バットでボールを打つのが上手になる教材はありますか? 【使える知恵満載! ブラッシュアップ 体育授業 #91】


ゲーム化することで、楽しみながら上手になっていく教材があります。
バット操作の経験値を高め、ボールを強く打てるようになる教材です。ボールを打つことに特化したゲーム、その名も「かっとばし」を紹介します。
執筆/東京都公立小学校教諭・逸見淳一
監修/筑波大学附属小学校教諭
体育授業研鑽会代表
筑波学校体育研究会理事・平川 譲
目次
1 バットでボールを打つことはとても難しい!
私は学生時代野球部でした。それでも、バットでボールを打つことはとても難しいと感じています。その理由は、バット操作が難しいだけでなく、打つために必要な動きが複雑なことや、タイミングを合わせるなど、調整しなくてはいけないことが多いからです。
「打つ」という動きをかんたんに分析します。
⚫︎構えている状態からバットを後ろに引いて、足を踏み込み、バットを振り出して、ボールに当てる。
現在の小学生のうち、野球チームに所属する子以外は、バットを握ったことがないという子が大半と考えていいでしょう。このような実態で、小さいボールをバットで打とうとしてもうまくいかないのは当然です。
それでは、どうすればよいのでしょうか。教材化のポイントは大きく分けて2つあります。
①打つことに集中できるようにすること。
②教具を工夫すること。
可能な限りシンプルな教材で「打つことって楽しい」と思わせることが大切です。夢中になって何回も打つことが上達につながります。
それでは、かっとばしのやり方を説明します。
2 基本的な場の設定・行い方
バット操作の機会を多くするために、次のような場の設定、行い方で授業を進めます。
⚫︎4人組で行う。
⚫︎ボールを置くティー(イラスト1)、もしくはコーン(写真2)を体育班の数だけ置く。
⚫︎打つ子以外はボールを拾う係になる。
⚫︎2球打ったら次の子に交代する。(1列目の次は2列目の子が打つ)
場の設定は下の図を参照。

学校に、イラストのような教具があればそれを使います。ない場合は、牛乳パックとペットボトル、コーンを使って写真のように自作します。
