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指導計画・学習指導案作成のポイントは?<中高教員の実務>

連載
中高教員の実務

創価大学大学院教職研究科教授

宮崎 猛

文京学院大学名誉教授

小泉博明

教育とは目的をもって計画的に行われることにあります。そのため、指導計画や指導計画案は目的地にたどり着くための必要不可欠なツールといえます。

編著/小泉博明・宮崎 猛

【特集】中学校・高校教師 実務のすべて#34

指導計画や週案などの提出書類作成に時間がかかり、ついつい本番の授業準備がおろそかに……。どうしたら授業準備に時間がかけられるようになりますか?

計画、計画、計画、提出、提出、提出……。教育現場は提出書類の洪水。いかに二度手間三度手間を防ぐかが重要です。授業に関しては、指導計画などの提出用の書類作成と実際の授業準備をどう合体して行うかがポイントになります。

提出用と自分用の書類の一体化

年間指導計画は年度初めに作成しますが、最近ではその内容を生徒や保護者に公開することになっています。より具体的なシラバス(毎時の指導内容を盛り込んだもの)の作成が求められることも珍しくありません。

週案は管理職に提出し、学習指導案は研究授業などで公開しなければなりません。さらに、これらのオフィシャルな計画のほかに、普段の授業用に授業ノートなどをつくるケースも多いでしょう。

指導計画・学習指導案の意義

教育は学校だけではなく、あらゆる場所や機会に行われています。そんな中で学校が行う教育の最大の特徴は、目的をもって計画的・意図的・組織的に行われることにあります。

指導計画や学習指導案はそのための不可欠なツール。いわば目的地に着くための羅針盤であり、海図といえます。指導計画がなければ、行く先を見失った難破船と同じになってしまうことも……。そんな意義を認識しながら、指導計画・学習指導案を作成していきましょう。

指導計画作成の基本ポイント

指導計画とは:学習のねらいを明確にし、それを達成するための手だてのことです。
指導計画の種類:年間指導計画→単元指導計画→週案→学習指導案
単元とは:大単元、中単元、小単元などで構成され、原則として教科書の流れに対応させます。定期試験までの期間を中単元・大単元のくくりにできると生徒・教師にとって都合がよい区切りになります。
注意点:年間指導計画の作成では、大単元や中単元を指導する順番に選び出して配列し、時間配分を行います。節目(各学期など)ごとに実施状況や到達度の中間評価を行い、PDCA サイクルで計画を修正することも重要です(下記参照)。

学習指導案作成の基本ポイント

イラスト/タバタノリコ・畠山きょうこ

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