小3理科「ものづくり」指導アイデア

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文部科学省教科調査官監修「教科指導のヒントとアイデア」

文部科学省教科調査官の監修のもと、小3理科「ものづくり」の板書例、教師の発問、想定される子どもの発言、1人1台端末活用のポイント等を示した授業実践例を紹介します。

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執筆/福岡県北九州市立港が丘小学校教諭・寺川智紀
   福岡県北九州市立大里東小学校主幹教諭・秋重吉克
監修/文部科学省教科調査官・有本淳
   福岡県北九州市立湯川小学校校長・齋藤貴志
   福岡県北九州市立大里東小学校教頭・國房智之

単元目標

物と重さ、ゴムと風の力のはたらき、光と音の性質、電気の通り道、磁石の性質などで学んだことを、ものづくりに生かすことができるようにすることがねらいである。

評価規準

主体的に学習に取り組む態度

①物の性質、ゴムと風の力のはたらき、光と音と性質、磁石の性質、電気の回路についての事物・現象に進んで関わり、他者と関わりながら問題解決しようとしている。
②物の性質、ゴムと風の力のはたらき、光と音の性質、磁石の性質、電気の回路について学んだことを学習や生活に生かそうとしている。

評価計画

総時数 3時間

第1次 おもちゃをつくろう。

 学んだことを生かしておもちゃをつくる。

主体的に学習に取り組む態度①
物の性質、ゴムと風の力の働き、光と音と性質、磁石の性質、電気の回路についての事物・現象に進んで関わり、他者と関わりながら問題解決しようとしている。〈行動観察・発言分析・記述分析〉

2 つくったおもちゃをさらに工夫する。(授業の詳細

主体的に学習に取り組む態度②
物の性質、ゴムと風の力のはたらき、光と音の性質、磁石の性質、電気の回路について学んだことを学習や生活に生かそうとしている。〈行動観察・発言分析・記述分析〉

授業の詳細

第1次 おもちゃをつくろう。

2 つくったおもちゃをさらに工夫する。


物の性物の性質、ゴムと風の力のはたらき、光と音と性質、磁石の性質、電気の回路についての事物・現象に進んで関わり、他者と関わりながら問題解決しようとしている。

板書例の画像
板書例(クリックして拡大)

①問題を見いだす

前回つくったおもちゃを提示し、遊んだ感想や、他の人のおもちゃと比べてみたことなどを振り返り、さらに工夫したいところについて話し合います。教師が2つのおもちゃを提示して、工夫できる点について子どもが気付くように支援するのも効果的です。また、作ったおもちゃに一定の満足がある子どもには、学んだことを他にも組み合わせることができないか、問いかけることで、問題を見いだせるようにしましょう。

左から、ピンポン玉をゴムの力で飛ばしているおもちゃ、風を受けて動くおもちゃ、豆電球を使ったライトのおもちゃ、磁石を使った迷路のおもちゃのイラスト

自分のおもちゃの工夫したいところについて話し合ってみましょう。音のなる磁石のおもちゃなど、2つのはたらきを組み合わせたおもちゃを作るのも楽しそうですね。

もっと工夫して遊べるようにしたいな。

他の学んだことと組み合わせてつくるおもちゃも面白そうだね。


自分のつくったおもちゃにどのような工夫をすれば目的を達成できるのだろうか。

どんなおもちゃにしたいか、目的と工夫することを話し合ってみましょう。

 
本時では、学んだことを生かして、ものづくりしようとすることが目標です。ものづくりでは、学習して得た知識を生かして、理解を深めることをねらいとすることもありますが、今回は学んだことの意義を子ども自身が実感できることをねらいとしています。そのためには、児童が主体的に明確な目的をもち、その目的を達成するために、ものづくりを行うようにしましょう。

②予想する

改良する目的と、どうしたらよいかという工夫点について話し合います。

どんな改良をしたいか、はたらきごとに目的を話し合ってみましょう。

もっとピンポン玉が飛ぶゴムのおもちゃにしたいな。

ゴムのはたらきを強くするには…?

磁石と電気の通り道は、鉄を使うと組み合わせることができそうだね。


工夫には、はたらきを強化していく方向と、他のはたらきを組み合わせる方向が考えられます。目的を設定するときには、何のはたらきをどうしたいか、または、どのはたらきを組み合わせたいかを明確にしましょう。また、ものづくりを始める前に、同じ目的、同じはたらきの人同士で、どこを工夫するのかについて話し合いをすると、学習の見通しをもつことができ、主体的に学習に取り組むことができます。

③解決方法を考える

目的に応じてものづくりをする。(安全指導

④観察をする

おもちゃの工夫したところについて発表し合う。

ぼくのピンポン玉ロケットは、遠くまで飛ぶようになったよ。

⑤結果を基に考察する

工夫がうまくいったり、いかなかったりした人とは何がちがうのかな。

風を受ける板を大きくしたけど、車はあまり速くならなかったよ。風を強くしたほうがよかったかな?

⑥結論を出す

いくつかの子どものおもちゃを紹介し、はたらきが強くなったおもちゃや、他のはたらきと組み合わせたおもちゃがあることに着目させる。


自分のおもちゃのはたらきを強くしたり、他のせいしつや、はたらきと組み合わせたりすることで目的が達成できた。


改良前の動画と改良後の動画を撮影するようにしておきましょう。子どもが改良する前後の変化を紹介するときに、変化を知らなかった子どもでも視覚的にわかることができます。

⑦振り返る

理科で学習したことを生かして、色々なおもちゃをつくれたね。

みんなの作ったおもちゃがどんなのか気になるな。

おもちゃショーを開いて、つくったおもちゃについて発表しましょう。

 
今回のものづくりでできたことやできなかったこと、次のものづくりでしたいことなどの視点で振り返るとよいでしょう。振り返りのなかから、子どもがおもちゃをよいものにする目的のために、学習したことを生かせたということを価値付けるようにしましょう。

安全指導

実験にあたっては、次のことを確実に指導するようにしましょう。

【ゴムのはたらきに関する指導】
●ゴムを使ってものを飛ばすおもちゃは人に向けない。

【光のはたらきに関する指導】
●懐中電灯や鏡で反射した光は人に向けない。

イラスト/難波孝

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