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生徒の暴力的行為、どうやめさせる?<中高教員の実務>

連載
中高教員の実務

創価大学大学院教職研究科教授

宮崎 猛

文京学院大学名誉教授

小泉博明

人やものを大切にすることを教えるとともに、生徒の話に耳を傾けることが大切です。壊れたものなどもすぐに直しましょう。

編著/小泉博明・宮崎 猛

【特集】中学校・高校教師 実務のすべて#24

クラスに一人、すごく暴力的な子がいて悩んでいます。ケガや事故が起きないうちに、何とかやめさせたいのですが……。

すぐに友達に暴力をふるう生徒や、言葉が乱暴な生徒に対しては、本人への指導をするとともに、周りの生徒への指導を行うことも大切です。暴力では何も解決しないことを伝え、生徒同士がお互いを尊重し合えるクラスをつくっていきましょう。

ケンカ、暴力、器物破壊が起きないようにするには

自分の居場所があり、みんなが仲良く一生懸命に物事に取り組んでいる集団では、暴力行為や器物破壊などはめったに起こりません。

●日頃から「人間はよい点も悪い点ももち合わせているけれども、一人ひとりがかけがえのない存在である」ということを話します。
●どんな理由があれ、暴力は絶対にいけないということを教えます。暴力では何も解決しないことを理解させ、みんながお互いのよさを認め合える集団をつくるようにします。


●生徒の様子を把握し、一人ひとりのよさをほめ、認めます。自信をもたせ、我慢することを教えます。物事に一生懸命に取り組む中で、規範意識を高めていきます。

暴力的行為が起きたときの指導のポイント

人を大切にし、物を大切にすることを教えるとともに、壊れたものや掲示物はすぐに直します。

暴力行為等の問題行動は、発達障害などを要因としていることもあり、その場合、一般的な説明だと本人もどうしていいかわからないため、生徒指導部や特別支援コーディネーターと連携して、ケース会議を行うことなども必要になってきています。

1.ケンカ、友人への暴力

本人への指導

●生徒同士のケンカの場合は、両者の言い分を公平に聞きます。
●暴力がいけないことを、感情的にならずに落ち着いて教えます。
●コミュニケーションの取り方が苦手だったり、人に認めてもらえないストレスがあったりします。自信をもたせ、我慢することを教えます。
●怒りのコントロールが苦手な生徒に対しては、定期的にアンガーマネジメントの指導を行います。

イラスト/タバタノリコ・畠山きょうこ

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