側方倒立回転の質を高めるにはどうしたらいいの? 【使える知恵満載! ブラッシュアップ 体育授業 #78】


#77では、側方倒立回転(以下側転)の指導のポイントを紹介しました。側転が着手から着地の一連の流れでできるようになってきたら、技の質を高めていくことを目指します。そこで、今回と次回の2回にわたり、側転の質を高めるための教材を紹介します。
執筆/群馬県公立小学校教諭・栗原章滉
監修/筑波大学附属小学校教諭
体育授業研鑽会代表
筑波学校体育研究会理事・平川譲
目次
1.どんな側転ができるようになりたい?
多くの子が側転をできるようになってきたら、「どんな側転ができるようになりたい?」と問いかけます。「かっこいい」「きれいな」「大きな」などの回答が返ってくるでしょう。そこで、どのようにできる状態がその側転に当たるのか考えさせます。なかなか意見が出ない場合には、上手にできている子をモデルにして、ポイントを絞りましょう。
質を高める上でポイントとなるのは大きく2つ、
①まっすぐに回転すること
②足を高く上げること
が挙げられます。
この2つのポイントを高めていくことを共通認識として活動を進めましょう。
2.「前へならえ」した手の間で側転してみよう!「前へならえ側転」
「前へならえ側転」とは、マット前方で「前へならえ」をした仲間の、手と手の間に収まるように側転を行う教材です。自分では、まっすぐに回れているかを判断するのはなかなか難しいものです。そこで「前へならえ側転」で、仲間にその判断をしてもらうのです。
試技者以外の子は、下の図のように試技者前方のマットから少し離れたところでしゃがみ、「前へならえ」のように手を伸ばします。はじめは、「前へならえ」の両手の幅を広めにして、マットと同じくらいの幅に見えるように伸ばします。

4人の班で活動する場合には、残りの2人は「前へならえ」した子の頭の上に顔を出すように観察します。

試技者はその手の間で収まるように側転を行います。できていると仲間が判断したら合格です。試技者と判定者を交代しながら何度も取り組ませましょう。

