント
LD(学習障害)やADHD(注意欠陥・多動性障害)傾向の生徒への指導に際して、教師が苦戦するパターンとしては以下のようなものがあります。
1.全ての生徒たちに、同じように一斉指導を受けさせようとして破綻する。
2.特別支援の必要な生徒の個別支援に比重が偏ってしまい、他の生徒たちへの対応が不足して破綻する。
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個別支援と一斉指導のバランスをとり、統合して展開することが大切です。
1.落ち着いた教室環境を整える
● 本人が落ち着く座席を探します。刺激の多い窓際は避け、教師の近くにすることが多いようですが、ケースバイケースですので、その生徒が学習に集中できる場所を探しましょう。
● 教室内は整理・整頓し、掲示物についてもなるべくシンプルに保つようにしましょう。
2.授業の見通しを立てる
● 生徒によっては、活動の見通しが立つだけでも授業への集中やエネルギー配分ができるようになります。授業のはじめに、その日学ぶ内容を明示するとよいでしょう。
● 先を見通して理解を深め、次はこういう学び方をしたいというメタ認知を図ることができます。
3.時間や課題などの枠組みを明確にする
● 集中できる時間が短い生徒には、1時間をいくつかに区切り、休憩をはさみます。メリハリのある授業時間の組み方を心がけましょう。
● 先が見通せるように、課題の量は目に見えて、はっきり分かるようにします。課題カードやプリントなど、視覚支援を併用すると効果的です。
4.二次障害を避ける
● 読むのが苦手、書くのが苦手などの苦手意識が強くなると、勉強嫌いになり、不適応の増大につながります。学力の習得の遅れは学業面ばかりでなく、人格の育ちにも影響します。怠学との見極めが大切です。
5.言葉での指示よりサインやジェスチャーでの指示を
● 指示も確認も、あるいは称賛も、「分かりやすく」がポイントです。聞いて理解するのが苦手なことが多いので、ジェスチャーを交えたり、具体物を指し示すなどして、何をすればよいのかを明確にすることです。重要となるキーワードを強調し、単純明快な言い方を心がけることも大事です。
教師には、LD やADHD、高機能自閉症といった発達障害への理解と対応について、一定以上の知識が求められます。教師の「無知」は、生徒を追い詰め二次障害を起こしかねません。発達障害についての正しい理解を深めながら、支援するように心がけましょう。
チームとしての対応と保護者との連携がカギ
イラスト/タバタノリコ・畠山きょうこ
