子供たちが大盛り上がり! 知恵フル活用の学級「謎解き」レク<前編>
子供たちが大好きな謎解きをレクで取り入れてみませんか? 子供たちが盛り上がるのはもちろん、みんなで知恵を絞って謎を解くことで学級や学年全体の絆を深めることにもつながります。前編では、学級はもちろん学年全体でも楽しめるレクと学級内ですぐに楽しめるレクの2つの例を紹介します。
どちらのレクも教室だけでも実施できますが、校内全体が利用できる場合は使用する場所を増やしたり校内マップを活用したり、規模を大きく実施するとおもしろさがアップします。部分的に使っても、送る会やお別れ会などにも活用できます。
監修/東京都公立小学校指導教諭・岩田純一
目次
謎解きレク1 学級や学年で謎解きに挑戦しよう
【ねらい】
様々な謎に対して学年や学級で協力し、知恵を絞って解決を図ることを通して、互いの長所に気付いたり、発想力や想像力を磨いたり、達成感を味わったりすることができる。
【方法】
グループで協力して謎や指令を順にクリアしていき、最終目的を達成します。謎にする内容は、これまでに学校で学んだことや体験したこと、共通の思い出などを基にするとよいでしょう。
【用意するもの】
①謎解きミッションのメッセージ用紙と指令カード×グループ数
②色違いの折り紙数枚(白色の裏に「謎1」を貼り、赤色の裏に「最後の指令」を記入)×グループ数
③謎1~謎7カード(下の図<謎カード>参照)×グループ数
④0~9の封筒(下の図<封筒>参照)×グループ数
【進め方】
①グループに分かれ、教室に置かれている「謎解きミッション」を読んでスタート。
<ミッション例>
●○○先生が何者かに連れ去られた。みんなで協力して謎を解いて○○先生を救出せよ!
●○○小学校には実はお宝が隠されているのだ。みんなで協力してお宝を捜索せよ!
②教室にグループ数分の折り紙セット、封筒を置いておき、各グループに指令カードを配ります。
指令カード:手に入れる折り紙の色は白色。
➡︎折り紙セットの中から、白色の折り紙を取り出し、裏に貼られた「謎1」を読む。
③謎1:「Whit○」○は何番目?
謎解き:Eはアルファベットの5番目なので、答えは「5」。
➡︎5の封筒を取り、中にある「謎2」を読む。
④謎2:イラストに共通する数字の封筒をゲットせよ!
謎解き:昆虫の脚、大陸、ギターの弦、小学校の学年の数は「6」なので、答えは「6」。
➡︎6の封筒の中から「謎3」カード、クイズ問題、解答用紙、「封筒X」を取り、「謎3」を読む。
⑤謎3:解答用紙を1人1枚ずつ取り、クイズの答えを各自が記入して「せーの」で見せ合う。全員が一致したら、「封筒X」を開けることができる。全員が一致するまで何度でも挑戦せよ!
<クイズ例>
●校長先生の名前は?
●担任の先生の下の名前は?
●遠足で行った場所は?
●移動教室で行った場所は?
※先生や学校活動にちなんだクイズにしましょう。
※学年に合わせて質問の難易度を変化させましょう。
➡︎全員の答えが一致したら封筒Xを開ける。封筒Xの中に入った写真の場所に移動し、「謎4」に挑戦する。
⑥謎4:次のクイズを解き、答えの数字の封筒を開封せよ!
<クイズ例1>
あ+い=3
あ+か=12
す-う=20
こ-か-え=○
謎解き:あ行を1~5、あ段を1、11、21……という具合に考えると、○=0。
<クイズ例2>
一+二=3
口+一=4
月+山=7
田-土=2
川-山=○
謎解き:漢字の画数で考えると、○=0
➡︎「0」の封筒を開け、「謎5」を読む。
⑦謎5:折り紙でウサギを折り、そのウサギをウサギ小屋の仲間に合流させよ!
案/とりごえこうじ 出典:小学館『新 幼児と保育』公式サイト「みんなの幼児と保育」(うさぎの折り方)
➡︎最初に手に入れた白色の折り紙でウサギを折って、ウサギ小屋に届ける。そこに置かれた「謎6」を読む。
※ウサギ小屋がない場合は、ウサギのイラストを貼った場所でもOK。
⑧謎6:カードに書かれた文字を並び替えて、謎解きをせよ!
