準備時間は減らせて質は向上!教科別「授業の型」のつくりかた

教師の一番の仕事は何よりも授業をすること。そうは分かっていても、授業準備にかける時間を充分とれないのが現実…。そこで、「授業の型をつくっておく」という授業プランの提案です。教材研究の時間はグッと減るのに、質は向上するという「授業の型」を用いた授業とは、どんなものでしょうか?
執筆/大阪府公立小学校教諭・浅野学
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授業の型があれば準備の時間は減るのに質向上
学校の先生の一番の仕事はもちろん授業です。授業によって子どもたちを伸ばし、授業によって学級経営をする。授業に同じものは2つとありません。理科専科をしていた頃、2クラスを担当していたので同じ授業を2回するのですが、流れは同じでも子どもたちの反応は異なります。毎回が1回きりの真剣勝負。これが授業の最大の魅力と言えるでしょう。
しかし、学校の先生は忙しい。授業準備や教材研究をする時間はほとんどありません。本当は授業準備をしっかりとして子どもたちに楽しい授業を提供することこそ最大の仕事のはずが、日本の先生の教材研究にかける時間は少ないという結果が、国際調査でも出ていました。この事実はなかなか変えられません。
それならば、できることをしていきましょう。それが「授業の型」をつくることです。僕はこれを意識してから教材研究の時間がグッと減りました。しかし、授業の質はグッと上がったとさえ思っています。
授業の型があればグダグダ授業にはなり得ない!
授業の型をつくる最大のメリットは、「型があること」にほかなりません。
型が何も無い状態で授業を考えるということは、「授業の始まりから終わりまでの45分間の流れをすべて考えないといけない」ということです。これを1日6時間授業するとして、6時間分も考えるなんてとても難しいですよね。結果的に授業の流れを何も考えられないまま時間がやってきてしまい、行き当たりばったりで授業をしてグダグダになってしまうなんてことは忙しい先生方にはよくある話かもしれません。
しかし、「型」があればどうでしょうか。綿密な授業プランは無いにしても、型があることで流れはあるのでグダグダにはならないはずです。
では、授業の型について、いくつかの教科の型を具体的に説明しましょう。