小6国語科「日本の文字文化/仮名づかい」全時間の板書&指導アイデア

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国語科 令和6年度版 新教材を活用した授業づくりー文部科学省教科調査官監修の実践提案ー
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文部科学省教科調査官監修「教科指導のヒントとアイデア」
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文部科学省教科調査官の監修のもと、令和6年度からの新教材、小6国語科「日本の文字文化/仮名づかい」(光村図書)の全時間の板書例、教師の発問、想定される児童の発言、1人1台端末活用のポイント等を示した授業実践例を紹介します。

小六 国語科 教材名:日本の文字文化/仮名づかい(光村図書・国語 六)

監修/文部科学省教科調査官・大塚健太郎
編集委員/山梨大学大学院教授・茅野政徳
執筆/神奈川県横浜市立一本松小学校・奥村千絵

1. 単元で身に付けたい資質・能力

本単元で身に付けたい知識及び技能は、日本で使われている文字の由来や特質を理解すること、文の中で漢字と仮名を適切に使い分けることの二つです。

日本で使われている文字について、児童は日頃から触れているためにその特質に気付いていない場合があります。由来や特質を理解したうえで、今後、どのように日本語を活用していくのかを考える姿や、実際に書いたり読んだりする場面で生かそうとする姿を期待したいところです。

2. 単元の評価規準

単元の評価規準

3. 言語活動とその特徴

万葉仮名を使って周りにある言葉を表す、仮名遣いに気を付けて文を書き表す、文の意味に合った漢字を考えたり選んだりする、などの言語活動を設定しています。これらの言語活動は、仮名の由来に興味をもつとともに、日本語の表記の特質や注意すべき点に気付くことを目的としています。
まずは、万葉仮名クイズから始めます。身近なものを万葉仮名で表したものをクイズ形式で出題します。児童は、漢字の読みを頼りに答えを予想していくことでしょう。教師から出題した後は、万葉仮名一覧表を使って、自分たちで問題を作成し、出し合う活動を行います。万葉仮名に親しみ、興味をもつことを目的として、楽しさを感じながら取り組めるようにしています。
次に、文の意味に合った漢字を考えたり選んだりする活動です。日本語には同じ音の言葉が多くあるため、漢字で書かないと意味が正確に伝わらないことを理解できるようにします。これは、第5学年で学習した「同音異義語」と関わる内容です。既習したことを思い出すと共に、日本語の特徴について体感できるようにしていく姿を期待したいです。
最後に、「地面」や「鼻血」、「縮む」など、仮名遣いの中でも間違えやすいものについて取り上げ、正しく書けるように指導します。ICT端末で文字入力をする際に、正しく変換されなかった経験を思い出させ、正しい仮名遣いを習得しようとする意欲を高めます。ここでもクイズ形式でテンポよく仮名遣いについて理解できるようにしています。

4. 指導のアイデア

主体的な学びを実現するために大切なことは、楽しさを感じたり、興味をもったりしながら学習を進められることだと考えました。日頃使っている仮名文字が漢字から由来していることに驚きを覚えることや、同じ読み方であっても使われる漢字によって伝わる意味が異なることに気付くことは、言葉の面白さを感じ、自分たちが使っている言葉についてさらに知りたくなる第一歩となるのではないでしょうか。
まずは、「判じ絵」を使って何の言葉を表しているのか考え、日本の文字文化に親しむ入り口としました。判じ絵とは、江戸時代に庶民の間で親しまれた浮世絵の一つです。絵から連想される言葉を当てるクイズのようなものです。
その後、万葉仮名クイズを行い、抵抗感なく、楽しみながら日本の文字文化に触れられるようにしました。万葉仮名クイズでは、担任の先生の名前を万葉仮名で表したり、多くの児童が知っているキャラクターを出題したりするのはどうでしょう。万葉仮名への興味が高まったところで、自分たちで問題を作成する活動を入れています。「やってみたい」という意欲は、主体的な学びの第一歩です。
対話的な学びとして、ICT端末を使い、それぞれが作成した万葉仮名クイズを解き合える場を設けました。友達が作成した仮名文字クイズを解くことを通して、万葉仮名への興味や理解を深められることを目的としています。ICT端末は、文の意味に合った漢字を考える際にも使用します。変換機能を使って、どの漢字が文の意味に合っているのか考えられるようにしました。

5. 単元の展開(2時間扱い)

 単元名: 日本の文字文化

【主な学習活動】
・第一次(1時
① 仮名の由来について理解する。
② 仮名文字の基となった万葉仮名や仮名の由来について知り、万葉仮名を使ったクイズを作成する。
③ 万葉仮名クイズを解き合うことを通して、仮名の由来に親しみをもつ。〈 端末活用(1)〉

・第二次(2時
④日本語の表記の特質について理解する。
⑤ 文の中で正しい漢字を選択したり、仮名遣いに気を付けて正しく書いたりする。〈端末活用(2)〉

全時間の板書例と指導アイデア

【1時間目の板書例 】

1時間目の板書例

イラスト/横井智美

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