謎解き:文字を並び替えると「ZUKAN P32」になるので、図鑑の32ページを探す。
➡︎学級文庫が置いてある場所に行き、図鑑のP32を見ると「謎7」が書かれた紙が挟まっている。
⑨謎7: 手に入れる折り紙の色は□色。一発退場!
謎解き:最初にもらった指令カードには「手に入れる折り紙の色は白色」と書かれていたので、□には色を入れる。サッカーの「一発退場!」はレッドカードが出されたことを指すので□は赤となる。謎7に当てはめると「手に入れる折り紙の色は赤色」となる。
➡︎赤色の折り紙の裏に最後の指令が示されている。
⑩最後の指令を実行して、謎解きミッションの目的を達成!
※最後の指令は謎解きミッションに従って適宜考えましょう。
<謎カード>
<封筒>
【ポイント&留意点】
謎やクイズはクラスや学年ならではの内容にすると、仲間意識を高めることに効果的です。また、謎のジャンルや設定などは学校や学級の実態に応じ、問題の難易度を変え、子供たちが自分の能力に合わせて選択できるようにするとみんなが楽しめます。子供たちが主体となって謎解きレクを運営したり、グループごとに謎を考えたりしてもおもしろいでしょう。また、今回は謎を7つ用意しましたが、実態や時間に合わせて、数を調整するなどして工夫してください。
謎解きレク2 学級で謎解きを楽しもう
【ねらい】
友達とたくさんコミュニケーションを図りながら謎解きをすることで、互いの友情を深めたり、友達のよさに気付いたりすることができる。
【方法】
指令カードに書かれた内容をグループでのコミュニケーションのなかで、互いに気付かれないように実行します。グループ内の指令カードに書かれた指令は、グループ内の人それぞれに対して異なる内容です。何の指令が出ているのかを当てられないようにするゲーム。
【用意するもの】
●指令カード(異なる内容の指令)×グループ数
【進め方】
①指令が書かれたカードを用意します。
②4~6人くらいでグループをつくり、円になります。異なる内容の指令カードを受け取ります。指令カードは他の人には見せません。
③全グループ同時に互いに自由にコミュニケーションをするなかで、各自指令を必ず実行します。
④何の指令が出ているのかをグループ内の人に当てられたら脱落。
⑤脱落後は1度だけ「死神」としてよみがえって指令を当てるチャンスがありますが、はずれたらそのゲームには参戦できません。
⑥時間内に指令が達成できなかった場合も脱落となります。
【指令カード例】
●会話の中に英語を3回使う(ナイス、グッド、バナナ、トマト、ハッピーなど)。
●自分のことを「自分」と3回呼ぶ。
●自分のことを名前で3回呼ぶ(苗字、名前、フルネーム)。
●3回立ち上がる。
●ずっと顔を触っている(片手、両手)。
●ずっと消しゴムを触っている(片手、両手)。
●3回拍手する。
●毎回必ず語尾は「ね」で終わる。
●会話の途中で1回鉛筆を削る。
●会話の中で3匹の動物を言う。
●5回せきをする。
●5回手を挙げる。
●3回「眠い」と言う。
●3回「おなかがすいた」と言う。
【ポイント&留意点】
1ターン5分とし、お題を変えたり、指令を2倍の数にしたりするなど工夫して行いましょう。お題を子供たちに考えてもらうと子供たちがよりやる気になります。その際は、自分が嫌な気持ちになるようなお題は使わないよう伝えておきましょう。また、ゲームマスターとしてお題をクリアしているのかを確認したり、何回クリアしたのかを数えたりする役割があってもよいでしょう。
お題の内容が簡単だと指令が周りに気付かれにくく、長くゲームが続く傾向にあります。お題が難しいと指令が周りに気付かれやすく、すぐにゲームが終わる傾向にありますが、おもしろさがアップします。状況に合わせて内容を変えて楽しみましょう。
取材・文・構成/太田久子、浅原孝子 イラスト/フジコ、畠山きょうこ、やひろきよみ