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先輩教師と円滑な人間関係をつくるための6つの秘策|新任教師のための学級経営講座 #11

連載
新任教師のための学級経営講座

元鳥取県公立小学校教頭

友定章子

初めて学級担任になった新任教師にとって、「学級経営」は不安なもの。そこで、学級経営の基本が学べる連載をお届けします。毎月の準備や進め方などをその月の学校行事なども絡めながら紹介。鳥取県の公立小学校で、若手教師の育成に尽力してきた友定章子先生が、新任教師でも分かりやすいように解説します。今回は、先輩教師との関係について考えていきます。

執筆/元鳥取県公立小学校教頭・友定章子

はじめに

先輩の先生との関係はどうですか?

教師という仕事に慣れてきても、社会の中で価値観や経験の違う人との関わりは難しいですよね。学校という職場だけでなく、どこの会社や職場でも人間関係をつくって一緒に仕事をするということの難しさは、同じなのではないかと感じます。

みなさんが学校現場で相手にするのは子供です。子供だからできなくても仕方ないと感じたり、できるようにサポートしたり、がんばれと見守ったりすることができます。

しかし、相手が大人だとそうは思ってくれません。「大人なんだからそれくらいできるはず」「大人なんだから言われなくてもできて当然」と、先輩たちは“大人”というフィルターを通してあなたのことを見るので、自分と同じ結果を出すことを期待したり、同じ価値観であると考えたりしがちです。

「どうしてできないの?」「分からないならどうして聞かないの?」「こんな結果になる前に報告してくれればいいのに!」「まだできてないの!」と結果だけで判断してくる先輩。一方で、後輩が困るかもしれないと、聞かれもしないのに「今まではこうだった」「こうやればいいから」「私のときはこうだった」と、次々話しかけてくる先輩もいます。自分の価値観こそが正しいと押し付けられているようで、時にはうっとうしく感じるものです。

とは言え、組織の中で働くということは、いろいろな立場の人や経験や考え方の違う人と折り合いをつけながら同僚として働くことが求められます。

今、人間関係で悩んでいませんか? 相手の考えや行動は一朝一夕で変えることはできません。それでも自分の心を壊さないで、同僚性を保ちながら、どうやれば折り合いが付けられるか一緒に考えていきましょう。

1.付箋を使って、仕事を「見える化」する

学校現場では次から次へと仕事があふれてくるため、優先順位が付けられないことはありませんか? 頭の中であれもしなきゃこれもしなきゃと考えるけれど、どこから手を付けてよいのか分からなくなりパニックになってしまいます。

そんなときは、付箋にやらなくてはならないことを書き上げてみませんか。日付を入れて、学級のこと、学年のこと、校務分掌で校内に提案する文書、外部に関わる締め切り文書などを色で分け、デスクに貼っておくと、やらなくてはならない仕事が整理できます。日付を書くことで優先順位も見えてきます。

写真は、友定先生と一緒に働く新採2年目教員の9月末の付箋。黄色が学級、青が学年、ピンクが校務分掌に関わるもので整理されている。
写真は、筆者と一緒に働く新採2年目教員の9月末の付箋。黄色が学級、青が学年、ピンクが校務分掌に関わるもので整理されている。

先輩から言われた仕事も目の前で付箋にします。付箋になっている仕事以外は、頼まれていないことになります。あとになって言った・言わないのトラブルを避けられるでしょう。

付箋が多くなってしまったときは、周りの先生に助けを求めるのも大事なことです。「手伝ってください」と言うことは、あなたができないからではありません。元々、チームで分担するべきことなので、堂々と伝えましょう。

2.受け止め方の認知を変える

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