小6国語「永遠のごみ」プラスチック 板書の技術

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見やすく理解しやすい「単元別 板書の技術」元京都女子大学教授・同附属小学校校長 吉永幸司監修
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大阪府公立小学校教諭

岡本美穂
連載 見やすく理解しやすい 京女式 単元別 板書の技術  バナー

今回の教材は説明文の「『永遠のごみ』プラスチック」です。本単元では、付けたい力を「複数の情報を関係づけて読み、プラスチックごみの問題に対する考えを伝えよう。」としています。そのため、説明や解説などの文章を比較するなどして読み、分かったことや考えたことを伝えることができるようにします。板書では、視覚的に比較しやすい上段と下段の表の板書や、表の板書につなげられるような板書の工夫を紹介します。

監修/元京都女子大学教授
 同附属小学校校長・吉永幸司
執筆/大阪府公立小学校教諭・岡本美穂 

教材名 「永遠のごみ」プラスチック(東京書籍)

単元の計画(全6時間)

  1. これまでの学習を振り返り、単元の学習の見通しをもつ。
  2. 「『永遠のごみ』プラスチック」の構成を捉え、要旨をつかむ。
  3. 筆者の文章と資料を関係付けて考える。
  4. 自分の考えたことを発表する。
  5. 前時で学習したことをもとに、意見文を書く。
  6. (※と同様)

板書の基本 

〇この単元では、付けたい力を「複数の情報を関係づけて読み、プラスチックごみの問題に対する考えを伝えよう。」としています。「『永遠のごみ』プラスチック」と、2つの資料の内容を関係付け、プラスチックごみの問題に対する考えを発表できることをめざします。その際、説明や解説などの文章を比較するなどして読み、分かったことや考えたことを伝えることができるようにします。

5年生では、複数の情報を関係付けて読むことを意識して、「和の文化を受けつぐ――和菓子をさぐる」という学習を行っていますので、そことつなげて考えることができるようにしています。

〇意見文を書く際には、3段落構成で書くこと、説得するために教科書の本文や資料(本、インターネットで調べたこと)などの複数の情報から引用していること、「プラスチックごみ」の問題に対する自分の考えを書くことなどの条件にそって書くようにしました。

〇引用などする際には、情報の信頼性の確かめ方や著作権について理解し、学んだことを生かして文章を書くことや、情報の信頼性や著作権に気を付けて文や文章を書くことを意識しました。今回の板書では、筆者の主張と、資料①と②など複数の資料を関係付けることをめざしているので、板書でも「比較」「関連付け」ができるように構成しました。そのために2段の板書構成にしたり、矢印を活用したりするなどしています。

板書のコツ(3/6時間目前半)

小6国語「永遠のごみ」プラスチック 板書の技術 3/6時間目前半の板書
3/6時間目前半の板書

板書のコツ

本時のめあては「資料①と資料②を比べて考えよう」です。ここでは、資料①を読んで分かったこと、資料②を読んで分かったことをそれぞれ聞いていきました。すると、資料①は「これからのごみをなくすことが書かれている」という意見が出てきたので、板書しました。そこからつなげて「資料②は?」と発問すると、「今までのごみをなくすこと」と比較したからこその意見が出てきました。それを板書すると、「①は未来に向けて」「②は過去のこと」という意見になりました。

板書のコツ(3/6時間目後半)

小6国語「永遠のごみ」プラスチック 板書の技術 3/6時間目後半の板書
3/6時間目後半の板

板書のコツ

また、今回は「筆者の主張」ともつなげて考えるようにしたかったので、「筆者ならどちらをよりおすすめするのでしょう?」と発問すると、多様な意見が出てきました。筆者は「13段落でプラスチックごみの問題についてくわしく言っているから①ではないか?」や「繰り返し使うことの必要性を伝えているから②」というように多様な考えを、本文をもとに伝えている姿が見られました。それらの子供たちの意見を整理して板書しました。

板書のコツ(4/6時間目)

小6国語「永遠のごみ」プラスチック 板書の技術 4/6時間目の板書
4/6時間目の板

板書のコツ①

本時のめあては、「プラスチックごみの問題について自分の考えを伝えよう。」です。ここから、自分のめあてとして、前時の授業とつなげて考えていきたいこと、筆者の考えをもとに自分の考えを深めること、プラスチックごみの影響やSDGsのことも意識したい、という意見が出てきたので板書しました。

板書のコツ②

前時の学習を積み重ねているので、同じような構成の板書にすることでつなげて考えていけるようにしています。毎回、前時の板書のデータを子供たちに送り、いつでもタブレットで見られるようにしています。また、電子黒板でも共有して前時の振り返りとして活用するようにしています。

矢印の向き、矢印の色を工夫することで、つなげたり比較したりするなどして子供たちが自然に考えられる板書としています。

 

構成/浅原孝子

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