学級の集会活動を充実させる3つのポイント【自治的な活動を促す 学級経営の極意Ⅱ⑦】


子供たちが自治的な活動を行えるようにするためには、教師はどのような指導をしていけばよいのでしょうか。学級経営・特別活動を長年、研究・実践してきた稲垣孝章先生が、全15回のテーマ別に特別活動の本流を踏まえて、学級活動の基礎基本を解説します。第7回は、学級の集会活動について解説します。
執筆/埼玉県東松山市教育委員会教育長職務代理者
城西国際大学兼任講師
日本女子大学非常勤講師・稲垣孝章
学級活動(1)には、「学級会の話合い活動、係の活動、学級集会活動」があります。学級会で話し合って係活動を編成したり、学級会の話合いで決まったことを集会として実践したりする活動があります。特に、学級での集会活動は、授業の座学から解放された、単なる遊びの時間ではありません。そこで、集会活動の実践にあたって、3つのキーワード「学級会で決まったことの実践」「目的意識の再確認」「振り返りの重視」でチェックしてみましょう。
目次
CHECK① 学級会で決まったことの実践
学級活動で行う「集会活動」は、学級会で合意形成した内容を実践する場です。学級の諸問題の解決に向けた話合いを行わず、単に遊びの時間にしてしまうことは教育課程に位置付けられた時間として不適切です。学級会での話合いをもとに、決定した内容の実践に向けて全員で役割を分担し、子供たちの力で実践できるようにしましょう。
全員で公平に役割を分担をして活動します
学級会で話し合って行う集会等の実践活動は、役割を全員で公平に分担して行うようにすることが大切です。一部の子供だけが負担過重にならないように、全員で話し合い、公平に役割を分担して活動できるようにしていきましょう。
CHECK② 目的意識の再確認
何のための実践活動なのか、改めて「目的」を明確にして意識化し、協力して活動することが大切です。その根拠は、学級会での話合いの際に、判断基準とした「提案理由」にあります。実践活動の際にも、学級会の提案理由を再確認していきましょう。
何のための活動なのか再確認します
学級会では、提案理由を根拠として、学級生活の諸問題の解決を目指した話合いを行います。その話合いの中核となる提案理由を再確認し、何のために行う活動なのかを踏まえることが、充実した活動を展開する上で大切な視点です。「学級の現状」「現在の課題」「解決の見通し」をもとに提示された「提案理由」を踏まえ、「目的」を明確にして意識化した実践活動を展開していきましょう。
CHECK③ 振り返りの重視

「活動あって学びなし」とならないようにするためには、目的意識を明確にするとともに、活動後に適切な振り返りを行うことが大切です。話し合ったことを実践してみて、何がよく、何が課題となったのかを個々に振り返るとともに、全体でその振り返りを共有する活動を展開します。その際、振り返りの視点を明確にしていくように配慮していきましょう。
成果と課題を次の活動に生かします
実践活動の振り返りにより「成果と課題」を明確にすることは、次の活動をよりよいものにしていくために「見通し」をもつことにも直結します。まずは、単に楽しかったという感想だけでなく、何が成果となり、何が課題として挙げられるのかを出し合い、確認することが求められます。そして、その振り返りを次の活動に生かすようにしていきましょう。
イラスト/池和子(イラストメーカーズ)