しなやかな心を育てる! 小学校の教室で育むレジリエンス ~低学年編~
小学生の子どもたちは、様々な困難や失敗に直面しながら、それを乗り越えていく経験をたくさん積み重ねていきます。こうした逆境を乗り越える力は「レジリエンス(回復力・復元力)」と呼ばれ、近年注目を集めています。
そこで今回からは、小学校の教室で行う「レジリエンス」を育む指導アイディアについて、低学年編・中学年編・高学年編の3回にわたってお伝えします。
【連載】ストレスフリーの教室をめざして #16
執筆/埼玉県公立小学校教諭・春日智稀
目次
1 なぜレジリエンスが大切?
文部科学省(2024)の調査によれば、小中学校におけるいじめの重大事態や不登校児童生徒数は過去最多を更新しています。現代の子どもたちは多様な困難に直面していると言えるでしょう。こうした時代においては、困難から逃げるというよりも、困難に立ち向かっていく力を育むことが大切です。レジリエンスは、「逆境を乗り越える力」「しなやかな心」などと呼ばれ、困難な状況から立ち直っていく心の弾力性や復元力全般のことを指します。心身ともに「強い自分」であるために、小学生期からレジリエンスを育むことはとても重要なのです。
2 指導アイディア①
⑴ プログラム名
「気持ちのカラーカード」
⑵ ねらい
・自分や相手の気持ちに気づく力を育む
・ネガティブな気持ちになったときの対処法を知る
⑶ 指導の実際
(※T:教師のセリフ)
⑷ 授業で使うもの
〇色と気持ちの掲示物
〇気持ちのカラーカード
3 指導アイディア②
⑴ プログラム名
「クラスのお助けカード集をつくろう」
⑵ ねらい
・逆境に対峙したときに、落ち着いてその場を乗り越える方法を知る。
⑶ 指導の実際
(※T:教師のセリフ)
⑷ 授業で使うもの
〇お助けカード
イラスト/坂齊諒一
<プロフィール>
春日智稀(かすが・ともき)
2015年より埼玉県公立小学校教諭。体育主任・生徒指導主任・研究主任・教務主任などを担当。
学校心理士/ケアストレスカウンセラー/青少年ケアストレスカウンセラー/アンガーマネジメントキッズインストラクター/アンガーマネジメントティーンインストラクター
日本生徒指導学会・日本学校教育相談学会・日本教育心理学会・NPO日本教育カウンセラー協会/所属