新学期の学級開きで何を語る? <中高教員の実務>
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子どもたちとのかかわりは新学期初日から始まります。何をどのように生徒に語るのか、その伝え方や学級開きのポイントを解説します。
編著/小泉博明・宮崎 猛
【特集】中学校・高校教師 実務のすべて#2
明日はいよいよ新学期初日。子どもたちに何を話せばいいんだろう? ドキドキするなぁ……。
教師だけでなく、生徒たちにとっても新学期の数日間は緊張の連続。はじめての学級活動/ロングホームルーム(LHR)では、「このクラスでよかった」と思えるような学級開きをすることが大切です。まずは緊張をほぐすようなかかわりを心がけ、そのあとにHR担任の考え方を伝えると効果的です。
目次
学級開きのポイント
担任の生徒への思いを語る
学級開きのタイミングにおける語りかけは、担任としての生徒への思いや考えを伝える大切な場面です。自己紹介では自分の人となりが伝わるようなエピソードを交えながら、生徒の緊張をほぐすような語りを意識しましょう。そのうえで、学校生活を有意義にするためには、目標や希望をもつことが第一であり、共に目標に向かい、支え合う仲間の存在が大切であることを話します。
具体的な担任の方針
担任としてのホームルームの目標や経営方針を具体的にわかりやすく述べます。「時間を守る」「行事を大切にする」「ものを大切にする」といったことや「互いに高め合っていける集団」「家族のようにホッとできる安心したHR」などといったことを語ります。これらの決まりや方針が、学校や教師のためではなく、生徒一人ひとりにとってなぜ大切なのかを、説得力をもって話すことがポイントです。
提出物チェック
提出物用のチェックリストを作っておくと、誰が未提出なのかがわかり、のちの指導に役立てることができます。
事務連絡
新学期初日には事務的な連絡事項が多くなります。それらは学級通信やプリントなどにまとめておくとよいでしょう。この作業を通して、生徒たちに伝える内容を整理することができます。また、生徒たちも大事な連絡事項を聞きもらしたりすることがありません。
日常生活の注意
生徒一人ひとりがHR の一員であり、したがって責任は果たすこと、ルールは守り、取るべき手続きは確実にすることを強調しておきます。特に、遅刻・欠席への注意とともに、メリハリのある生活を心がけるように話します。

担任としての思いを大まかに伝えた後、日常的にどんなことに留意したらいいのかを話し、最後に具体的な担任の方針や約束を提示しましょう。事務的な連絡事項はHR通信やプリントにまとめておくとよいでしょう。また、生徒に話した内容が、そのまま保護者に伝わる場合があることも意識しておく必要があります。
事務的な連絡・確認事項
イラスト/タバタノリコ・畠山きょうこ